第5話 陰で支えるものたち、影の労働者

経済の担い手 尊い


しかし、経済を陰で支えている人たちは

もっと尊い

経済学はまだまだ未熟な学問だ

日本社会の戦後から高度経済成長からバブル

そして 私が生まれ 生きてきた

失われた30年

その経済の担い手はほとんど 男性だった

ではその間 女性は何もしてなかったのか

そう、経済学では 経済の上では

数字には 何もしてなかったと記されている


しかし、どうだろう。

実態を見てみれば

昭和から平成にかけてお父さんは

ワイシャツを出してもらい

朝ごはんを作ってもらい

ピカピカのスーツパンツ、ジャケットを羽織って

出勤する。

帰ってきたら、晩御飯が出てきて、晩酌をし

お風呂に入ってのんびりする

夜もそこそこにテレビを観つつ、

今日も頑張ったなと欠伸をしてから歯を磨き

清潔なベッドに入り

ゆっくりと休む


その全てが女性によって用意されたものだとしたら

一体女性はどれほどの仕事を

無償労働を強いられているだろうか


そして、育児

特に子どもが小さい時、幼い時

部屋中を動き回る子ども達は何もかもが新鮮で

色んなものを触ろうとし、時に舐めようとする

そこで、あなたの部屋を見回して欲しい。

あなたの部屋の中でもしか、子どもが舐めて危ないものがあれば、

それが据え置きだったとしたら

女性はそれら全てに気をつけながら、

日常の雑事 例えば掃除や洗濯、料理などをしなければならない


考えるだけではピンと来ない人もいるかもしれないが

なにかに常に気を取られながら 別の仕事をしなければならないということは

めちゃくちゃしんどいことなのである。

そして、唯一のお休みは 子どもが寝ている時であるが、

そこで 家事が終わっていればいいが

絶対にそんなことは無い。

気がつけば埃は溜まるし、窓は汚れる。

カーテンなども消耗するし、色褪せるし、

子どもの服は、男性の服は、そして自分が着るものは一体全体 誰が用意するのだろうか

ご飯を作るのだって、

献立を考えて、 毎日同じ料理だったら飽きてしまうから飽きないようにして

子どもにだって食べさせなければならないし

それが子どもたちが大好きなもので

食べてくれるものだったらいいが

毎日ハンバーグというのは

栄養の偏りが起こるのではないかと、心配になる

そうして、ちょっとずつ考えていくと、

いかに、特に子どもが小さい時の

いわゆる保育というものが

大変なのかが「垣間見える」のである

これだけあなたに伝えたって

それは保育のほんの一部分でしかないのである

いかに 男性が仕事仕事と言いながら

家庭の全てを丸投げしてきたのかがよくわかる。


家事や育児といういわゆる昭和・平成の

「女性の仕事」、紛れもなく、「尊いものたち」だ


それなのにこの国は

保育という仕事の

本当に大切なことを分からず

またその延長線上にある

教育という仕事の

本当に大切なことが分からない


目に見える数字ばかり追っていて

本当に大事なことに気づけずに


熟年離婚が急増してから

言い訳を始めた 世の男たち

本当に 醜悪である


時代は「陰の労働」にも光を当て始めた

その時 それを本当にわかってくれる政治家たちが

たくさん出現することを祈っている。

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詩集 尊いものたち かさかさたろう @kasakasatarou

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