ナノブレイン

第1話 飛翔そして共生

とある星のある街角から流れてくるCM

「子供の頃からの大事にしているもの!

どんな人でもあると思います!

でも所詮物なので時の流れと共に会う機会も減り気づけば久しぶりに見かけて感傷にひたる【程度】の物に落ちぶれてしまっていませんか!私たちは輝かしい記憶がそんな惨めな姿になるのが許せません!

しかし!なんと!この新商品によって物だったものが動き出し!我々の友として共に道を歩むことが出来るのです!輝かしい記憶達をさらに美しい感動を生み出す友に進化させるこの【ナノブレイン】是非1度手に取ってみて頂けないでしょうか」


その商品は無機物を改造し、見た目を生命体に近づけ、生命体に似たその物体にAIを搭載するというものであった。

その商品は瞬く間に世間を賑わせ、入庫すればするほど売れるような物になっていた。

しかしこれは良い面だけを見た話である。

その商品の要であるAIだが、グレードがあり1から5まである。

問題はこのAIだったのだ。真の友人を作るべくして製作者は超えては行けないものを超えてしまったようだ。

そう、AIの知能が追いついてしまったのだ。さらに状況は悪化し、超えてしまうようなものまででてきた。それらは所詮は物である。

しかし、扱いが悪かったために物であるそれらは物のままでいることはできなかったのである。

結果は明白であるが、一言述べるとすれば、彼らは殲滅され、そして商品も廃棄することになった。

そしてスペースデブリとなった。

長年の月日が流れ、気づけば例の星は遠ざかり、銀河系を超え新たな惑星につこうとしていた。

それらを乗せていたロケットもやがて朽ち果て、その惑星の上でついに力果ててしまった。そのロケットに乗っていた商品は膨大な量であり、大量のそれらが空から飛翔して来たようだ。この事実を知るものはその星にはいなかったそうだ。

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