第8話 レッサーポーション

次の日、昨日作成した魔力水を使用してポーションを作成することになった。ちなみにじいちゃんの合格が出た魔力水は五十本ある。


「ポーション。この場合はレッサーポーションとなってしまうが作成方法は単純じゃ。薬草を煎じて魔力を注ぎながら魔力水と混ぜればよい。薬師であれば魔力水がなくともポーションが作成できるのじゃが合成だとこのくらいしなければ魔力が足りんじゃろ。おまけにルークは魔力がまだ低いからの」


俺は昨日と同じように薬草と魔力水を合成してみた。話が長くて薬草を煎じることを忘れていたのだ。その結果、なんとレッサーポーションが完成してしまった。


「じいちゃん。これでいい?」


「あっ。ああ。ちゃんとレッサーポーションになっておるわい。普通は薬草を煎じなければいけないのじゃが合成だとこんなことができるんじゃのう」


合格が出たことで俺はどんどんレッサーポーションを作成していく。五十本中四十本成功した。


「じいちゃんこの成功率はどうなの?」


「薬師であれば必ず成功する。合成では今回初めて試したから分からんが良く出来ているのではないか?」


俺はじいちゃんに褒められてうれしかったが何か物足りなかった。考え抜いた結果、今日はまだ気絶するまで合成を使用していないことに気づいた。しかし、材料の魔力水はもうないし、薬草の魔力が回復するまで魔力水を作成することは禁止されている。


残りの材料と言えば、完成しているレッサーポーションしかなかった。そして完成品どうしでも合成すれば強化できることは実証済みだ。


「じいちゃん。レッサーポーションどうしを合成してみてもいい?」


じいちゃんは少し悩んだ結果。


「まあレッサーポーションの使い道などほとんどないから構わんじゃろ。作ったのはルークだしの。しかし、瓶は高級品なんじゃ。だから瓶を合成しないように気を付けながら行うのじゃぞ」


「分かった」


俺は、レッサーポーション八本を使ってレッサーポーション+3の作成を試みた。



レッサーポーション+1

回復力▲

保存 ▲



今まで強化にした物は強化する項目が三つあったのだが、レッサーポーションは二つしかなかった。俺は回復力を強化してレッサーポーション+3を作成した。と同時に気絶してしまった。


その後も目覚めてはレッサーポーション+3を作っては気絶を繰り替えしてその日を終えた。ちなみにレッサーポーション+3は5本完成したが+4の物を作り出すことはできなかった。


まだ修行が足りないのか、ここが限界なのかは分からないが俄然やる気が出てきた俺であった。

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