ご霊界の扉

中筒ユリナ

第1話 ある日突然だった

あなたは、ご霊界の存在を信じるだろうか。

人は皆、この世を去ったら行く処だと。


その手の話しは書籍や、SNSと呼ばれるもの等で多く語られている。


霊能者とも言えるような方達や、また、臨死体験等をした方など。


中には宇宙からの交信ができ、メッセージを受け取れたりだ。


興味を持ち、それらの手段を使い見えない世界へ覗きに行ったり。


実は私もそのうちの一人だ。

今の現実世界とは全く違う、ご霊界と言う世界。


一体どんな世界なんだろう。

そんな事を思ったものだった。

中でも私が育った中で1番身近な存在だったのが、やはり神様、仏様。

そして、因縁、悪霊と言われるものだ。


この正反対に存在する


「神仏様」と「因縁、悪霊」

私にとっては、必ずこの2つの事は、対に存在するものだった。


災いが起きないように、平穏無事に過ごせるように神仏様に手を合わせる。


だが、病になったり、大切な人を失ったり。家族関係が上手くいってなかったり。

これらを災いとし、私は神様、仏様にお願いするわけなのだ。


そんな、私がある日突然にその扉を開く事になるのだ。

人にもよるだろうが、私は自分とは全く違う者がいきなり現れたのがきっかけだった。


明らかに私ではない何者かが私の口を使い話すのだ。しかも、それは神仏様などではなく、子供のような口調で声すらも、私の声ではあるものの、何処からそんな声が出るのかわからずだった。


私は精神を病み自分がおかしくなったのかもしれない。

そう、思ったりもした。


そして、日を追うごとに、子供が出るだけではなく、他の霊体が次々と同じように私の口を借り現れるようになる。


自分ではない誰かが話している時には、私は一体何処にいるのだろうか?

別の誰かが話している声も内容も聞こえるし、私の意識はあるのだ。


身体は、1つなのだが、まるで何人も身体の中にいるような感覚だった。


一体、これから私はどうなるのか。。


普通は、不安になり、恐くなるだろう。しかし、そのような感覚すらもなくだった。


彼らと私はそのうちに、自在に話せるようになる。しかし、他愛のない会話のみだが。

「おはよう」の挨拶や、簡単な会話を声に出しながらだけだが、できるようになった。

端からみれば、私は独り言を言っているかのようだったに違いなくだ。


彼らがメッセージとして、私に伝える手段がいくつかあった。


普段、私達人間は言葉を話すわけで、相手に伝えたい事を会話する。

しかし、彼らと話す場合は、内容が複雑な時には会話で意思疎通ができなかった。そこである手段として、

彼らはその伝えたい内容を私の頭に映像でヒントをくれたりしていたのだ。

そのヒントを頼りに「〇〇な事なのか?」と尋ねると、私に頷かせるのだ。


この頷くと言う行為。

普通に私達は自分の意思でするだろうが、彼らの時は、勝手に頷く感覚なのだ。


こんな不思議な体験をしている自分自身だが、時間がたつにつれて、慣れていくのだ。


これがある一種の霊能を開いた事のきっかけだった。。。


そして、私の10年以上に渡る苦しみの始まりでもあったのだ。。。

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