魂を叫ぶ。

-N-

魂を叫ぶ。




 午前一時。魂を揺さぶるサウンドに絶叫した。


 甘えるな。妥協するな。死ぬほど頑張るなら絶対に死んでみせろ。とことん突き詰めた細部に神が宿る。ゼウスでもヤハウェでもない、神髄の随こそが美しい。

 努力などするな。才能など信じるな。成功者の言葉などツバ吐き捨ててやれ。叫べ「頑張りました!! そして頑張ってます!!」ってさ。それは努力でも何でもなく、ただ懸命に生きてるって事だ。それこそ素晴らしい戦い方だ。

 夜もただで寝るな。夢の中でも夢を描け。起きたなら醒めぬ夢の舞台だ。輝けお前だけの夢の舞台だ。太陽よりも物理的には輝けませんが、それでも一つしかない舞台で主人公になってやれ!

 絶望などするな。障害など言い訳にするな。自らの苦境を悲劇のヒロインなどと思うな。鬱? ADHD? 四肢欠損? わめいてたって現実は変わらない! 変えてやれお前こそがトゥルーだ!!


 食いかかれ死神は俺たちに付いてる。

 なりふり構わず鎌さえぶん回し、全身のお前をキーボードに打ち込め!!


 今夜が人生のターニングポイント。四番DH9回裏三点ビハインドツーアウトフルベース三振するかホームランかの一番勝負。四死球だけは貰うなつまんねえ。ヒットだって許されないお前が決めるんだ人生って言うゲームを。負けなんか信じてねえ。目に光ともる。8bitカンストあふれて0人のファンが張り上げる。ピッチャー「世間」が投げる球と真っ向勝負だ。

 振りかぶって投げた先。仕事場の憂鬱。吹き飛ばし打上げた世界は夜空に花火が上がる――


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魂を叫ぶ。 -N- @-N-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る