第18話 百合ボ払い(ユリボ払い)

 ー 百合リス行き列車 先頭車両 ー


 黒雪    「・・・・スゥ。黒雪!いきまぁーす!」

 葉牡丹   「行ってらっしゃいませ」手ふりふり


 対空列車砲内の屋根から黒雪様が飛翔します。

 私達は指定された場所で配信する流れです。

 黒雪様は百合エネルギーがあれば強くなるとのこと。

 NーVRグラスを外さず生配信を続行するようです。


 ー 列車 百合エネルギー炉 ー


 レン    「クソ!エネルギー炉っていうか

      自転車で自家発電じゃねーか!!」きこきこ

 葉牡丹   「頑張るっす。飛行性能ない

      私達じゃ足手まといっす」きこきこ

 財布    「あはははは、百合チューバーは

      体も張るときもあるぞ」ケイデンスをあげろ!!

 レン    「財布さんがぶん回してる!!」

 葉牡丹   「戦闘能力を持たない一般の方もいるっすよ。

      万が一脱線したら私達では守り切れないっす」

 レン    「そりゃ分かってるけどさ!!」


 対空砲の弾も列車を動かすのもユリハルコンエネルギー。

 ・・・オール百合化の弊害っす。



 ー 百合リス国境付近 空中 ー


 黒雪    「数は100程度。ティータイムまでは持たせます」


 黒翼4枚を広げ物理法則を捻じ曲げながら空を飛んでいきます。

 時折翼の先端がクイッと動き空気抵抗をゼロにしている黒雪様。

 松葉つえからビームを放つのも健在。

 特筆すべきは目を開いてないことですね。


 ー 列車内 百合エネルギー炉 ー


 レン    「凄いぞ!黒雪さんが敵を半数倒した!!」

 葉牡丹   「飛行性能って重要なんっすね」

 財布    「ああそれならちょうどいい商品があるぞ!」

 レン    「俺達そんな金持って無いぞ!!

      そんなポンポン神話級の武器買えるか!!」

 葉牡丹   「百合ギヌスの槍も売っちゃいましたし」げんなり

 財布    「あはははは、冗談だ。

      本気でヤバい時になったら

      百合ボ払いシステムでいいぞ!

      限度額まで月々1万ユーリで買い物が楽しめる!」

 レン    「なあ、やっぱ武器商人が悪なんじゃないか?」

 葉牡丹   「このまま列車から突き落としたほうが人類の為っす」


 ー コメント欄 ー


 委員長   「便利は便利だけど利息も払うから」

 機械部   「世の中うまい話はないでござるからなぁ」


 ー 列車内 百合エネルギー炉 ー


 財布    「よいこは大人の人と相談してから決めよう!

      あははは」

     

 コメント欄ですら百合ボ払いについての知識が広まってて一安心っす。

 そんなこんなしていると敵が引き上げていったようで。

 流石に黒雪様が強すぎたですから。失礼、口癖が移ったっす。


 ー 列車内 先頭車両 ー


 黒雪    「皆様のおかげで事なきを得ました。

      ありがとうございます」ぺこり

 レン    「あの、翼減ってませんか?4枚から2枚になってる」

 黒雪    「余は大量の百合エネルギーを消費する戦闘スタイルです。

      故に屋敷では親衛隊に護衛されてます」

 葉牡丹   「黒雪様は幹部級の敵を倒せる実力。

      百合リスとしても貴重な人材っす」

 財布    「護衛が時間稼ぎして、黒雪君が倒せばいいからな」


 レン    「黒雪さん?敵追いかけなくていいんですか?」

 黒雪    「アフタヌーンティーの時間ですから。

      敵も同じですよ」

 レン    「異文化!!」

 葉牡丹   「あ、列車も止まっちゃいましたね。

      運転手さんも一般車両に向かったっす」

 財布    「シャワー浴びさせてもらうぞ?先に始めててくれ。

      お茶会開始の宣言だ!黒雪君!!」

 黒雪    「お茶会開始ィ!」腕上げ☆

 レン    「ニンジャ国の影響受けすぎでしょ!二人とも!!」


 ー お茶会 ー

 レン    「あの、黒雪さん、そのぉ」

 葉牡丹   「レン姉様、基本的には3段の内、下から食べていきます。

      

      下、1段目サンドイッチ

      中、2段目スコーン

      上、3段目ケーキの順となります」

 黒雪    「その他細かいルールは無しでいきます。

      レンさん達と楽しく会話出来たら満足です」

 レン    「次回までに詳しく調べておきます!」

 財布    「素直だなぁ」


 レン姉様が緊張してますね。

 因みに普段着はよろしくありません。黒雪様は寛容な方でよかったです。


 ー お茶会 終盤 ー


 黒雪    「レンさんはメイドになれなくて困っていると聞きました。

      試しに別のXNーVRカートリッジを試してみるです」

 レン    「それがメイド以外は拒絶反応が凄くて」

 黒雪    「余の見立ては、最適な職業はメイドじゃなくて

      執事バトラーと思います。

 レン    「執事?ご主人様に仕えるのは一緒ですが、ピンと来なくて」

 葉牡丹   「・・・メイドが誕生する前は執事が幅を利かせてたっす」

 レン    「・・・決めた。執☆事☆王に俺はなるってばさ!」

 黒雪    「楽しそうで何より」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る