俺の固有スキルが『変態』だってことがSNSで曝されバズりまくって人生オワタ。予想通り国のお偉いさんや超絶美女がやってきた。今更隠してももう遅い、よなあ。はあ。
二部第3話 変態、恐怖体験させられて絶叫オワタ
二部第3話 変態、恐怖体験させられて絶叫オワタ
ボスであろうデッカイ
実際はもう蛸足で纏わりつかれながら身体中の皮膚に生やした針で刺すという気持ち悪い絵でした。
それはさておき、ボスを倒して、魔引き終了のつもりだった。
あ、魔引きは間引きだ。あまりにも魔物が増えると大発生が起きる可能性がある。
なので、定期的に魔物を狩っておく。じゃあ、ダンジョン核壊せばダンジョンなくなるし壊せよってなるのだけど、魔石が、次世代燃料になるこの時代。ダンジョンは壊さず管理する方針だ。
勿論、前回の大発生を受け、攻略済みダンジョンに関しては、より徹底した安全管理を行っていくことが決定している。
それもさておき、俺の目の前には今、幼女がいます。
見た目幼女のケモミミ美少女でも同い年の氷室ジュリちゃんと違い、多分マジもんの幼女だ。専門家じゃないのでわからんけど。
頭にデカい朝顔が生えている。
多分、生えている。だって、在り得ないサイズだもの。
あと、その幼女と同じ魔力を纏っている。
魔物、なんだろうか。
人型の魔物は多くいる。だが、それのどれも知性があるようでもコミュニケーションをとることが出来ない。
問答無用でこちらに向かって襲い掛かってくる。
この前の大発生で魔力だけでこちら来た魅魔王ヴィー、そして、魔王殺しの魔王オウギュスト。奴らが初めてコミュニケーションをとれた魔物として学会が大騒ぎになったとモジャモジャ天才大学院生の神辺先輩が言っていた。
それ以外の例がない。
この幼女も目を覚ませば、問答無用で襲い掛かってくるのだろうか。
マズいな。
めちゃくちゃやりづらい。この幼女のスキルや魔法が何か分からない以上眠っている内にやるのが一番だ。
だが、めちゃくちゃかわいい。
これは生物が生き残る為の方法として一般的に使われているかわいいアピールであると分かっていても、手が出せない。
ぐぬぬ。俺の中の天使が囁いている。
『こんな幼子がダンジョンでひとりぼっち。かわいそう。連れて帰ってあげましょう』
俺の中の悪魔も囁いている。
『かわいいから、拉致しようぜ』
というわけで、連れて帰ることに決定。
相反する善悪でも行動が一致することあるんだね。
どちらにせよ、これだけ弱そうなんだ。
暴れてもたかがしれてるだろ。
一先ず、レイの居るダンジョン庁に連れていき、神辺先輩に来てもらい、意見を聞こう。
あれ? 魔物ってダンジョンでしか基本生きられないんだっけ?
そんなことを彼女に声をかけようと手を伸ばすと、ふっとどこからか風が吹いた。
そして、
『ありがとう』
そんな声が聞こえた気がして、あたりを見回す。
誰もいない。
そして、再び幼女を見ると、彼女は、消えていなくなっていた。
「ぎゃああああああ!」
やだあ! 急に怖い話!? 夏だから!?
夏だからかな!? もぅさぃぁく、まぢむり……!
俺は冷たいものが背中に流れるのを感じ、もう全力ダッシュで逃げ出す。
途中、アホと眼鏡を轢いた気がするが、知らん。
怖すぎる。あの声。
頭の中でジンと響くあの声。
なんだったんだ。なんか肩が重い気がする。
もう今日は寝ると決めた。こんな恐怖体験、寝て忘れるに限る。
俺は帰って布団に潜り込む。
すると、
「おかえり」
黒髪の長い女が、いた。
姉だった。
「ぎゃああああああ!」
姉が舌なめずりをしていた。
息が荒い。
酔っているようだ。
そのあとの、記憶はない。
ただ、姉が次の日なんでも好きなものを買ってあげると言っていたのが怖すぎた。
そんなひと夏の恐怖体験。
『ねえ、あそぼ』
声なんて聞こえないさ! おばけなんてウソさ!
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