③異世界が地球を侵略しに来て1000年経ちました。

佐藤シンヂ

プロット

○タイトル

③『ARENA(アレナ)』


◯参考作品

・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

・『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』

・『アベンジャーズ』

・『Fate/EXTELLA』

・『少女革命ウテナ』

・『この世界の片隅に。』

・『ノエイン もうひとりの君へ』

・『プリパラ』


◯世界観

・異世界転生ものでよく見るファンタジー世界が地球を侵略、そこから1000年経過した世界が舞台。

・侵略後の地球はファンタジー要素+近未来SF要素が混じったような世界になっている。

・主に地球人の末裔、元魔導士や獣人、人魚、エルフ、ドワーフなどの種族が住んでいる。旧地球人の文明や技術は一部受け継がれており、魔獣の動物園、エルフ族のマフィア、ドワーフ族の製鉄株式会社などがある。

・侵略元の異世界と地球の行き来が可能。異世界から定期的に魔導士や憲兵団が罪人を収容し、税を徴収しにやってくる。

・魔法というものが存在しない地球だが、そもそも『存在できない』という表現が正しい。異世界では大気中に常に魔力が漂っているが、地球の大気は魔力を吸い取って霧散させてしまう。よって長時間いると魔力が枯れて魔法が使えなくなる。これを応用し、罪を犯した魔導士から魔法を剥奪するための流刑地として指定されている。魔力に依存する種族ほど相性が悪い場所。



☆できごと

2020年代、アレナから地球へ使者がやってくる。アレナの魔導士達は地球人と友好関係の証とし同盟を結ぶ。その裏で魔導士達は天帝の命のもと、地球アレナ化計画を進めていた。


地球アレナ化計画とは文字通り地球の侵略。アレナの最後の神・天帝の信仰者を増やし、第二のアレナとすること。

また計画進行中、裏では魔導士達による地球人の誘拐事件が多発し、魔導士間では素材として扱われ人身売買が行われていた。


この目論みや魔導士達による蛮行が地球側に露見すると、アレナvs地球連合軍の全面戦争が起こる。

アレナから魔法生物、魔導士達による全面攻撃が行われ、地球側は全戦力を以てこれを迎え撃つ。

戦況は以前から着々と裏工作を続けていたアレナ側に分があり、地球側は劣勢を強いられ次々と国が侵略されていった。


だがアレナ側で「地球における魔力枯渇問題」が発覚。戦争により長期滞在した魔導士や魔物達がほとんど無力化されていった。

地球側もこの事実に気づき、魔力枯渇を誘発する兵器を開発戦線へ投入したが、すでに地球側の残存兵力はほとんどなくなっていたため形勢逆転には至らず敗北した。

戦後、アレナ側は地球をある程度残す代わりに属国化する同盟を結ばせる。大敗を喫した地球人はその後徐々に数が減っていき、滅亡の道を辿る。



☆用語設定


【世界】


アレナ:地球を侵略してきた異世界の名前。RPGにありがちな中世的文明の世界。魔法も魔物もいる。地球を侵略してからは元々のアレナを「アレナ=アン」侵略した地球を「アレナ=ヲー」と呼称。使用言語は民族によって違うが、共通してアレナ語が使われている。アレナ語は地球の英語とほぼ似ており、そのため地球言語は英語しか残っておらず、他の言語はほとんど失われている。


アレナ=アン:元々のアレナ。RPG世界。住まう人間や生き物は皆生まれ持って魔力を持っており、魔獣や精霊が住んでいる。中世的文明だったが地球の近代的文明を所々取り入れて発展している都市もある(ただし数える程度のみ)。神秘主義な価値観が強く根付いており、地球文明を嫌っている者もいる。アンとは『1』『起源』などの意味がある。


アレナ=ヲー:元地球。アレナの支配下にある。前述の通りアレナ=アンと違って魔法が存在できない世界。アンの種族が長期滞在すると魔力が霧散され、魔法が使用できなくなるため、魔力に依存しない種族が移住している。ヲーとは『2』『従属』などの意味がある。遺った地球文明が発達し、異種族達が住まうサイバーパンクとファンタジーが入り交じった世界になっている。宇宙進出の技術も発達し、宇宙海賊も存在している。

国はアレナに国家として認められたところしか存在しておらず、元々あった国はほとんどなくなっている。また大陸が丸々消えたり別の大陸同士が無理矢理繋げられたりと改造されまくっており、過去の地球の原型は失われている。アレナとの大戦後、残った地域の復興活動は行われたが元の姿を取り戻すまでには至らなかった。また、生き残りの地球人類の間では価値観の相違や対立で政治も上手く機能されず、秩序のない混沌の時代が続く。現在は以前よりは安定はしたが、貧富の差が激しく、信仰や人種の対立や領地を巡って争いが起きている。ヲーを捨ててまだ見ぬ別の星へ安住を求めて旅立った者もいる。



【種族/神】


神竜:アレナを創世したと言われている龍の姿をした神。自らが生み出した神達にアレナを託し、自分のもとを去った番であるルマンの女神を追ってアレナを旅立っていった。


天帝:現在のアレナ=アンの長であり、残存している最後の神。アレナにおいて天帝への信仰心が薄まってきていたことにより消滅の危機に陥り、領地拡大と信仰者増加のため地球侵略を目論む。最終的には全ての異世界をアレナの属国とすることが狙い。


ルマン:アレナの人間。地球人とそう変わらない容姿。違う点と言えば先天的に魔力をもっている。体質も地球人に限りなく近いため、ルマンの魔導士達は地球人と血が混じるのをとても恐れている。これがきっかけでルマンによる地球人狩りが起こる。


エルフ:森の精霊とルマンの間で生まれたと言われている種族。RPG定番の耳の尖った美男美女揃い。魔力容量はルマンよりも高く、寿命も長い。


ヲーム:魔法が使えない種族の名前として生まれた言語。かつては地球人を指していたが、現在地球人の血を引くものは僅かしかいないので前述の意で使われている。魔導士の間では蔑称とされている(「ヲームなんて言ってるだけで口がヲームになるわ!」)。大罪を犯した魔導士から魔力を剥奪するためヲーに追放し、ヲームに降格させると言う刑が存在している。ヲーにいる人間達は地球人と交わったか、アレナ=アンを追放された元魔導士達とその子孫を指しており、純粋な地球人は滅亡している。

大戦後に地球人の生き残りはいたものの、魔導士が自分達と血が混じり魔力を失うことを恐れたため、彼らを迫害し狩り尽くしてしまった。


獣人:獣の頭を持った種族。本能と理性を併せ持つ。アンでは人を襲うのと獣に近い特性を持つことから危険な魔獣にも分類されている。本能に喰われて自分を失い怪物と成り果てる者もいれば、理性的かつ友好的な者もいる。だがアンにおいては前者後者問わず危険生物と見做され駆除対象にあった。

野性本能の暴走はコントロールできない魔力によって起こっていたもの(獣の暴走。魔導士と魔力の系統が違い、簡単に抑えられるものでもなかった)。部族によっては独自で魔力の制御を編み出していたがそれも不完全であった。ところが地球に渡り魔力が霧散した結果、野性本能の暴走が収まり人間的な理性を得る。最初は地球人へ労働力として提供されていたが、そこから交流が生まれ現地人と親交を深めた者が続出し、後のアンスローの誕生に繋がる。


アンスロー:地球人と獣人族の間に生まれた者達の子孫であり、進化した新しい獣人類。獣人と人間、二つの姿をもつ。完全な人間と違うのは肌の色が多種多様なところ。「好きな姿を取る自由」という近未来スタイルのもと、獣人の姿でいる者もいれば人間形態でいる者もいる。魔法は使えないが獣人特有の怪力と身体能力、獣の五感をもつ。裏社会では先祖由来の暴走本能を操られマフィアの番犬になったり、遺伝子の改造や他の動物との合成を施され、戦闘兵器にされた者もいる。


ドワーフ:背丈の低い屈強な種族。アンでは職人としても戦士としても名高い。自分の手で物作りに拘る職人気質の者や、正面切った武器の打ち合いを好む猪武者が多い。そのため魔力容量は多い方だが魔法に頼らずむしろ不要とする傾向にある。地球の技術に感銘を受けて移住したドワーフも多く、持ち前の技術でアレナとの終戦後の地球復興に貢献した。


龍人族:神竜とルマンの女神の間で生まれた種族。高い魔力と神性を持ち、彼らを神と崇める者達もいる。近年その数は減ってきており、最近では純粋な血統を重んじるよりも数を増やすことにシフトチェンジし、異種族との結びつきを増やしている。寿命がとても長くおよそ三千年は生きる。

アレナの支配の一端を担う。地球侵略戦争にも参戦しており、当時の龍人族の王が黒い龍となって地球を焼け野原にした。

エルフとはまた違う形の尖った耳と鱗を帯び、角を生やした人間形態と神竜に近いドラゴンの姿をもつ。現在は混血と純血の一族が存在するが、純血はとくに気位が高く、他種族や混血の龍人を見下す傾向にある。


魔獣:アンにいる獣。ファンタジー世界にいるモンスター。ヲーではアンで捕獲された魔獣を魔力や闘争本能を抜き取って制御し、ペットや動物園へ売りさばくビジネスがある。アンでも珍獣とされるものは高値がつき、違法な取引がされていることも。


ドラゴン:神竜の眷属として生み出された魔獣。言葉を喋れず、主に魔力によるテレパシーで意思疎通する。神性を有しているが龍人族には及ばない。より高い魔力をもったドラゴンはそれこそ天変地異を引き起こせるほどの力を秘めている。

自分達こそが神竜の遺したアレナの後継者であるとし、龍人族と敵対している。下級のドラゴンは大体狩猟対象となり、ヲーへ素材や見世物用の動物となって売り出されている。



【地名/街/建築物】


ヲーム街:アレナ=ヲーの各地に存在する街。アンの魔導士達が管理している。地球人の血を引く者とアレナ=アンを追放された元魔導士達が住む。スラム街のようで治安も悪く、住人は定期的に税を徴収しにくる魔導士達に理不尽な迫害を受けている。街にはそれぞれ名前がついている(例:サクラメント、グラティアなど)。一定期間を過ぎると魔導士達が管理を放棄したのか住人が集団疎開し、無人となるらしい。


魔導管理局:アンとヲーの重要資料の保管・管理施設。ヲーにおける魔導士の拠点であり、各地に存在している。


ヴァイオシクス:アレナ=ヲー最大のサイバーシティ。発展した地球文明の技術の中心地であり、富裕層も住居を構えている。ヲーとアンの大罪人の更生施設が存在しており、マザーコンピューターAIが管理している。

また、アンとの貿易都市でもあり、ヲーで作られた武器や採取された素材が輸出され、代わりに魔物や高級品が輸入されてきている。


ノア國:かつてアレナ=アンに存在した龍人族の治める大国。本編から27年前に天帝に攻められ滅亡。王族は特徴的な漆黒の翼と鱗、アイスブルーの瞳を持つ。



【用語/職業】


信仰:天帝が糧として必要しているもの。信仰心を祈りと共に捧げるか、もしくは信仰に染まった魂を喰らうことで神は存在を維持できる。天帝にとって魂を持つ者は家畜に過ぎない。

信徒とするには心に侵入し常識改変魔法を植え付けて信仰者とするのだが、強靭な精神の持ち主はかかりにくい。


魔導士:アンにおけるメイン職業。政治や天帝の補佐も魔導士がやっている。基本高慢ちきな者達が多い。たいていの魔導士は老いを回避するため若さを保つ魔法を使用しており、実際の年齢より若い容姿の者が多い。(あくまで肉体年齢を若く保つことができるだけであり、寿命が訪れたり病に冒されると普通にガタも来るし死亡する)

主にアレナ=アンに住んでいる。ヲームを管理する職務を担っているのも彼ら。基本魔法があればなんでもできてしまうため、新しい技術を生み出す機会もない。おかげで文明も中世止まり。

魔力という絶対的なものが欠けた地球人を猿同然に見ており、ヲームに成り下がることは魔導士にとって耐え難い屈辱であり最大級の罰である。


魔力枯渇:ヲーで起こる現象。地球は魔法が存在できない世界であり、一定期間身を置くと体内の魔力が霧散され魔法が使えなくなる。

ヲーでは対魔力保持者用の武器が開発されており、撃ち込んだ傷口から魔力を霧散させる弾丸や、魔力を使用する際に使われる筋肉を緩ませる薬剤(ボトックス注射のようなもの)などがある。


※アレナの種族がヲーに長期滞在したら?


①ルマン→命の危険は無いが魔力が抜けてしまい、魔法が使用できなくなる。(枯渇までの期間:3週間~1ヶ月)


②エルフ→魔力に依存している体質のため、長くいると魔法が使えないどころか寿命が縮み老化が進む。エルフという種族にとってヲーは最悪な流刑地。(枯渇までの期間:2週間~4週間)


③獣人→魔力が霧散した結果、獣の本能が抑えられ理性的になる。(枯渇までの期間:1週間~3週間)


④ドワーフ→体質に問題なし。元々魔力なんてあってもなくても同じ。(枯渇までの期間:4週間~2ヶ月)


⑤龍人族→神の血を引くため、魔力の内容量・生み出す力が人間やエルフとは比較にならないため彼らよりは長いが、多少は衰える。(枯渇までの期間50年~80年)


⑥ドラゴン→魔力を失うと炎や氷を吹けず意思疎通も不可能となる。口のきけない翼の生えた巨大トカゲみたいなもの。(枯渇までの期間2週間~4週間)



バイター:傭兵、賞金稼ぎ達を指す。金さえもらえれば何でもこなす便利屋。地球復興後、政治も法律も機能しない時代に秩序を築こうと頑張る者がいる一方、混沌の中で金を稼いで生きる者もいた。バイターとはそんな者達が自らをそう名乗り始め世に広まったもの。アウトローな在り方がモットーだったが、時代が進むにつれて派遣会社みたくバイター登録サイトやギルドのようなものが設立される。ビジネスくさい。


魔石:ヲーの空気中で溶けきれなかった高度な魔力の塊が、百年かけて結晶化したもの。腕のいい魔導士や上級の魔物が放った魔法が残る。ただの石そのものだが、再び魔力を込めれば一時的に魔法が発動できる、ヲー側においての唯一の魔法アイテム(火炎魔法なら炎、氷雪魔法なら氷を放てる)。発動後は魔力が分散され石も消え失せる。

千年前の地球とアレナの戦争において、アレナ側の魔導士や魔物達が放った魔力が各地で結晶化している。かなり希少な素材で、ヲーでは高値で取引されている。尚、並の魔導士も自前の魔力を結晶化させることが可能。



◯主要キャラクター ※明記していませんが主人公3人の内1人が人類です。


☆主人公①

【プロフィール】

名前:ヴィンセント・ブルース

年齢:27歳

ビジュアル:幼少期はブロンドの髪にブラウンの瞳を持っていたが、成長していくにつれて髪は黒髪に、瞳の色はアイスブルーに変化。顔つきも別人のように変わって行った。

現在の顔造形はセバスチャン・スタン風。髪型は金の短髪(染めている)でピアスをしている。


【性格】

皮肉屋でいつも軽口を叩いている。捻くれた大人だが根はお人好しで義理堅い性格。基本的に面倒ごとを嫌うくせに結果的に面倒ごとに巻き込まれる。洋画によくいる、基本冷めているけど内側に情熱を秘めた主人公。

世の中の汚い部分を見てきたので、真実がいつも清く正しいものではないことはわかっているし諦めているつもり。でも自分とは違う「綺麗なもの」が追い求めている答えはきっと美しいものであると心の底では信じているという青臭さもある。


【経歴】

バイターと呼ばれる傭兵。赤ん坊の頃、ヲーム街に捨てられていたところを元魔導士である義父に拾われる。魔力を有してたのだが、成長しても尚ずっと魔法が使用できる特異な体質をもつ。魔力枯渇の影響を全く受けない彼を義父は危険視し、人前で魔法を使うことを禁じた。また、成長していくごとになぜか容姿(髪の色、顔の造形)が別人に変わっていった。

己の正体に疑問を抱いたヴィンセントは、答えを探すためバイターをやりながら各地で旅をしている。普段は彼の趣味で黒髪は金髪に染められており、瞳の色は魔力で変えている。


これまでに自分を愛し肯定してくれる存在はいたが、そんな中で自分という人間が何者かわからないというモヤモヤをずっと抱えていた。10〜20代前半までは自分探しに情熱があったが、何も掴むことはできなかった。そのままアラサーを迎え、「自分が誰だろうが関係ない。認めてくれる人もいるし、十分生きていけているからそれでいいんじゃないか」という心理へ傾きかける。今の自分でいいとそこで区切りをつけて現状維持で生きていくか、それともまだ見ぬ答えを探しにいくかで迷っていた。


その岐路において、記憶喪失に見舞われながらも自分を取り戻そうと足掻くドラゴン・オズと出会う。また、オズの語る彼の父の話に、偶然にも自身のルーツにも関わる手がかりの可能性を見出した。

もちろんそれを聞かなかったことにし蓋をすることもできた。だが直向きに自分の正体を追い求めるオズの姿に心を動かされ、彼に協力し父親の元へ送り届けるまでの護衛を勤める。その道中で出会ったもう一人の「自分を失っている」少女・キキと出会う。オズとキキ、二人の真実を追い求める中、同時に自身の隠された正体が明かされていく。


【能力】

生まれた頃からヲーに住んでいるにも関わらず、なぜか魔力枯渇の影響を受けない。それどころか通常の魔導士以上の魔力を有しており、普段はそれを隠して過ごしている。

銃火器の扱いに長け、卓越した身体能力で敵を圧倒する。また修練により魔力の抑制を身につけ、魔導士に気取られないように魔法を行使する術を身につける。全力で使うとさすがにバレてしまうため、生まれてから一度も、本気で魔法を使ったことがない。

主な使用武器は銃とナイフ。使用する弾の中には希少な魔石を使用したものもあり、魔力を込めて撃つと威力を発揮する。


【備考】

自分に関する真実はきっとろくでもないと思っており、それを知った上で傷つくことの覚悟はできています。ただ真実は彼の想像以上に残酷で、自分だけで無く誰かを傷つける結果となってしまいます。そんな彼が悲劇とどう向き合っていくかが試練となります。


【台詞イメージ】

「こいつは正義スイッチだ。こうやって突きつけりゃ皆武器を捨てて大人しくなる…いいか?突きつけるだけだ。突きつけるだけ。OK?」

「背後で爆発してフィナーレなら、楽でよかったんだけど」

「退屈してた?そいつら俺よりつまらなかっただろ」

「…ああ、わかったよ。お前を見習ってやる」



☆主人公②

【プロフィール】

名前:オズ

年齢:不明(テンションは10代の少年)

ビジュアル:アイスブルーの瞳、漆黒の鱗と翼をもった子供ドラゴン。人の肩に乗るくらいの大きさ。


【性格】

賑やかで口やかましく小生意気。いつも強気に振る舞うが、根は寂しがりや。孤独な存在に自身を重ね、傷ついているものを放っておけない優しさをもつ。

戦いのプロである主人公にくっついて回る、未熟さが目立つけど誰も言えないようなことをまっすぐに言葉に出す少年。


【経歴】

世にも珍しい人語を喋るドラゴン。同族のドラゴンには異質な目で見られて爪弾きにあい、人間には珍しい生き物として売り出されるなど散々な目に逢いながら、なんとか生きてきた。

ある日偶然アレナ=アンから流れてきたノア國最後の王・オスカーに関する書記を読み、彼が自身と同じアイスブルーの瞳、漆黒の鱗と翼を持っていたことを知る。そこから自分の父親はオスカーであり、自身の正体はドラゴンではなく龍人族ではないかと考える。ノア國滅亡後に封印された父を助けるため、アレナ=アンを目指す。

記憶喪失であり、自分が何者かもわからないままずっとヲーを彷徨っていた。また自身の特殊性が祟って何度も良からぬ連中に目をつけられたり、同じドラゴン種と遭遇しても敵意を向けられるばかりでずっとひとりぼっちだった。故に孤独を嫌い、愛に飢えている。

父親が生きているかもしれない、自分が特別であることには意味がある、ということがわかった時に初めて幸福を覚え、「父なら自分を見てくれるはず」「自分をあるべき姿に戻して、家族に入れてくれるはず」という希望を抱いている。


【能力】

ヴィンセントと同じく、魔力枯渇が起こることも無く魔法が使える特殊な存在。攻撃する時は口から炎や氷などを吐いたり、全身に魔力を帯びて突進し体当たりをする。魔力容量は通常の魔導士よりも少ないため、魔力が尽きるのは早く回復までに時間がかかる。常に空を飛んでおり、子供一人くらいなら運べる。


【備考】

長い間孤独だった彼は旅の中でかけがえのない存在と出会います。オズはもう一つの家族を守る覚悟と真実と向き合う勇気、未来への新たな希望を身につけていきます。

ゆくゆくは3人目の主人公であるキキに恋をするため、彼女に振り向いてもらおうと奮闘しますが、その最中で「自分の得たい愛とは何なのか、自分だけを見てくれる存在に自分は何を返してやれるだろうか」と考えるようになります。

なりたい自分を目指して試行錯誤し、3回くらい姿が変わります。


【台詞イメージ】

「いや、スイッチって入れなきゃ意味ねーんだろ?ねーよなぁ!」

「よおよおよお!よくもまぁこのオズ様にきィ~~~ッッッたねェ火花散らしてくれたな!」

「『もしかしたらそうかもしれねー』で留めてたら…そんな希望だけもって、何も確かめないままで終わっちまったらって考えたらさぁッ…!そんなの、絶望なんかより、苦しいって思ったから……!」

「ほーん、意外とかわいげある顔できるんだな」



☆主人公③

【プロフィール】

名前:キキ

年齢:推定10代前半~半ば。

ビジュアル:銀色の髪と茶色い瞳、あどけない顔立ちをした少女。髪型は『この世界の片隅に。』のセミロングのすずさんをイメージ。銀髪の雰囲気は『ハウルの動く城』のソフィー。


【性格】

幼児退行しており、喃語しか喋れない。ふらふらと立ち入り禁止区域へ入ったり、蜂の巣をつつこうとしたり、明らかに恐ろしい人物を可愛がったりなど赤子のような行動で周囲を翻弄する。

小さな子供のように無邪気で奔放な面が目立つが、一方で落ち込むヴィンセントやオズを慰めたり、初対面の人間に慈愛を以て接したりなど母性を感じさせる少女。ヴィンセント曰く本質は面倒見のいい性格だったのかもしれないとのこと。


【経歴】

魔導管理局でヲームの標本として巨大ガラス瓶に保管されていたところをヴィンセントとオズに発見された。戦闘の最中にガラス瓶が割れて解放される。

長期間凍結魔法で眠っていたせいなのか精神に障害をもたらしており、喃語しか喋れず幼児のような行動をとる。周囲を正しく認識できず、容姿や種族の見分けもつかず誤って危険なものに近づくなどの行動が目立つが、旅の中で徐々に認知及び言語能力が回復していく。ただ話す言葉はアレナでは失われた言語のようで、ヴィンセントやオズには意味を理解できない。

キキという名前はオズがつけたもの。木を見ると「キー!キー!」と鳴きながら木登りをしようとすることから付けられた。

出会った当初からヴィンセントを「ポポ」と呼んで懐いており、彼が傷つくことをひどく嫌がる。自分より小さいオズを最初はぬいぐるみのように扱っていたが、彼を認識していくうちにヴィンセント同様大切な存在として接するようになる。


【能力】

基本的に戦闘力はないのだが、弓を持つと普段の無邪気さとは人が変わり凜とした出で立ちとなり、遠方から狙撃することができる。ただし他者を殺傷することは出来ないので、あくまで妨害のみ。

彼女自身には魔力はないのだが、触れたものの魔力を増幅させる力をもつ。普段魔力容量の少ないオズも、彼女に触れられると即座に魔力が回復できるほど。その特殊性に目を付けた敵から狙われることもある。


【備考】

ガラス瓶から目覚めたばかりの彼女は現実を認識する能力が欠如していますが、一種の防衛本能でもあります。ヴィンセントとオズが自身の正体が鍵であることに対し、彼女は「自分を取り囲む現実の正体」が鍵となります。自分に降りかかった出来事の全てを受け入れた上で目覚めたキキが現実で戦い、誰かを救うことがキキ視点のストーリーの中心になります。女児アニメ主人公のイメージです。


【台詞イメージ】

「ポポー、ポーポー!」

「あい!…う?うぅ…。あぇ~?」

「ヒヨ~~…チャン!ヒヨ、チャン!」

「……セーン、……ぱ…い……?」



◯物語構成


【1巻】

・全5章構成


プロローグ~1章:魔導管理局編

依頼により魔物の密輸を阻止すべく空輸機に侵入したヴィンセントは、そこで捕われたオズと出会う。オズと共に密輸されていた魔物を解放したのち、護衛の依頼を受けて魔導管理局を目指す。そこで保管されていたヲームの標本・キキを偶然覚醒させ、解放する。奇妙な成り行きで出会った3人は、オズの目的地であるアレナ=アンへ出発する。


2章:犯罪都市アグヘロ編/1節

アン行きの正規ゲートはヲーの最大貿易都市国家であるヴァイオシクスにある。

だが入国には専用のパスポートが必要になる。職人に偽造パスを作らせるため、ヴィンセントはオズとキキを無人となっていたヲーム街で留守番させ、単身で犯罪都市アグヘロへ侵入する。


3章:犯罪都市アグヘロ編/2節

アグヘロへ侵入したヴィンセント。アグヘロは街の主であるコイルを失ったことで統一性を失っており、宇宙海賊『タイタン』と麻薬組織『シィ=ワン』という二つの組織による派閥争いが起こっていた。

街の中立組織かつ番人である『レイス』というマフィアに目を付けられたヴィンセントは捕えられ、ボスの女エルフ、レイピア・ロードに拷問を受ける。一方のオズとキキは、ヲーム街を拠点としていた獣人の技師・テトラと出会う。彼の好意により地下工房でヴィンセントを待つことになったが、地上に『タイタン』がやってくる。折悪くキキが地上に出てしまっていたため、そのままタイタンのボスに攫われてしまう。

オズとテトラはキキを助けるために、タイタンの現在の駐留地であるアグヘロへ向かう。


4章:犯罪都市アグヘロ編/3節

ヴィンセントを拷問していたレイピアだが、『タイタン』がやってきたという知らせを受けてそちらへ向かう。その隙を見て脱出したヴィンセントは、途中で『タイタン』のボスであるライオンの獣人・ソルに連れられたキキを発見。そして同じく潜んでいたオズと合流し、裏で脱出ルートを確保していたテトラの助けを受け、騒動の末なんとかキキを連れて脱出しテトラの拠点へ行く。脱出劇でヴィンセントの腕を見込んだテトラは、アグヘロの麻薬組織『シィ=ワン』がアグヘロを乗っ取る計画を立てており、明日の新薬発表会で実行するので阻止するために協力してほしいと持ちかける。偽造パスポート取得とアグヘロからの無事脱出を約束させたヴィンセントはテトラと手を組むことを選択。

『シィ=ワン』ではボスのジンゼイと秘書のシゥイシェン、部下のタオティエが裏切り者3人を使い、自分達の開発した薬で実験を行っていた。日常生活で薬を服用させられていた二人は洗脳によりお互い同士討ちをして死亡、残り一人はタオティエによって食べられてしまった。


5章:犯罪都市アグヘロ編/4節

『シィ=ワン』による新薬発表会に潜入したヴィンセント達はシゥイシェン達と交戦。招待されていた『レイス』のレイピアの協力を得てなんとか阻止できたかと思われたが、間に合わずジンゼイによって計画が発動。街中を特殊な音波を街中に流れ始める。新薬は通常販売されている常備薬(飲み薬や塗り薬、点眼薬など)やバーで売られているリキュールに混入しばらまかれていたため、すでに多くの住民が服用していた。音波を受けた住民達は暴走し同士討ちを開始する。その魔の手は留守番していたオズとキキにも迫り、窮地となったが『タイタン』のソルに救われる。

敗走したヴィンセント達はなんとか脱出し、キキとオズ、ソルと合流。そこでテトラが元『タイタン』だったこと、先代のボスであるノスコーフを殺した罪で追われていたことが発覚。しかしそれはジンゼイによる策略だったことがテトラによって語られる。また、レイピアも街の主であり『レイス』の主君だった先代ボスのコイルもジンゼイによって殺害されていたことを明かした。

ジンゼイの真の目的は街の住民達を自在に操り、人工的に『信仰』を植え付けることでアレナ=アンの天帝の糧として捧げることだった。ヴィンセントはレイピア、ソル、テトラの手を借り、ジンゼイからアグヘロを取り戻すため最終決戦へ向かう。


6章:犯罪都市アグヘロ編/終節

最終決戦でジンゼイとシゥイシェン、タオティエと対峙するヴィンセント達。強敵であるシゥイシェンとタオティエ、街の住民達やレイスの部下、タイタンの部下達を操りながら新薬によってパワーアップしたジンゼイに苦戦する。そこで死んだ敵が持っていた弓矢を拾ったキキは人が変わったように意識がはっきりし、遠方にあった特殊音波を放つスピーカーを射貫いて破壊。住民達の洗脳が解ける。

一気に形勢逆転したヴィンセントとテトラ、ソルは協力してジンゼイを下し、最後にレイピアがとどめを刺した。

敗北したジンゼイはシゥイシェンとタオティエに助けを求めたが、シゥイシェンはタオティエに命じてジンゼイを食わせた。二人の正体はニレ=ウルとハデスという天帝に仕える半神だった。計画が失敗したなら用はないとし、二人はアグヘロから去って行った。

アグヘロは『レイス』の手に治まることで事件は解決。レイピアは礼としてヴィンセント達にパスポートを提供、ソルとテトラはヴァイオシクスへ無事送り届けることを約束した。

実はレイピアは、1章でヴィンセントとオズが潜入した魔導管理局の現地局長を兼任しており、保管していたはずのキキが失踪していたため、その容疑者としてヴィンセントを追っていたのだった。キキの経歴について知っているようだったが、それは自分が語るべきではないとし、彼女の正体を知ることはヴィンセントとオズの探しているものに繋がると告げる。ヴィンセントはオズとキキを伴い、『タイタン』に運ばれながらヴァイオシクスへ向かう。

2巻の引きとしてヴァイオシクスのAIの語りが入る。『ごきげんよう、皆さん。本日も素晴らしい一日となることでしょう。存分に、その罪を贖ってください』。多くの囚人らしき者達が牢に閉じ込められている中、一人の男がぼんやりと顔を上げたところで幕を閉じる。

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