第5話 自由時間
次の日からじいちゃんとの約束通り、自由時間が追加された。この世界の子供の遊びと言えば木刀だ。というわけでじいちゃんに木刀をねだってみるとすぐにプレゼントしてくれた。
そして気づいてしまった。木刀と木刀を合成するとどうなるのかを。それに気づいてから気になってしょうがなかったのでじいちゃんに説明して二本購入してもらった。
元孤児院に帰り、早速木刀二本を合成する。すると例のボードが目の前に現れた。俺はびっくりしてひっくり返るとじいちゃんが優しく起こしてくれた。
「で。急にひっくり返ってどうしたのじゃ?」
「じいちゃんには僕の目の前にボードが出てきているのが見えないの?」
「何も見えんぞ。それは神技の効果かもしれんのぅ。鑑定結果も木刀+となっておるし」
俺は木刀に表示されたボードをどういじるかでワクワクしていた。
木刀+1
頑丈▲
加重▲
切れ味▲
とりあえず振ってみると少し重く感じたため加重はやめることにした。木刀に切れ味を求めてもいないため切れ味も除外だ。というわけで頑丈をタップした。
木刀+1
頑丈+1
加重
切れ味
「じいちゃん。木刀の性能が上がったはずなんだけれど鑑定で何か見える?」
「確かに木刀に頑丈+1となっているな。これが合成の効果なのか?」
「そうみたいだけど詳しいことはまだわかんないや」
「今度数本木刀を用意しておくから今日はそれで遊んできなさい」
「うん」
そう言って俺は木刀で色々な振り方を試していく。家には剣を扱える人間はいないため我流だ。二十分もすれば疲れてしまい休憩しているといつの間にか眠ってしまっていた。
目が覚めると芝生の上だった。近くにはじいちゃんが座っておりこちらを見ている。表情から察するに自由時間は過ぎているのだろう。俺はじいちゃんに近づいていくと元孤児院の部屋へ通された。
部屋の修繕も終わり食事をとる。食べ終わったところでメイド長のクリスにお願いをされた。
「坊ちゃま。申し訳ないのですが台所の窯がひび割れてしまっていまして。明日、セバスが粘土を買い付けてくれる手はずとなっていますので修繕していただけませんか?」
後ろにはじいちゃんが控えており、とても断れる雰囲気ではなかったため俺は何度も頷いた。
次の日の朝、早起きして窯に火を入れる前に修繕を行うことになっている。あくびを噛み殺しながら台所に向かうと皆が揃っていた。
窯と粘土を合成すると窯の色はそのままにひび割れた個所が修復されていた。クリスは窯の内側からもひび割れの様子を確認していた。
クリスより問題ないとのお言葉を頂いたが寝るには時間がないし部屋の修繕を行うと眠ってしまう。時間を持て余しているとじいちゃんから声がかかる。
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