物理(拳)最強の男が行く異世界踏破
Leiren Storathijs
プロローグ
「とぅっ! 飛燕・紅蓮脚ぅ!」
ある日、とある城下町を覆うほどの巨大な赤き竜がいた。
その竜は、一つ息を吹けば、小さな村ぐらいなら一撃で吹き飛ばすほどの炎を吐き、多数の国が連合国を組んで、赤竜討伐作戦の元、何万という騎士を送っても傷一つもつけられなかったという恐れ多き竜である。
そんな赤竜は、一国の王が住まう城下町を襲った。
その巨体は、町を照らすの太陽の光を完全に遮るほどで、城下町には絶望と暗闇を与えていた。
もう我々は終わりだ。この国は滅ぼされる運命だったのだと、嘆き叫ぶ人々。
そんな絶望の淵に落とされた城下町であったが、赤竜が羽ばたき今炎の息吹を吐こうとした瞬間、一つの火種が町の中心で打ち上がる。
その火種は赤竜の頭部正面まで上がると、人影が火種から現れその直後、煌々と燃え上がる炎を吹きあがらせながら、その『人』は赤竜の頭を蹴った。
すると赤竜は空中で呻き声を上げて体勢を一気に崩し、すぐに立て直そうとするが、それを逃す人では無かった。
『彼』はすぐさま赤竜の頭にしがみつき、頭頂部によじ登ると、その場でバランスを取りながら雄叫びを上げ、天へ拳を突き上げる。
「うおおおおおおおぉ!!! 業火・爆砕撃!!」
『彼』は、突き上げた拳を赤竜の頭目掛けて弓の要領でしっかり引き絞ると、その拳を赤竜の頭頂部に打ち込む。
まさか、あの一撃で竜が倒れる訳が無いだろうと、再度人々は絶望の表情を浮かべたその時だった。
一拍遅れてやってきたのは、赤竜の頭部から火山が噴火したかのように激しい火柱が立ち昇る。
その火柱の結果を、赤竜と彼の様子を町から見上げていた人々は全員気がつく。
赤竜の目がぐるりと白目を剥き、一気に力無く体勢を崩し、その巨体は城下町の外に落下する。
凄まじい地響き共に、近くの柱を掴んでいないと吹き飛ばされそうな衝撃波と、砂塵が舞い、赤竜討伐作戦は、たった一人の人間によって終わりを迎えた。
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