第3話 ソロデビュー

受付嬢に書類を渡す。


「はい、確かに受理しました。


それでは頑張ってくださいね」

「ありがとうございます」


手続きを終えると、ハルトは早速出発する事にする。


「行ってきます!」


ハルトはギルドを出て行った。


◆◆◆


ハルトが向かった場所は街少し離れた森。

ギルドから村った地図に従い、目的の場所に向かう。

目的地に近づくにつれて、辺りが暗くなっていく。

ハルトは不安を覚えながらも、歩みを進める。


「ここら辺か? それにしても暗いなぁ……ん?」


ふと視線を感じた気がして、後ろを振り返る。

しかし、そこには誰もいない。

気のせいかと思い前を向こうとした時だった。

突然、前方から緑色の物体が飛び掛かってきた。


「うわああああっ!?」


不意打ちを受けたハルトは悲鳴を上げた。


スライムだ!


その大きさは子供程の大きさでプルプル震えている。

見た目はゼリーの様な柔らかそうな体をしており、顔の部分に大きな口がついている。

どうやらそれが笑っている様に見えたらしい。

ハルトは剣を抜き構える。

だが、その体は小刻みに震えていた。


(はっ……、何を怯えているんだ俺は……。奴らに復讐するならこのくらい……)


ずっとパーティで戦って来た。

ソロは初めてだ。

実力的には勝てる相手でも、初めての一人での戦いは緊張する。


「せやっ!」


ハルトは勇気を振り絞り、スライムに飛び掛かった。

そして、そのまま勢いよく斬りつける。


「やったか!?」


斬られたスライムはそのまま動かなかった。

だが、油断はできない。

スライムが粟立ち始めた。

そして、ドロドロに溶け、空気と同一、つまり気体となり消えて行った。


「やった!」


初めてのソロデビューでハルトは少し自信が付いた。


「きゃー!」


その時、女性の叫び声が聞こえて来た。

ハルトは急いで駆け付ける。

すると、そこに居たのは少女の姿があった。

年齢は12歳位だろうか、綺麗な金髪の髪は地面についてしまうほど長い。

服装はかなり豪華なドレスを着ているが、あちこち汚れてしまっている。

そして、その少女は屈強な男達に襲われていた!

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