第22話~深夜の清掃パート編(2022年12月17日のお話)家族崩壊の危機~

2022年12月26日更新


深夜の清掃勤務の二日目の勤務が終わった。昨日の夜は13時間寝た。土曜日の朝10時に起きる。毎週の恒例、今日は子供たちの習い事が目白押しだ。深夜の清掃の仕事がキツイという事は会社も分かっているのだろう。勤務シフトが2日連続にならないように最初の二日の勤務は一日おきに配慮されている。仕事が慣れてきたら、3日働いて1日の休み、もしくは2日働いて1日の休みがもらえるようになる。土日はいつ休みになるか分からない。


今日は土曜日。夜は、また勤務が待っている。疲れも取れていない。外はめっきり寒くなった。最初の習い事の体操クラブは寒空の下、1時間待っていないといけない。家にいて休息をした方が楽なのは分かっていたが、家族がバラバラになっていくのが怖かったので、私も習い事の付き添いに行く準備をしようと思っていた。


その時、部屋でボール遊びをしていた次男が蹴ったボールが私の顔面を直撃した。切れた。また次男の頭を思い切りゲンコツで叩いてしまった。

部屋には「子供たちには今後暴力をしない」という誓約書が空しく掲げられている。

またやってしまったと反省した。

幼稚園の年長の次男は睨みながら私に向かってきて私の胸ぐらを掴んだ。そして私の首をギュッと締め上げて私の顔は天井を見上げる体勢になった。息苦しい。彼の物凄い怒りが彼の手から私の首を伝った。もう今日は習いごとには付き添わないで、一人で家にいたほうがいいと一瞬思った。


しかし、次の瞬間、「ダメだ」。このままでは、さらに私だけ家族から孤立してしまう。部屋に一人でいると、余計に鬱蒼としてしまう。疲れてはいるが、家族みんな揃って行こうと思った。

習い事に向かう車中、妻が音楽を流した。90年代のJ―POP。

リスペリドンを飲んで気持ちが楽になっていた私は音楽を聴いてさらに心がリラックスされた。


次男に「さっきは叩いてごめんね」と謝った。次男は下を向いて何も言わなかった。


その時、小学校2年生の長男が問題を出した。「1メートルは何センチでしょう」。

妻が「60センチだよ」と自信満々に答えた。

長男が「え~!ママやばっ!100センチだよ」と言った。

「そうだっけ~。ママ頭悪いからね」と妻が言って車内に笑いが起こった。

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