第7話 りお、住吉三神様と出逢う

そこは桜の花びら舞う庭。

住吉邸・・・


この桜は常に同じ姿をし、この住吉邸での妹、りおの精神の癒やしとなっていた。



「りお!りおは何処にいったのか?」

何やらバタバタと廊下を歩き回るこちらの男性。

そう、住吉三神の

「上筒男命」様だ。


妻の琴音は微笑みながら

「りおなら、きっと庭におりましょう。底筒様が案内すると言われておりましたから。」


上筒「な、なに?!🤨🤨

抜け駆けとは許せぬな!」


琴音「あらあら、、ふふふ☺️☺️☺️」


庭に行けばそこには、一人の男性と一緒にりおはいた。


「おや、もう見つかっちゃったかぁ。😄😄りおを独り占めしてたのにねぇ。。」


物腰柔らかいこの男性

「底筒男命」様だ。


上筒「抜け駆けとはなんと!

りおがそなたに怯えぬのを良いことに。。」


底筒は終始ニコニコとしながらりおを見ている。

そして、手を繋ぎどうやらお散歩中なようだ。


りおは、底筒の表情を見て微笑んで見せた。


上筒が

「さぁ、おいでりお。

私と桜を見よう。」

そう誘うと、りおは底筒を見る。


底筒はりおを上筒に渡すと、りおの表情は一変した。

どうやら、上筒が1番りおに懐かれているようだ。



住吉邸にりおが来て住吉三神様に出逢い、1番に懐いたのは、上筒だった。


底筒に対しては中々馴染めないも、次第に慣れてきたのか、触れる事が出来るまでになっていた。


しかし、たった一人、未だに全く懐けないのが・・・


やはりこの男。

「中筒男命」だった。


りおは、まだ幼い。

そしてとても臆病な上に、不安定な精神を持つ。


特に男性に対し極度に恐怖を抱く特徴があった。


そんなりおが初対面から、安心感を抱かせたのが上筒だ。



りおと三神様との初対面では、上筒が真っ先にりおに近づき言葉をかけた。


上筒からの豪快さと気さくな感じを、俺はりおにはどう映るかをじっと見ていた。


りおは、上筒が差し出した手に恐る恐る触れてみた。

どうやら、大丈夫だと感じたのか、

微笑んでいた。


りおの感じた通り、上筒のりおに対する態度はまるで父親そのものだった。


彼はりおを自分の膝に座らせ、食事を楽しませたり、

おやつのあられを分け与えたりと、時間が許す限りベタベタだった。


だが、そのベタベタした態度からは、全くいやらしさを感じさせない。


また、上筒は簡単な学びもりおに教える。


そう、教育というものなのか。。。



りおのそんな日々の様子を俺は父や、聡子と見ていた。


今までのりおからは、想像も出来ない位の安心感を俺は感じとり、自然と涙が溢れて仕方なかった。。。


そんな俺を見た聡子は驚き、

「どうしたの?」

と詰め寄るのだ。


「なんでもない。

ただ、なんて有り難いことか。」


そう、俺は聡子に言っただけだった。。




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