第40話 曹操に知らせが。

「陳宮がぁー陳宮がぁー

あっはは・・・」

報告を聞いた曹操は腹を抱え笑い転げていた。

「曹操様、お笑いになられている場合ではありませぬ!

曹清様に悪い噂がたったのです!これは責めるべき案件だと!」

「夏侯恩、曹清も楽しそうにしているから気にするな。」

「しかし!」

「夏侯恩、お前が口出す事では無い。」

曹操は先程までの上機嫌とは違い冷たい目で夏侯恩を見ている。


「申し訳ありません。」

夏侯恩は震えながら曹操に頭を下げる。

「下がれ!」

「はいぃぃぃーーー!」

夏侯恩は慌てて曹操の前から退散するのだった。


「ふん、良い気分が台無しだ!」

「そう言われますな、しかし、陳宮は何を考えて・・・」

曹操の軍師荀彧は思考を巡らせる、夏侯恩のように色恋とは思っていない、そして、呂布の家族を許昌においている以上裏切るとは思えない、だがなんの為に・・・


「青州攻めでしょうな。」

曹操の軍師郭嘉が部屋に入るなり発言する。

「郭嘉、青州を攻めるには陳宮の手勢では厳しいのでは?」

「荀彧、あなたは内務が得意ですからわからないのかも知れませぬが、陳宮が指揮する兵でも青州を落とせるでしょう。

ですが、袁紹の本隊を相手になる可能性をどう考えているのか・・・」

郭嘉は深く戦略を悩む。


「荀彧、郭嘉、考えすぎだ、陳宮なら何とかするだろう。」

「曹操様はもっと深く考えるべきです。」

「大丈夫だ、陳宮なら何とかする。」

曹操の陳宮への揺るがぬ信頼に郭嘉が心配そうに聞き返す。

「曹操様、陳宮を信頼されてるようですが、彼の者は我らに敗れている者ですぞ?」

「それは呂布が言うことを聞かなかったからだ。

陳宮の策通りにすれば我らが勝つことは無かった。」

「曹操様、我らが負けるとはどういうことですか!」

「怒るな郭嘉、陳宮はそれ程の男ということだ。」


「曹操様、曹清様との関係は・・・」

「構わん、曹清には曹清の想いがあるしな、俺としては曹清が好きにすればいいと思っている。

お前らもいらん気は使うな。」

「しかし、曹清様のお相手にしては些か歳の差が・・・」

「構わん、俺も若い娘に手を出しているしな。」

「はぁ、若い者達に曹清様は人気がお有りでしたからな、皆もショックを受けるでしょう。」

「曹清の心を射止めれないのだ、致し方あるまい、モテぬ奴が悪い。」

曹操はアッサリとモテナイ男を切り捨てる、モテる曹操にモテナイ気持ちはわからないのだ。


「はぁ・・・」

荀彧は若者達の気持ちを思いため息が出るのであった。

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