クリスマスツリーはリア充を滅ぼしたい

まめでんきゅう–ねこ

第1話 リア充を憎む木

クリスマスが近づいてきて、非リア充は焦り、リア充はウキウキワクワクしている季節になった。

しかし中にはリア充を憎む非リア充もいた。だが、リア充を憎むのは人間だけではなかった。

「俺もだよーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

人の多い夜の広場に、1本のクリスマスツリーがあった。

「ちくしょリア充め!!!許さんからなーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

そう、さっきから叫んでいた声の主は、その広場のクリスマスツリーである。

「俺の名前はクリスマスツリー25番!!!非リア充だ!!!!!!……え、何故クリスマスツリーが喋るかって?最近のクリスマスツリーはリア充を憎みすぎて魂が宿ったらしいからな。全く、イチャイチャしやがって。しかもここデートスポットだからめっちゃリア充来るんだよなぁ」

クリスマスツリーの幹の部分に、ギョロリと一つ目が現れた。

「しかもこの辺りにはクリスマスツリーがなくてな、ちょっと離れたところにクリスマスツリーがいるんだけど、男なんだよなぁ。女の子はこの辺りにはいないんだよ。あーもう!すぐそこのデカいデパートで彼氏が彼女のためになんか買うんだろうなぁぁァァァ」

チッと舌打ちしながら、広場に来るカップルを眺めていた。

「あの女今日めちゃくちゃ寒いのに脚なんか出しちゃって。上は厚着してんのに。寒いんだか暑いんだかはっきりしろ!!!!!!…………」

ぶつぶつと文句を言って、悲しみを間際らそうとするも、やはり気にしてしまう。

「……唯一の強みといえば、やはりデートスポットだから、飾り付けがすごいところぐらいなんだよなぁ」

目の前にカップルが来た。

「僕たちの関係も、このクリスマスツリーみたいにしたいね」

「そうだね」

「(クリスマスツリーみたいな関係ってどういうこと??????)」

この後彼に人生をかけた戦いが起こるとは、彼は全く予想しなかっただろう。

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