勇者ナマズ

まめでんきゅう–ねこ

第1話 とある悲劇

「ふぅ〜飲みすぎたなぁ」

「いいじゃないですかwww」

夜の街に2人…いや2匹の男がいた。ここはナマズの王国。2匹は酔っ払っているようだ。

「先輩顔真っ赤ですよ〜」

「お前もな!!!!!!」

肩を組みながら歩く2匹に近づく謎の影。どうやらそれはザリガニのようだ。

「お前らちょっといいのサ?」

「ん?誰だぁ?……ザリガニ?なんでこんなとこにザリガニ?」

「いちゃダメなのサ?いいから早く」

「何をですか〜?」

「この箱の中に入るのサ」

「は?」

ザリガニは2匹を強引に箱の中に入れた。

「おい何をする!やめろ!出せ!」

「大人しくじっとしとくのサ。あと、酒の飲み過ぎはやめといたほうがいいのサ」

ザリガニは隠れていた小さなザリガニと共に箱を持ち運んだ。どこへ持っていったのかは、彼らにしかわからないだろう。

「隊長。ターゲットはあの城にいるのでは?」

「わかってるのサ。こいつらは配達係に渡してからサ。見られてしまった以上、放っておくわけにはいかないのサ」























ナマズの王国に朝日が昇る。ナマズたちは同時に起き、仕事をし始めた。店を開き、暖簾のれんをかけるナマズもいれば、馬車を引くナマズもいる。

まだまだ発展したばかりだが、これには訳があった。それは、王国の姫[ヒロ]が元勇者だったからだ。最近結婚して勇者を引退したヒロ姫は、今度は王国を作りたいと、自身を尊重するナマズたちで[ナマズ王国]を作ったのだ。

そのため王国の住民は、ほぼ全員がヒロ姫を讃えている。そもそもヒロ姫は勇者としての素質があるらしく、現役の頃のランクはSSS!下級モンスターなら睨むだけで倒せるらしかった。下級モンスターの間では、死の眼差しと呼ばれ、恐れられていた。

そんな、無敵で素敵なヒロ姫にとある悲劇が訪れた。















「ヒロ姫!!!!!!!!!!!!」

召使いが名前を叫ぶ。城中を走り回り、彼女を探すが、なかなか見つからない。

「どうしたんですか??????www」

「笑ってる暇あるか!!!!!!姫が消えた」

「……え???」

「姫がぁ…ハァハァ…消えた」

「……まさか冗談でしょう?www。それより朝から何も食べてないでしょう?10秒チャージをどうぞ」

「おいふざけんな!!!!!!本当に消えたんだ」

「わかりましたわかりました。私も探しますから」

城にいるナマズ全員で姫を。街も探すが一向に見つからず。

「ゼェハァゼェハァゼェハァ」

「疲れた……」

「どうしたんですか?」

わけのわからない住民のナマズたちが城のナマズに聞いた。

「ヒロ姫が消えた」

「ハァァァァァァァァァ??????」

突然起こったヒロ姫失踪事件!果たしてヒロ姫はどこに?













…って言っても、勘の良い方は話の冒頭に出てきたザリガニだろ?って思うでしょう?はい、そうですよwww。ザリガニの仕業ですよ。王道っちゃ王道じゃないすか?

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