第31話~2022年12月26日のお話(タクシー会社から不採用通知)~
2022年12月31日更新
一昨日受けたオンボロタクシー会社から約束通りに朝9:00に電話が鳴った。
採用かな?と期待して電話に出た。
社長から「この間は面接に来てくれてありがとう。会社内で検討した結果、この度はご縁がなかったものとお考え下さい。申し訳ありません」と言われた。
私はまさかタクシー会社から不採用通知を受けるとは全く予想もしていなかった。
こんな事があるんだと思った。ショックだった。お先が真っ暗になった。
社長からは特に不採用の理由は言われなかった。
何故だ。
偏見だが、世の中の会社に適応できなかった不適合者が最後に門をたたき、その誰もを受け入れてくれる場所がタクシー会社ではなかったのか。
たとえ前科があっても受け入れてくれる会社がタクシー会社ではなかったのか。
やっぱり転職回数が多いから受け入れてくれなかったのか。それしか考えられなかった。
という事は、前科者よりも転職回数が多い人の方が仕事をする上では価値が低いという事になるのか。世の中おかしくないか。
いや、まんざら事実かもしれない。芸能界でも薬物で逮捕された芸能人を受け入れてくれる。それはその芸能人が功績があって金を生むからだ。
ビジネスの世界ではやっぱり転職ばかりして金を生まない人よりも、例え前科があっても忍耐力があって仕事をバリバリして金を生む人の方が価値を持っているのだ。
私の中で新たな価値観が植え付けられた。
とにかく私のように、多すぎる転職回数は、百害あって一利なしだ。
友達にメールを送った。
「とうとうタクシー会社からも不採用通知をもらいましたよ~(笑)」と自嘲気味に言った。
私の不幸話が大好きな友達は、「そうとうヤバいですね~(笑)」と嬉しそうだ。
以前、鶴目のタクシー会社で同僚だった中田さんからは、
「まじですか!?もしかしたら裏のつながりがあるかもしれないですね」と言った。
なるほど。確かにそれはあるかもしれないなと思った。
先日応募した2社とも面接はすぐに決まった。私が普通二種免許を持っていると聞いて大歓迎の様子だった。普通なら何も問題なければ採用されるだろう。しかし、詳しく経歴を話す中で、私がこの地域の老舗のタクシー会社を研修中に辞めましたと言うと、面接官の目の色が明らかに変わったのを思い出した。言葉が詰まり、言葉を選んでいる様子にも見受けられた。
私の住んでいるこの東京の郊外の地域では、この老舗タクシー会社が権力を持っている。
主要駅のタクシーロータリーに入れるタクシーの台数も会社によって決められていた。
老舗タクシー会社だけ桁が違っていた。今回不採用通知を受けたオンボロ会社は3台しか駅に入れない。私はこの老舗タクシー会社が圧力をかけているに違いないと思い始めた。
そうすると、どの会社に面接を受けに行っても私が住んでいるこの町でタクシーの仕事はできなくなる。面接に行くだけ無駄である。
とにかく、もう一社の話の長い営業次長の会社からの返事を待とう。
もしここも駄目なら、また鶴目でタクシーをやる事を検討せねばならないと思った。
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