俺の固有スキルが『変態』だってことがSNSで曝されバズりまくって人生オワタ。予想通り国のお偉いさんや超絶美女がやってきた。今更隠してももう遅い、よなあ。はあ。
第56話 変態、過去を刺激されて思い出しオワタ
第56話 変態、過去を刺激されて思い出しオワタ
『ミツルギ
まあ、言ってることはおんなじなんだけど。
二年前に起きた
発生源は、御剣大学の第三研究施設の建設予定地。
元は【人形の家】というダンジョンがあった場所で、建設の為にダンジョン核を破壊し、入り口を封鎖、更にしっかりと検査をした上での建設予定だった。
だが、そこからモンスターがあふれ出てきた。
後に『
だが、『偶然そこに居合わせた違法冒険者』と、OBである【鋼の勇者】達チームモノノフの数人、そして、冒険者志望の学生たちによって死者ゼロという奇跡を起こし、『冒険のミツルギ』の名を世に知らしめた。
勿論負傷者は沢山いたが、死者が出ないのが本当に不思議な位の大事件だった。
ただ、行方不明者が一名いた。
それが、『更科冬輝』だ。
その日、俺達は【鋼の勇者】が講演会に来るということで、理々を誘って御剣大学に出かけた。姉が御剣学園に通っているし、生徒会長という事もあり、チケットを融通してくれた。
憧れの勇者は、とても遠くにいたけれどそれでも俺達はワクワクしていた。
理々がよくわかんないと言ってたのがよくわかんなかった。
そして、大興奮のまま、講演会が終わり、会場を出ると理々がいなくなってた。
携帯で連絡をとるとすぐに出た。
どうやら途中でトイレに行ってたらしく、そのまま迷子になったらしかった。
俺達は理々の曖昧な指示に従いながら理々の元へ急いだ。
理々はかわいい。中学でも何人も告白されてるし、ライバルもいる。強力なライバルが。
それが実の双子の兄弟だなんてタッ○みたいです、あだ○先生。
それはさておき、男子大学生なんて変態だ。
理々が一人でうろうろ困った顔で歩いていたらお持ち帰りされてしまうかもしれない。
俺達は慌てて理々の元へ向かった。場所は、中庭のようなところだった。
理々は襲われていた。
変態男子大学生ではない。モンスターだ。
黒い人形が理々に襲い掛かっている。
俺はカッとなって叫んだ。
「リリに触んじゃねえよ!」
その瞬間、世界が真っ赤になった。
炎が奔り、黒い人形を焼いていく。
そして、その魔力に反応してか、沢山の黒い人形と一体の化け物が現れた。
そこからの戦闘は無我夢中だった。
理々が何かを言っていた。
【鋼の勇者】と何か話をした。
姉に会った。
女の子を助けた。
男に出会った。
化け物をぶっとばした。
俺の身体が半分なくなっていた。
隣見たら流石双子、半分なくなっていた。
そして、俺は提案をした。
生き残る為の提案を。
そして、更科冬輝はいなくなった。
その後、その場所は『御魂公園』と名付けられた。
その魂は俺の双子のことだろうかと勝手に思う。
多分違うだろう。復讐者と化した魔物の魂を鎮めるとかどうせそんなのだ。
俺は、ようやく此処にやってきた。
まだ、ぼんやりではあるが、思い出しかけている気がする。
かえってきた。
かえってきたんだ。
俺は。
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