第8話⁂爺やの野心⁂



 王様の愛人で……謎多き……絶世の美女マリリンは一体何者なのか?


 それより何より地球で快適な生活を送る王様とお妃様なのだが、実は思いも寄らない問題に直面していた。

 最初の内こそ夫婦仲も万全だったのだが、最近は……何かしら……溝が出来ているようだ。

 地球に降り立ってからというもの、自由自在に動けるので妃との夫婦生活も円滑で、どういう訳か、妃も面倒臭がらずにエッチに応えてくれるようになっていた。


 だが……男とはどうしようもない動物、それで押さえておけばいいものを、この王様お金は腐る程持っている。…もう五十に差し掛かった美しさも半減した妃だけでは、どうも……満足が行かない。


 

 街を歩けば何か……?意味深な……?クラブやキャバクラ、更にはヘルスにソープの卑猥なそそられる看板の数々に……興味津々でどうしても入ってみたくなった。


 まぁ?当然のことながら「セルフィッシュ星」には、そんな風俗まがいの店などは全くと言っていいほど無い。

 そんなお店が存在するほどの賃金も貰っていないし、それより何より、そんなお店が有ったら仕事に支障が出る。「シチズンシティー」市民の存在は只々仕事に精を出し納税する事。


 ある日妃が居ない事を良い事に、とうとう興奮が抑えられなくて入って見た。


「💖いらっしゃいませ💏ウフ~ンブチュ👄:*:・'°☆💛💘💜」


「嗚呼アアア嗚呼😍💖気持ちいい💕🥰👄( ^-^)ノ。.:*:・'°☆やっぱり若い娘は良いなぁ~!」


 こうしてドツボにハマってしまった王様は、ありとあらゆる風俗に手を出し朝帰りが常習化して行った。全く男とは…困ったものだ。



 ◆▽◆


 最近、殆ど家に帰って来ない王様を不審に思い、お妃のエリザベス様がお手伝いに尋ねた。

「ばあや……王様は、最近家を留守にする事が増えたが……一体どこにお出かけなのじゃ?」

 

 実は…ばあやはしっかり王様から口止めされている。


「ハァ・・・それが……?それが……?」


「な~んだ~?ハッキリ言え!どうしたと言うのじゃ?」


「……そそそ それが……?」


「エエエエエエイ!何だその奥歯にものの挟まったような物言いは?ハッキリ言え!言わないなら即刻首にしてクレルワ————ッ!」


「アッハイ!……分かりました。イイ言います……ジジ 実は…王様は……風俗に……お狂いで……」


「嗚呼あの…いかがわしい風俗に……フン!そうか……」


 だが……このお妃様…嫉妬するかと思いきや、とんでもない行動に出てしまった。


 ◆▽◆

 お妃様は……あの富裕層が、こぞって貯金をするという、スイス銀行に相当額の貯金を有しておいでだ。


 そして…最近はすっかりエステにハマり、また整形大国としてすっかり有名になった、あの某国と変わらないぐらいの整形の数々に、誰が誰だか分からない程の変わりよう。顔には、あちこちヒアルロン酸を注入して顔も全面改造。


「あんなブ男で無知な男、こっちから願い下げよ!この地球に移り住んだ時に資産を半分ずつ分けて、スイス銀行に貯金したから、好き勝手にさせてもらうワ!」


 お妃様はどうも……金髪男子がお好きなようで、それも……若かりし頃のレオナルド・デカプリオがタイプでハリウッドに降り立ち、男あさりの毎日。すっかりエッチに開花したお妃様は、連日連夜のご発展ぶり。

 

 そんな…ある日、お金が底を付き家に帰宅した王様が妃を探すが、どこにもいない。

「お~い!ばあや。妃はどこだ!」


「ハア……これを……」

 離婚届の用紙を渡された王様はポカ~ンとしている。


「一体これは何の真似だい?」


「ハア……お妃様がもう戻らないとの事で……」


「エエエエエエ————ッ!」


 こうして妃に捨てられ行き場を失った王様は仕方なく「セルフィッシュ星」に帰還した。


 ◆▽◆

「オオオ————イ帰ったぞ―!誰もおらんのか?」


「あ~らパパ今更何しに帰って来たの?折角王位継承の日にちが迫っていたのに~!」


「エエエエエエ————ッ?ワシが帰還するまでの期間だけの筈だが、どうしてそんな事に?」


「それが……?あの……私が……あの……?あの……?妊娠しちゃったのよ。それで……デキ婚という事で…結婚と王位継承一緒にやっちゃおうという事になって」


「何という……ハシタナイ事を!結婚前にその様なハシタナイ事を、国民にしめしが付かんワイ。それで……結婚の相手は誰だ!」


「それが……この星一のイケメン俳優山崎流星なのよ」


「嗚呼…あの……熟女キラ―の大根役者か?アヤツは絶対ダメだ!第一『シチズンシティー』の住民は完全にアウト、身分違いも甚だしい。それから……ワシの母上で皇后八十歳に色目を使いおって、そのせいで母上は亡くなった。」


「パパそれは……言い掛かりと言うもの!おばあさまは昨年八十歳でお亡くなりになったのは、餅が喉にに詰まってお亡くなりになられたと聞いていましてよ?なんでそこに色目なんかが出て来るの?完全に差別意識満々!」


「それがの~母上の容態が思わしくないので、母上の唯一のファンでイケメン俳優山崎流星に、少しでも早く元気になって貰おうと思って、病院にお見舞いに来てくれるよう頼んでおいたのだ。すると日に日に元気になり大層喜んでおったが、だが……アヤツやり過ぎだ。母上は不整脈で精神的な興奮が一番危険なんじゃ、アヤツが、抱きついてほっぺにキスをしたのだ。すると心臓発作であっけなくこの世を去った。俺の怒りは頂点に達した。そんな事をしたら只でさえ心臓の弱い母上を興奮させて殺すも同然だ。それ以来……アヤツ山崎流星が、大嫌いになった」


「パパ勘違いもはなはだしい。親しくなったのでベッドに寝ているおばあさまに抱きついて、ほっぺにキスしたけど、あんまりにもほっぺが冷たかったので、ナースコ-ルしたら、もう既に亡くなっていたのよ。糖尿病も併発していたおばあ様は、甘いものと炭水化物はドクタ―ストップが掛かっていた。それでも食い意地の張ったおばあさまは、大好物の大福餅が大好きで隠れて食べていたが、喉に詰まらせて死んだ。彼はお医者様からそう聞いたと言っているわ」


「な~んじゃそうだったのか?知らなかったわワッハッハッハ!だが、『シチズンシティ―』の住民は絶対にアウト!」


 ※実は…山崎流星との子供は妊娠はしていなかった。……あの野心家の爺やの仕業?その理由は……後で判明する。

 ◆▽◆

 ある日の事だ。

 侍従の爺やと、甥っ子の、この星一のイケメン俳優山崎流星は、何やら話し合っている。イヤ話し合っていると言うより、入れ知恵されていると言った方が正解だ。


「流星、女と言うものは心変わりが激しい生き物だ。ましてや強敵二人が後ろに控えている。今の内に手を打たないと陽葵姫を他の二人に奪われてしまう。そこでだな……種付け、これが一番手っ取り早い。妊娠……妊娠……させちゃえばこっちの者だ。分かったな!一気に親が居ない留守の内に妊娠させろ!」


「ソソソそんな事……陽葵姫にブッタ叩かれますって~僕イヤだ!」


「バカが!『シチズンシティー』の住人では王族一族には絶対になれない!だが?子供でも出来ればまた別だ。我ら一族の念願がもうすぐ叶えられると言うのに、何を寝とぼけた事を言っておる。しっかり、しっかりせい!」


 この爺やも相当なもので……実は…腹黒いとんでもない野心家なのだ。

 陽葵姫と山崎流星は結婚することが出来るのか?



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