話のタネ

小林玲王奈

話のタネ

以前は、ぐっすり眠って、なんて事ができなくて、それでも、夢は、みるんです。不思議ですね。夢の中で、自分の思うがままに、そして、起きてもハッキリと覚えていて、これ、「明晰夢」って言うらしいです。


素晴らしい、本当に思いました。そんな過去。


人生の半生を過ごし、夢ですか。何となくぼんやりと、えぇ。覚えています。と、言いたいところです。難しいですね。思い通りにいかない。こうやって、ひとつ、またひとつと、何かを諦める作業が、歳を重ねる中にある、1つなのかも知れないですね。


こうやって、文章を書くことが多くなって、いや、ただの趣味。というか、只々、文章を書いている。そんな時こそ、残ってほしかった。まぁ、言ってもこれは、しょうがないですね。そういうものらしいのですから。


長編の小説をひとつ。なんて、たいそうな事なことを簡単に言えないのですが、夢の中で描かれる時間、そして、こんな、いや、これフィクションですから。短編の小説。あぁ、話がそれました。自分が体験してきたことを。


「事実は小説よりも奇なり」って言葉があって、でも、小説って、漢書では、街で交わされる、たわいもない会話。そんな感じの語源もあって、つまり、その場で交わし合う会話が、1番面白いと。これはすごく興味深かったんです。


だから、探すんだと思うんです。自分だけの小説を探すために。旅に出る人もいれば、近場でも、色んな人と会ったりして、会話して。それが想像を重ね、つまり、練られて、それが「小説」になる。スゴいですよね。これね。感想文って言うんです。


つまり、何が言いたいのか、いや、この文章を書く事で、過去の若かった自分が持っていた能力を棚卸しして、納得できたんですよ。自分で。完結しちゃっているんです。これもまた、面白い。そう、この人生は面白いことばかりなんです。


だから、僕は、もう隅っこで、目立たない感じで、こうやって、只々、文章を書き続けているんです。人生の棚卸し。自分なんて、書ける事なんて少ないと思う人もいるでしょう。


いや、そんなことはないですよ。私だって、これだけ書いているんですから。言葉を文章にすれば、それはそれは。人の人生は、全て出し切ったら、どれくらいの文量になるのでしょうね。スゴく興味深い。事実が1番面白いと言うのなら、ひとり一人、生きてきた人生、その全てが、その人にとって最高の「小説」になるのですから。


誰かの書いた文章を読むのは、ちょっとした箸休め。それくらいの価値をもっているのでしょう。

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話のタネ 小林玲王奈 @ReonaKobayashi

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