第8話ファン・フェスティバルは時間制?
現在ドーハ時間で11月30日午後2時少し前。スペインとの試合マイナス34時間。
今日はファン・フェスティバルについて記録する。
W杯でも他の海外の試合でも、もちろん試合観戦、サポーターが第一の目的で来ているが、私の場合、街を歩いて新しい建築や公園、街の風景、ランドスケープを見て体感する事も目的であり、それが仕事のための良い勉強と良い蓄積となっている。
今日も最初に地下鉄でカタール国立図書館駅で降りて、オランダ人建築家レム・コールハースが設計した図書館を見に行った。入って直ぐに係の人が寄ってきたので、追い出されるかと思いきや、「どうしましたか、何か聞きたいことが有れば聞いてください」と寛大な事。写真を撮って良いかを確認してから、散々撮りまくって仕事は終了。
次に行こうと思ってたのは、ファン・フェスティバルの会場。コンテナハウスのファン・ビレッジにもパブリック・ビューイングの会場はあったが、その元締めのメイン会場に行ってみることにした。
先の図書館の地下鉄がグリーンのラインで、そのラインとレッドラインと呼ばれる地下鉄のラインの交点にあるMsheireb駅でレッドラインに乗り換え、Corniche駅で下車。この駅がファンフェスタの最寄駅で、大会期間中は、この駅から出る事は可能だが、駅に入ることができないような規制がはられ、帰りの地下鉄に乗るためには隣の駅を利用することになる。
駅を出ると人通りはまばら、どこが会場かも分からない。大きなステージの様な施設に歩いて行くと、複数の入口が並んでいるエントランスがあるが、そこには人がほとんど居ない。入口のセキュリティに話を聞くと、ファンフェスティバルは16時からで、試合の時間に合わせて開場するとの事。アチャーである。しかも会場内に見えるFIFAハウスと呼ばれる土産物会場も閉鎖中。せっかく土産物でも探そうと思って来たのだが、徒労に終わり、隣の地下鉄駅まで20分ほど歩かされる羽目になった。
カタールのW杯は、空港に着いた時に、盛り上がりに欠けるのを瞬時に感じた。W杯も5回目となると、その大会毎の雰囲気の違いを肌で感じるようになってくる。空港ではW杯のバナーやサインも少ないし、ボランティアの案内の人の数も極めて少ない。関連グッズの売り場も、見当たらない。暑くて街中を見て歩く機会が少ない為、街の中の盛り上がり方がよく分からないが、それでも大型ショッピングセンターなどに行っても、高層ビルに各国選手の巨大な人物像が描かれたりしてはいるが、商業施設内部に入ってしまうと、「W杯やってるの?」という状態である。
今までの大会と言っても、私の場合は2006年のドイツ大会からしか知らないが、それぞれの国が、大会を盛り上げようと工夫していた様に思える。パブリック・ビューイングやファン・フェスタが大々的に行われるようになったのは、ドイツ大会からで、ベルリンの大通りには数百メートル毎に巨大スクリーンが置かれ昼から夜まで、多い時は数十万人の観客がW杯を楽しんでいた。その近辺にはFIFAの公式の土産物販売の施設や、アディダスやコカコーラと言った大企業が仮設のアンテナショップを開いて、世界中からのサポーターを楽しませていた。
これは治安の悪い南アフリカやブラジルでも実施され、試合観戦のない日には、「あそこ行けば楽しめる」場所であった。それが、ここカタールでは時間制?暑いから日中はできないと言うのであれば、巨大なテントに得意の空調をガンガン効かせてという手もあったろうに。W杯は、もちろん各国代表が競い合う試合が目的の大会であるが、それを盛り上げるサポーターがあって初めて成立する。試合とは別の、スタジアム外でのサポーター同士の交流がW杯の醍醐味でもある。開催国が3連敗で早々と姿を消してしまったので、この先どうやって大会を盛り返していくかが注目されるところである。
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