第6話 変態、暴君に睨まれて帰宅後のお楽しみオワタ

 わたし、変態。


 今、あなたの後ろ、に万キロ以内にもきっとあるだろうコンビニエンスストアという便利なところにいるの。


 背後二万キロ以内にコンビニがない地域の読者の方、ほんますまん。


 自慢マンの自爆により帰宅を開始した俺だったが、腹が減って立ち寄ったのだ。


 なんせ今日化け物しか食ってないから。

 拒否反応し続ける胃をようやく落ち着かせることに成功したのだが、そうなると腹が減る。

 というわけで、レッツお菓子コーナー。


 あ、冒険者マンチョコ。

 有名冒険者のシールが入っているチョコ菓子で、俺は結構気に入っている。

 なので、3個ほど購入。

 あとは、白姫プロデュースのプリンを買う。

 【白姫】も有名冒険者でファンも多い。

 何を隠そう俺もファンだ。

 人気女性冒険者、十二姫の中で一番の推しだ。

 ちなみに、愛さんも【青姫】だ。


 推しではないけど。

 おっと、購入特典のクリアファイルも忘れずに。

 しかし毎回思うけど、この小さいクリアファイルにみんな何入れてるんだろ?


「ありあえっしたー!」


 ありがとうございましたなのかすみませんでしたなのか良く分からないご挨拶を背中に受けながらコンビニを出る。


 ひとまず一個冒険者チョコを開く。


 げ、【狂戦士】だ。コイツ、嫌いなんだよ。

 ダンジョンで会ったら問答無用でバトル仕掛けてくるから。

 マジ狂戦士さいぁく。

 マジチョコうまい。

 なんでみんな捨てるんだ。勿体ない。

 お口直しにもう一個。

 おおー! 【闇姫】!

 白姫とよくペアになりがちな彼女は俺の二推しだ。

 マジ闇姫さいこぉ。

 マジチョコうまい。

 なんでみんな捨てるんだ。もったいないとプール、ぱしゃぱしゃ。

 いかん、テンションが上がりすぎて、別のものまで上がりすぎた。

 チョコ溶けてないといいけど。


 目を見開いて腕をさすっているおば様は見えてないことにして俺はその場をニコニコしながら去った。

 しかし、その時の俺のテンションと体温は上がりすぎていた。

 上がりすぎて忘れていた。


 ウチに帰る前にお菓子は食べておくべきだったことを。


「アンタのものはアタシのもの」


 忘れていたのだ。ウチには暴君がいることを。

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