第25話 人手不足
その後、じいちゃんは商隊の面々を含めた全員を集めて今後について話を始める。
「まず、商隊としては今後もうちのレッサーポーションを扱ってもらえるのかのぅ?」
「それは・・・商隊の中でも意見が分かれているところです。これまでより規模が小さくなってもよろしければ続けることは可能です」
「そうか。こちらとしては物資を商隊の面々に持ち込んでもらわなければ生きていけないのでのぅ。できるだけ続けてくれんかのぅ」
「分かりました。今続けるという決断をしている者達だけでも商隊を維持します」
「迷惑をかけてすまんのぅ」
「いいえ。私たちも甘い蜜に浸かりすぎていたのでしょう。今回のようなことがないように気を付けます」
「それで、今回の首謀者が町の教会であれば守りが手薄になっておると思うのじゃがそれはどうなのじゃ?」
「私の想像ではありますが、神殿騎士をどこからか補充して今回の襲撃を行ったと見て間違いないかと。ただ襲撃をかけるだけには時間を掛けすぎていると思いますので」
「とみると、こちらから打って出るのは危険じゃな。まあ、そんな兵力うちにはないのじゃが・・・」
「こちらでも教会の存在に疑問を抱いている傭兵などに声をかけてみましょうか?ポーションが安く手に入るのであればこちら側についてくれる傭兵もいると思うのですが」
「そうなればそちらが危険に晒されるのではないか?」
「お互い危険なのです。そのくらいの損はかぶりましょう」
「すまんのぅ。それでグレイス団長。其方は今後どうする?」
「申し訳ありませんが、数名離脱するという意見が出ております。その者たちはこの国を出ていくと。俺はここが気に入っちまったんで残りますよ」
「すまんのぅ。では子供たちの訓練を継続して頼む」
「了解」
「それで子供たちじゃが。ここに居る以外の道がある者はおるかのぅ?」
その言葉に顔を上げるものはいなかった。
「なら危険じゃがここに居るといい。ただここが嫌なら出ていくことは止めんぞ」
俺たちは全員顔を上げて首を振る。俺はもう戦う覚悟はできていた。
「まずは子供たちの面倒を見れる大人を探さんといかんのぅ。商隊長。そのあたりは任せてしまって構わんか?」
「はい。ついでに新しく商隊に参加してくれる商人も探しておきます。旦那との取り引きは大儲けできますからね」
商隊長はそう笑いながら言っていた。
そうして俺たち孤児院はまずは人手不足の解消に乗り出した。その間に個々のスキルを充実させることを俺は自分の責務だと思いやっていくことにした。
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