第21話 偽りの日常生活
あれから数日の時が流れました。
レンジ姉様の尊厳も滅亡させ平和な日々が続き・・ませんでした。
ー 百合リス国 スノーフレーク邸 黒雪の寝室 夜 ー
黒雪 「ちょっとやられたです」
ハボタン 「全身ボロボロで今にも倒れそうですよ?」
黒雪 「今回の敵はレンジさんに戦ってほしくないです」
財布 「こいつが敵のデータだ。
幹部級アンチバッド。コウモリのような翼で空を飛び、
人の心を読み精神攻撃を仕掛ける。
レンジ君のような純粋な子であるほどそのダメージは大きい」
ハボタン 「このままじゃ黒雪様が傷つくだけっす」
黒雪 「こんなの百合エネルギー補給すれば一瞬です。
いずれバレるけれど、レンジさんには内緒です」
ハボタン 「私も共犯者みたいっすね」
財布 「知らないのは彼一人か。
このこと知ったら真っ先に飛び出すだろうな」
ハボタン 「なので全員ご内密に。いざとなれば私が止めるっす」
ー 黒雪の寝室 朝 ー
ハボタン 「姉様おはようございます」
レンジ 「にぇむい」
黒雪 「おはようございます、レンジさん」にっこり
レンジ 「ねえ黒雪、ほっぺの傷何?もしかしてムリしてる?」
黒雪 「・・・ちょっと考え事してたら本を落としたです。
その傷かもしれないです」
レンジ 「そっかぁ」
ハボタン (朝の姉様には気づかれましたか)
ー 黒雪の私室 昼 ー
レンジ 「今日も平和だな。
財布さんが家庭教師してくれるおかげで学校行かなくていいし」
財布 「あはははは、帝王学でも教えようか?」
ハボタン 「普通の教養でお願いするっす」引き気味
レンジ 「生徒会長ってのも大変だな。
俺が寝てる時に帰宅するんだろ?」
財布 「ノブレスオブリージュだな」
レンジ 「ノブ、何?」
ハボタン 「分かりやすく言えば、
権力者は他の模範であるべきって考え方っす。
ふんぞり返ってるよりも前線で戦ったほうが英雄っぽいっす」
レンジ 「すごいな、黒雪さんは」
財布 「そう思ったなら勉強をするといいぞ。
いつか黒雪君の右腕になればいい」
ハボタン 「姉様はまず私に学力で勝つっすよ?」
レンジ 「機械に勝つって不可能じゃね」げんなり
ー スノーフレーク邸 夜 ー
恐れていたことが起きました。屋敷付近に敵が襲来。
黒雪様が戦っているとばれてしまいます。
レンジ 「あれ黒雪さんじゃん!財布さん扉開けてくれよ!」
財布 「それはできない。今の君が行っても足手まといだ。
せめてメイドモードになってから交渉にきたまえ」
レンジ 「なら!」XNーVRグラス装着
ハボタン 「メイドの裏側を知ったあなたに出来ますか?
もはや憧れなんて物はないでしょう。
不死の能力もただの的。あきらめなさい」
優しくし語りつつも言葉にはトゲを内包させました。
レンジ姉様は一生温室育ちでいいんです。
敵との戦いなんて暇人がやればいい。
姉様と過ごす時間こそが私の全てですから。
レンジ 「(威圧)ああ?偽りの友情がそんなに大事か!!
困ってる時助け合うのが本物だろ!
少なくとも今俺たちが向かえば黒雪は軽傷で済む!」
ハボタン 「真偽はともかく親友ならば彼女の意志を尊重なさい。
戦うなと言われたんでしょう?なら
レンジ 「ならばそれに従えと?
少なくとも俺は相棒を2回見殺しにしてきた!
また罪を重ねさせる気か!!」
ハボタン 「・・・・初耳ですね?」
レンジ 「1度目は俺が気付かないところで
女体化ビームを受けたケイル自体の人生を。
2度目は人質に取られたアイツごと敵を撃ちぬいた」
財布 「2度目は最低だな。よくそれでヒーローを名乗れたもんだ」
レンジ 「アイツ、自分の体ごと敵に銃で攻撃しやがった。
しかも”俺ごと撃てって”親指下に向けて合図してさ。
もし撃って無かったらアイツは敵にやられてたし、
俺が撃ったことで致命傷になったんだ。
まあ結局敵もアイツも行方不明になったけど」
ハボタン 「結婚してるのに元カノの話っすか。だからモテないっす」
レンジ 「俺が言いたいのはだな!」
財布 「俺が言いたいのはケイル君の二の舞はごめんだ!だろ?」
レンジ 「人の心読めるんすか?」引き気味
ハボタン 「お涙頂戴はいいっすからメイドになれっす」
レンジ 「どうせここから出るにはそれしかねえか!
XNーVRグラス!!鬼百合レンジ!メイドモード!」
レンジ (電流と火花が押し寄せてきやがる!
こんなのは初めてだ。俺自体を拒絶しているのか!
クソ!意識が持ってかれ・・・・)
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