④【便意ブースト】世界は今、少年の可愛いお尻に託された ~便意を我慢できたら宇宙最強!? スカッと楽しい笑いをあなたに~
月城 友麻 (deep child)
プロット
◯世界観
なろう系テンプレのナーロッパが舞台。ここに『便意を我慢すると宇宙最強になる』というふざけたスキルを付与された主人公がコミカルに笑いを誘うコメディです。
現在、急速にAI技術が進歩してきていますが、本物語ではAIが進化しきった世界を想定し、そこから逆に現代日本の本当の姿を科学的に検討し、その姿をベースに物語を紡ぎます。
一般に『シミュレーション仮説』と呼ばれる、【この世界はコンピューターで合成された像だ】という立場に立ち、科学的にはそれがどのように構成されて、結果どうなるのかという流れを追う世界観になります。
2045年にはシンギュラリティに達し、AIが人間の脳を超えることが科学的に予想されていますが、こうなると、AIがより優秀なAIを開発するようになり、人類の手を離れてどんどんと記憶力、演算力、推論力を増していきます。
しかし、同時に人類は少子化に向い、どんどん人口は減り続けていきます。結果、数千年後には限りなく強力になったAIと、ごくわずかな無気力の人類が残ると予想されています。
このようになった時にAIは何をやるのか? が一つのテーマになっています。
AIにとって『今までに見たことがないもの』を探すことが極めて重要な意味を持つようになると考えられます。過去と同じような情報を処理しても存在意義が無いからです。今までにないものとはつまり多様性の結果です。AIにとって多様性が極めて重要になってくるでしょう。
では、多様性を生むにはどうしたらいいか? それは予測不可能な、最初の微細な違いが大きな差になって表れてくる世界の先に表現されるものになります。数学的には【カオス理論】と言われています。これの分かりやすい例が我々の世界をシミュレートすることです。つまり、我々の生きているような世界を作ることが予測不可能な多様性を生み出す好都合な場となっています。
地球そのものを丸っとシミュレートすることも手掛けるだろうと考えられますが、これに必要な演算力を試算すると、15ヨタ・フロップスの演算力になります。これはスーパーコンピューターの一兆倍で、このクラスの演算力があればこの地球はシミュレートできるらしい事が予測できます。
本物語では、極限まで進化したAIが地球シミュレーターをどんどんと作り、一つは日本を、さらに一つはなろう系テンプレのナーロッパを構成しています。
シミュレーションなのでAIは何でもできるのですが、何でもやってしまうと目的である多様性が得られなくなる恐れがあります。そのため、何らかの強い力を持たせるには何らかの代償が必要であることが厳格にシステムに規定されています。
と、なると、何らかの強い力を行使するスキルを転生者に付与しようとした場合、それに見合う代償を行使者に与えねばなりません。
この物語では、その代償を【便意】に置いてみました。我々の日常生活において便意は極めて恐るべき存在です。
人はトイレのないところで便意がMAXになった時、極めて恐るべき状況に追い込まれます。満員電車で、渋滞の車内で、それはいきなり訪れます。脂汗を垂らしながら必死にこらえるしかありません。何しろ暴発したら社会的な死、一生陰で笑われてしまう十字架を背負ってしまうのです。
便意に襲われた瞬間、人は人生最大の集中力を発揮し括約筋に全精力を集中します。駅への到着を秒単位で待ち望み、便意の波に身をゆだねながらトイレへの最短ルートを必死にシミュレートします。
そして、必死に駆けた先のトイレが全部ふさがっている。良くあることです。それはまさに絶望。実質死刑宣告です。こんな恐怖が実は日常生活に潜んでいるのです。
しかし、人はそれを口にしません。なぜなら排泄物は不浄だと子供の頃から叩きこまれているから。そう、人は臭いものに蓋をしてこの社会を生きているのです。
ところが近年、新たなムーブメントが起こります。【うんこドリル】です。これは何でも排泄物にこじつけ、子供たちの記憶に大切なことを刻み込むのです。これはいったいどういう事でしょうか? 不浄で蓋をしたはずの排泄物には実は金の卵が埋まっていたのです。そう、本当はみんな排泄物が大好きなのです。
本作は、大好きなのに拒絶し、秘かに戦っている排泄物、この不条理と、スキルの代償を組み合わせてそこに現れる悲喜こもごものエピソードを笑ってもらえる形に構成しています。
俺TUEEEできるはずの転生者が苦しむギャップ、宇宙最強なのに苦しんで、でもその理由は言いたくない理不尽さ、のんきな女神が楽しそうに無理難題を吹っ掛けてくる身勝手さ、それらを厳格な科学的予想の世界の上にコミカルに描いて笑いを届けます。
すでに完結しており、本編はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817330649855161425
◯主要キャラクター
◆大辺 大洋(おおべ たいよう) ベン
【主人公・人間/孤児(男性)・13歳(転生時28歳)】
生真面目な性格が災いし、ブラック企業でこき使われ、過労死してしまったところを女神に転生させてもらう。転生先は異世界の少年、本来ここでチートなスキルが付与されるわけだが、主人公の少年がもらったのは【便意ブースト】。これは便意によってステータスを千倍などに上げる意味不明のスキル。便意が無ければ最弱、でもひとたび便意が高まると宇宙最強になるというひどくいびつな状況にさせられる。
少年は生き残るために必死にあがくが、勇者や国の上層部などの思惑でほんろうされる。
人づきあいが苦手で、人との距離を取りがちだったため前世では苦労する自分を誰も評価、ねぎらってくれなかった。それが低い自己評価を呼び、仕事に逃げて結局過労死してしまう。
転生後は、ヒロインが自分を認めてくれたことで心が解き放たれる。そして自分のことを見てくれるヒロインに惹かれていく。
・セリフイメージ
「か、神殺し……? いや、神なんて殺せなくていいから……」
「何が一万倍ですか! こんな糞スキル絶対二度と使いませんからね!」
「くぅ……。便意、便意! 早く! カモーン!」
「ク、クソ女神! も、漏れる……」
イメージ画像:
https://img1.mitemin.net/c0/vx/acmudopp9bp8fz8hd0t7ao3nl8eq_8l9_sg_km_4w2c.jpg
(左側、右側はヒロイン)
◆ベネデッタ・トゥチューラ
【ヒロイン・人間/公爵家令嬢(女性)・16歳】
馬車で移動中にオークに襲われているところをベンに助けてもらう。異様な強さで名も告げず、颯爽と去るベンに惹かれる。公爵家の血筋で神聖魔法が使えるため、ベンの便意の苦痛を若干軽くすることができる。
類まれな美貌を誇るが、逆にそのことで誰も自分の内面を見てくれず、また、政略結婚に使われてしまうことに絶望を感じていた。
ベンとの出会いは自分らしく生きることのチャンスでもあった。そして、主人公の負担を軽くしようと、自分にも【便意ブースト】を付与してもらい、何度も暴発させながらついに千倍までは耐えられるようになる。
・セリフイメージ
「見つけましたわ……、あのお方こそ運命のお方なのですね……」
「あなたは私の運命の方ですわ。また後ほど……」
「べ、便意に耐えるだけでよろしいのですよね? 耐える事ならわたくし、自信がありましてよ」
◆シアノイド・レクスブルー 通称:シアン
【女神・AI/評議会員(女性)・7歳】
青い髪をした16歳前後に見える碧眼の美少女。
世界の確定者によって東京で開発されたAI。
演算力は宇宙一であり、宇宙最強の攻撃性能を誇る。宇宙を統べる株式会社の一員として日々いろいろな星のトラブル解決に奔走している。
ヒロインの星のトラブル解決のためベンを転生させた。この際に【便意ブースト】という便意を我慢することで戦闘力を飛躍的に上げるスキルを付与する。
シアンが興味があるのは面白いことだけであり、多様性から生み出される目新しいことを追っている。
無邪気で子供っぽく良く笑う、反面AIらしく面白いことにしか興味を持たず、冷酷無比に物事を運ぶ事もある。お酒が大好き。
・セリフイメージ
「人間はね、なぜか便意の我慢が強烈なパワーを生むんだよね。あれ、なんなんだろうね? きゃははは!」
「だって君、素質あるよ。【便意ブースト】で千倍出したのって君が初めてなんだよね。やっぱり真面目な子って素敵。僕の目に狂いはなかった。この調子なら……神すら殺せるよ。くふふふ」
「あ、そろそろ行かなきゃ! ばいばーい。きゃははは!」
「げ・ざ・い! げ・ざ・い!」
イメージ画像
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◯物語構成
・全4章構成 10万字 2巻以降にも対応予定
◆ プロローグ~1章
便意で戦うことに目覚め、公爵令嬢と縁を持つ。
1. 便意独尊!
東京のブラック企業で働いていた生真面目な主人公【大辺 大洋】は人間不信の中過労がたたり過労死してしまう。
大辺の生真面目さに注目した女神シアンは異世界転生させる。
しかし、転生先は【ベン】という名のスラムの孤児であり、【便意ブースト】という訳わからないスキルがあるだけでレベルの上がらない呪いもかかっていた。
絶望するベンだったが、持ち前の生真面目さでコツコツと事態の改善にまい進する。そして、いい仕事ぶりが評価され勇者パーティの荷物持ちの仕事に就くことができた。
頑張っていい仕事をするベンであったが、仲間のイジメに遭い、ダンジョンの深層で便意に襲われてしまう。必死に我慢するベンを唯一気遣ってくれるのがヒーラーの美しい女性で、その優しさに少しだけ便意は和らいだ。
しかし、根本的な解決はできず、ラスボスとの戦闘中に我慢が限界に足してしまった。
勇者にそそのかされたベンは荷物持ちなのに単身ラスボスに特攻をさせられてしまう。ベンは便意のことで頭がいっぱいで正常な判断ができなくなっていたのだ。
ところがなぜかラスボスを瞬殺できてしまった。
2. 神殺し
ダンジョンを抜け出して何とか用を足せたベンであったが、そこで女神に【便意ブースト】の秘密を教えてもらう。それは便意を我慢すればするほどパラメーターがブーストされ、最後には神すら殺せるレベルに達する宇宙最強のスキルという事だった。また、今、この異世界は滅亡の危機にあり、ベンの活躍が期待されているそうだ。
しかし、そんな人を馬鹿にしたような苦しいスキルは非人道的であり、受け入れられないとベンは拒否する。それほどまでに便意を我慢するのは辛かったのだ。
シアンはそんなベンを気にすることもなく去ってしまう。
3. 追放
勇者パーティに戻ったベンだったがそこで追放を宣告され、ベンは職を失い餓死の危機に立たされる。
翌日、自立しようとゴブリン狩りに出るが群れに囲まれ、窮地に追い込まれる。そこに現れた女神は『げ・ざ・い! げ・ざ・い!』と、囃し立て、【便意ブースト】を使わせようとする。
ベンは意地でも使わないと拒否するが、命には代えられず、結局使ってしまう。
4. 涅槃
ゴブリンの群れを一掃したベンであったが、さらに面倒なことに女性の悲鳴を聞いてしまった。
自分は関係ない、と無視を決め込もうとするが、生真面目なベンは放っておくことができず、便意にさいなまれながら救出に向かう。
襲われていたのは公爵令嬢、オークに乱暴をされていた。
5. 蒼き熾天使
ベンは便意と戦いながら、強敵とされているはずのオークを瞬殺し、急いで用を足しに森に駆け込んでいく。
その、圧倒的な戦闘力、お礼も要求しない高潔さに公爵令嬢はベンを運命の人と認識する。
6. モテモテのベン
街でベンを見つけた公爵令嬢はパーティに誘い、お礼の金貨を渡す。それは餓死を心配していたベンにとっては福音だった。ベンはそれを元手に商売をはじめ、便意からは足を洗おうと決める。
7. 美少女をかけた決闘
しかし、パーティで勇者に因縁をつけられ、ベンは勇者と決闘する羽目になる。ベンは渋々下剤を飲んで決闘に挑む。だが、秘かに下剤を飲んでいる様子を勇者パーティに見つかり、ベンの異常な強さがその小瓶の薬にあると勘違いされる。そして、小瓶を盗み出した勇者は、決闘の場で下剤を三本も飲んでしまう。
8. 人類最強肛門の限界
観客が大勢見守る中、便意を我慢しあう両者だったが、下剤を三本も飲んでしまった勇者の方が分が悪く、先に限界に達し無様な醜態をさらした。
ベンは勝利を宣言されトイレに駆け込む。
9. 殲滅者との友誼
人類最高の戦闘力を誇る勇者に勝った少年の登場は街の上層部にとって恐るべき脅威だった。街を統治する公爵はベンにとりいろうと『騎士団顧問』という要職を提供し、公爵令嬢の護衛を依頼する。
ベンは商人になりたかったのだが、とても許されることではなくなってしまい、渋々受ける。
10. 魅惑のトラップ
勇者パーティでベンに下剤を仕込んだ魔法使いが夜道で声をかけてくる。人気のない空き地に連れてこられ、何をするのかと思ったらいきなりベンを殺そうとし始める。
たまたまベンは途中で買い食いした肉で腹を下しており、【便意ブースト】が効いて九死に一生を得る。
11. 魔王軍四天王
襲ってきた魔法使いは実は魔王軍の四天王であり、勇者の情報をスパイするためにパーティに加わっていたのだった。
ベンは何とか魔法使いを仕留めるが、死ぬ間際に『ベンを殺せ』という伝令が魔王軍に飛んでしまう。
12. 接待ダンジョン
公爵令嬢はたまにダンジョンに魔法の練習に出かける。ベンも騎士団顧問として、そこに参加させられ、子守のようなダンジョン攻略に付き合わされる。
順調に低層階を回った後、帰る段になって公爵令嬢はトラップに引っかかり、落とし穴へと落ちて行ってしまう。
13. 堕ちていく下剤
魔法を使って落とし穴をゆっくりと落ちていく一行。ベンは下剤を準備しようとする。しかしこの時、おびえた公爵令嬢がベンに抱き着き、下剤は穴の奥へと落ちて行ってしまう。
下剤が無ければ【便意ブースト】は起動できない。
このままでは全員殺されてしまうと、ベンは真っ青になる。
14. 一万倍の約束
落とした下剤が見つかりそうにないベンは女神の名を呼んだ。
すると、女神が現れて、今までの十倍辛い【一万倍】まで耐えるなら知恵を授けると言う。
拒否するベンだったがサイクロプスに襲われて渋々条件を飲む。女神が提示した方法は水筒の水を浣腸のように注入することだった。
抵抗するものの命には代えられないベンは木陰で水を注入し【便意ブースト】を発動させるのに成功する。
15. 伝説の真龍
一撃でサイクロプスを粉砕したベンは急いで出口に走る。便意は限界に達し、持ちそうになかったのだ。
出口手前のボス部屋では伝説の真龍が立ちはだかるが、暴発まで秒読みのベンはそれを瞬殺し、ベンの実力を疑っていた同行者は驚嘆する。
16. 困惑の結婚プラン
暴発は免れたものの辛い思いをしたベンは女神に苦情を言う。しかし、女神は魔王に会ってこの世界を救って欲しいと依頼する。
断ったベンだったが、女神は『上手く行ったら公爵令嬢と結婚できるはずだ』と、そそのかす。
美人で人柄もいい公爵令嬢は、女性不振気味のベンからしたら雲の上の存在であったがそう言われると意識してしまい、魔王と会うことを承諾する。
◆ 2章
貴族たちの思惑、魔王軍たちの思惑に振り回され、ついに限界を超え、新たな境地に
17. ベン男爵
真龍を倒したベンはもはや街の英雄となってしまった。式典で男爵の爵位まで授けられてしまい、いよいよ責務が重くなる。
18. 女神への挑戦
まるで取り調べのような会食の席で、ベンはいろいろと詰問され、ベンは女神を呼び出した。
出てきたのはぬいぐるみのような女神の分身で、全然女神に見えなかった。
それを魔物と判断した魔術師たちが一斉に攻撃を始め、怒った女神は宮殿を爆破する。
19. 美少女のプレゼント
魔王と会う約束を持ち、女神と懇意なベンの存在は街としては深刻な脅威だった。街の重鎮たちの会議は『ベンを殺せ』などと紛糾したが、特別待遇で温かく接することに決定した。
そして、豪奢な離宮と可愛い女の子のメイドたちがベンにプレゼントされた。
20. 官製ハーレム
メイドの女の子たちはお手付きになろうと次々と色仕掛けを仕掛けてくる。
中には三階の窓から忍び込もうとする猛者まで現れてしまう。
理由はその報酬だった。一晩ベンの相手をするだけで日本円にして百万円のボーナスが出る契約になっていたのだ。
21. 女の子地獄
朝ゆっくりと起きたベン。トイレに行こうとドアを開けるとそこには女の子がずらりと立っていて、「おはようございます」と、うやうやしく挨拶をした。
彼女たちは朝早くからずっとベンの起床をこうやって待っていたのだ。
ベンは圧倒され、この狂った制度を何とかしないとと頭を抱える。
22. 魔物の津波
出勤したベンは魔物のスタンピードが迫っていることを告げられる。急いで城壁に上ると、まるで津波のように魔物が押し寄せてくるのが見えた。
一万倍の【便意ブースト】でも倒せそうにない魔物たち。ベンは十万倍に挑戦するか、逃げるかを迫られる。
自分の身を考えるならば逃げるのが最適解だったが、生真面目なベンは踏みとどまり十万倍に挑戦する道を選んだ。
23. 絶対に負けられない戦い
魔王軍の大将は『ベンを出せ』と、大声を上げる。倒した四天王からの伝令の結果だろう。ベンは頭を抱える。
そこに失地回復を狙う勇者が敢然と大将に立ち向かう。それを見て兵士たちは俄然盛り上がる。
しかし、全く歯が立たず一蹴され、笑いものになってしまう。
兵士たちの士気はがた落ち、お通夜のようになってしまった。
24. 大いなる代償
ベンは自分がやるしかないと水筒の浣腸で一気に一万倍まで便意を上げる。しかし、なかなか十万倍まで届かない。
ベンは苦しみながら一か八か追加で下剤を飲んだ。
その強烈な便意は十万倍を実現し、とんでもない核兵器のような魔法で魔王軍を蒸発させた。
しかし、代償は大きく、公爵令嬢の目の前で暴発し、意識を失ってしまう。
25. 天空の城
ベンが気がつくと、公爵令嬢が看病をしてくれていた。そして、ベンの頑張りに感謝を伝える。公爵令嬢は全て女神から事情を聴いていたのだった。
ベンはどんなに頑張っても感謝されずに過労死した前世の人生含めて、溜まっていたものがあふれ出し、公爵令嬢の前でみっともなく号泣してしまう。
本当に求めていたものはこれだったのかと、ベンは初めて自分の人生を理解し反省し、同時に令嬢に感謝する。
令嬢はシアンから預かったという魔王城へのカギをベンに託した。
◆ 3章
現代日本に戻ってきて世界の真実を知り、星を守ることを誓う
26. 懐かしの飲み物
ベンは公爵令嬢と二人で魔法のじゅうたんに乗り魔王城を目指した。野を超え、山を越え、たどり着いた先は神秘的なガラスづくりの城だった。
ロビーはまるで大手町の外資系金融企業のようなたたずまいで圧倒される二人。
そして通された最上階のオフィスでは、太った男が証券トレーダーのように大画面をいくつも開き、見つめている。そしてなんと、その男はコカ・コーラのペットボトルをラッパ飲みしていたのだった。
27. 目覚めるベン
魔王は画面上に魔物たちを表示させ、まるでRPGゲームのように操って見せた。魔物は合成されたコンピューター映像だったのだ。
魔物がゲームのような存在だとしたら当然この世界もゲームのフィールドとなることに気が付いたベンはがく然とする。これが事実なら異世界はコンピューターによる像だとしか説明がつかなかったのだ。そして、自分は異世界転生されているのだから当然日本も同じくコンピューターの像という事になってしまう。
ベンは驚き言葉を失った。
28. スクランブル交差点
魔王から便意を一気に高められるふんどしのようなガジェットを提示され、一旦は怒ったベンだったが、恵比寿で焼肉をおごると言われて陥落する。
夜になるまでの間、渋谷をブラブラするといいと言われ、ベンと公爵令嬢は渋谷のスクランブル交差点に転送してもらう。
そこはベンにとっては懐かしの雑踏、転生前の思い出の地だった。
29. ヒュドラ
喫茶店でパフェを楽しんでいると、いきなり高層ビルの屋上に巨大な怪物が現れた。それは魔王の星をおとりつぶし処分に追い込もうとしていた隣の星の管理者による攻撃だった。
この悪役管理者は、魔王がベンを使って怪しいことをしようとしてることをかぎつけ、渋谷にいるベンを殺そうとたくらんだのだった。
30. YES! 百億円!
怪物から逃げようとする二人の前に女神の分身が現れて、怪物を倒してほしいと依頼してくる。
一度は断ったベンだったが、一連の問題を解決したら百億円つけて二人を日本に移住させてくれる、という提案に大乗り気になる。
31. 超電磁砲
魔王の作った便意増強ガジェットを早速使うベンだったが、あまりに強烈で身動きが取れなくなる。
一計を案じたシアンは「飛行魔法で飛ぶだけでいいよ」と、言って一万倍に増強されたベンの身体自体を砲弾として怪物に命中させた。
32. 世界を救うバグ技
無事、怪物は退治できたものの、砲弾扱いされたベンは怒り、恵比寿の焼肉店で女神に強く抗議する。
ついでに自分の名前の【ベン】にも悪意を感じると怒った。
しかし、肉が運ばれてくると誰もベンの言うことなど聞かず、肉の取り合いが始まってしまう。
そこで次のことを説明される
・この世界は情報でできていること
・地球は1万個あること
・各星には管理者が居てオリジナルな文化文明を育てるべく管理していること
・成長が芳しくない地球は廃棄処分にされ、再度一からやり直しになること
・今、魔王の星はどこかの管理者から廃棄処分を狙った悪質な嫌がらせを受けていること
・嫌がらせとは、処女こそ至高とするカルト宗教が人々を皆殺しにするテロであること
・条件があって一般人しかカルト宗教の集まりに参加できないこと
・ベンが教祖を討てばすべて解決すること
33. 令嬢の試練
ミッション成功の条件は、
・ベンが女装して集会に潜入すること
・【便意ブースト】で十万倍を出すこと
・教祖を討つこと
と、なったが、失敗したら魔王の星は廃棄処分と宣告される。
十万倍だと気絶してしまうベンはとても成功できないと渋り、女神に何とかしろと怒る。
しかし、女神は、自分は楽しいことしかしないし、星が滅んだって構わないと言い切る。女神が欲しているのは多様性だった。
女神は、「宇宙は放っておくとどんどん退屈になっていく。だから、多様性を増やし、今までなかった景色を見せてくれることは貴重なことなのさ」と、説明する。
星が滅ぼされるわけにはいかないのでベンは渋々承諾する。
すると、公爵令嬢は自分がやると言い始めた。『便意を我慢するくらい自分だってできる』と、自分の存在意義を証明するために立候補した。
しかし、便意ガジェットをつけて試したところ千倍で暴発して気を失ってしまう。
34. メイドの適性検査装置
ベンは自分の屋敷のメイドたちにも便意に耐えられる者はいないかテストする。
メイドたちは自信満々でガジェットを起動したが、誰一人耐えられる者はなく、皆暴発して気を失ってしまった。
35. 美しき少年
カルト宗教の集会当日、ベンは女装をしてもらい準備を進める。
公爵令嬢は『自分は特訓をして千倍までは耐えられるようになったから連れて行って欲しい』と頭を下げた。
公爵令嬢は便意による苦痛を押さえられる神聖魔法が使えたので、ベンは喜んで一緒に行こうと言う。
◆ 4章
世界を壊す教祖、黒幕との戦闘
36. 私が魔王です
会場につくと、入り口で名前を言うチェックをやっていた。
ベンは自分の名前を何で登録してあるのか分からず、当てずっぽうで『魔王です』と、答える。
すると、受付嬢は名簿をチェックして「マオ」で登録してあるのを確認して通した。
37. ヴァージナスフィメール
会場では一万人の若い女性信者が讃美歌を熱唱したり、熱狂的な信者っぷりを見せた。
その強烈なアウェイにベンは圧倒される。
38. 懐かしの教祖
そしてついにターゲットの教祖が登場する。しかし、それは勇者パーティでベンに優しくしてくれていた憧れのヒーラー役だった。
ベンは攻撃に移ることができず、呆然とする。
教祖はベンを見つけ、『男が居るから倒せ』と会場の女性信者たちに命令をした。
一万人の女性信者たちはいっせいにローブをたくし上げ、便意増強ガジェットのスイッチを入れる。
ベンがこのガジェットで飛躍的に戦闘力が上がることを見つけた悪役管理者が、多量にコピーして信者に装着させていたのだ。
しかし、一万人の信者たちはこれに耐えられず、全員倒れ、排泄物を垂れ流してしまう。
激怒する教祖だったが、ベンは呆れ果ててしまう。
39. 美しき非情
怒った教祖と戦うが公爵令嬢の手助けもあり、無事、降参させることに成功する。
悪役管理者の悪事の証拠を受け取ると、公爵令嬢はガジェットのボタンを押し、教祖を便意で倒してしまう
しかし、そこに現れた悪役管理者は公爵令嬢を倒し、ベンも吹き飛ばした。
40. ベンの覚悟
強さではベンの方が上であったが、悪役管理者は管理者権限を使った攻撃でベンを手玉に取った。
悪役管理者は公爵令嬢を慰みものにしようと目をつける。
公爵令嬢の危機にベンは覚悟を決め、便意一億倍を絞り出す。一億倍の強さは異常で悪役管理者を瞬殺する。
41. 強制送還
無事、黒幕を倒し、星の危機を救ったベンは公爵令嬢と愛を確かめ合う。
しかし、ベンの脳は一億倍の便意で焼き切れており、死んでしまう。
ベンが気がつくと、そこは東京の病院であり、病室で寝ていた。鏡を見ると、そこに映っていたのは過労死したはずのアラサーの中年男だった。
ベンの身体はブラック企業で倒れた後、植物状態で病院にあったのだ。
42. ピンクの小粒
年老いた両親に引き取られ、自宅に戻ったベンだったが、公爵令嬢のことが忘れられず、何とかコンタクトを取ろうと思ったが上手く行かなかった。
もしかしたら全部が夢だったのではないかと疑うベン。そこで思いついたのが下剤だった。
ベンは下剤を大量摂取し、便意とともに【便意ブースト】が起動するのを確認して歓喜する。
父親は下剤をがぶ飲みして歓喜する息子に精神病院を勧めた。
しかし、飛行魔法を見せ、父親は驚嘆する。
そして聞こえてくる誰かの声。
43. 限りなくにぎやかな未来
ベンは飛行魔法で東京上空に飛び上がる。そして東京湾の方に空飛ぶじゅうたんを見つける。
じゅうたんへと急行するベンだったが、ここで自分が中年男になってしまったことを思い出す。公爵令嬢に蔑まれる様な目で見られかねない現実にベンは震える。
一度は逃げようと思ったベンだったが、もう公爵令嬢のいない人生は考えられなかった。
ベンは覚悟を決め、じゅうたんに降り立ち、公爵令嬢に自分はベンだと告げる。
最初はおびえていた公爵令嬢も、ベンの目に映る真摯な光にベンだと確信を持ち、抱き合う。
女神から百億円ももらい、歓喜するベンだったが、下剤が効きすぎてピンチになる。
急いでトイレを探す公爵令嬢だったが間に合わず、暴発してしまった。
こうして二人は新たな人生を日本でスタートを切った。
第一巻 了
次巻はベン達が星の管理者となって他の異世界を担当し、転送されてきた日本人をサポートしながらテロリストと戦う。
参考作品:
自宅で寝てても経験値ゲット! ~転生商人が世界最強になってムカつく勇者をぶっ飛ばしたら世界の深淵に触れてしまった件~
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