第8話 レン姉様の魅力


葉牡丹   「鬼百合チャンネルにようこそ。今日もまったり

     していくっす。ボケ担当の葉牡丹と」

レン    「ツッコミ担当のもずくでお送りするぜええええ」 

葉牡丹   「レン姉様、もずくの件はいいですから」

レン    「もういいのか?」しゅん

葉牡丹   「うわぁ!テンションがジェットコースターざます!!」

レン    「そんな語尾じゃないだろ!!」

葉牡丹   「じゃ、鬼百合チャンネルのスタートっす」


ー 鬼百合チャンネル 鬼百合家 夜ー


葉牡丹   「始まりました当チャンネル。割と緩めに

     お送りするっす」

レン    「いや、前回から俺が引き続き登場ってことはリスナーに

     飽きられてないってことか?」

葉牡丹   「ええ、姉様って意外と好感度高いんですよ?

     百合チューブのメイドさん動画にポジティブな感想文

     書いててそれがいい方向に働いてるっす」

レン    「いい情報があったらお礼いうの当然だろ!!」

葉牡丹   「なかなか難しいっすよ?感謝の言葉って。

     姉様は自然とできるから問題ないっすけど」

レン    「そういうもんなのか?」

葉牡丹   「自分を表現するのが苦手な人もいるっす。

     例えば姉様はメイドさんが好きでしょう?」

レン    「当然!!ライクではなくラヴだ!」

葉牡丹   「(引き気味)全世界に公言できる勇気って凄いです」

レン    「今引いただろ!俺の相棒だよな?結婚して妻だよな?」

葉牡丹   「そ、ソンナコトナイヨー」

レン    「(溜息)はぁ、いいよ。よくあることだから」

葉牡丹   「こんなふうに自分を強く押し出すと

     周りに引かれることがあるから、大抵は発言しないっす」

レン    「何だよそれ。腹の探り合いじゃん」

葉牡丹   「じゃあ私の好きなもの当ててみるっす。チョコ以外で」

レン    「うーん・・・・・・あっ!自堕落!」豆電球点灯。ピコーン

葉牡丹   「正解は姉様です。続けて姉様は私の事どう思ってますか?

     本気で答えてください」レンの目凝視

レン    「・・・・・・・・嫌いではないな」ぷいっ

葉牡丹   「それと一緒ですよ?自分を表現するのが難しいって」

レン    「俺自身も知らない間に探り合いの加担をしてたのか!」

葉牡丹   「そういうことです。

     相手を傷つけるかも?

     自分が傷つくからと人は本心を語らない。

      それは悪ではないっす。けれど人の心を動かせない。

     感動や興奮を他者に与えることなんて無謀な話っす。

      だからそんな情熱をいまだに持ち続けてるレン姉様が

     必要なんです。・・・メイド狂いっすけど」1000ユーリ

レン    「メイド狂いだったら何が悪いんだ!!」


葉牡丹   「その熱意を勉強とかスポーツとかに向いてたら

     もっとモテていたかもしれないっすよ?」

レン    「けどこの世界は百合が流行中だろ?

     百合見て尊いって思ったら生活資金が確保できる世界と

     知った今、男の俺に何ができるっていうんだ!」

葉牡丹   「では姉様は女体化ビームを食らって女になりたいですか?」

レン    「人格変わっちまった奴はダース単位で見てきた。

     大人になっても馬鹿やれると思ってた親友も

     メイクしてギャルになり果てていた。

     メイドオタクには優しくないタイプのギャルにな。

     だから俺がもしあんなの食らったら俺でなくなる。

      いや真面目に更生するかもしれないが

     それは果たして俺なのか?多分違う!」

葉牡丹   「だから私が守るっす。誰よりも優しい姉様を、

     この世界のヒーローを消させないために」


レン    「俺が優しいだと?」

葉牡丹   「素直にお礼が言えたり、好きなものは好きとはっきり言う。

     たとえ悪が滅びても姉様は姉様のまま成長していくっす」

レン    「まあ、ヒーロー以外働く方法ないし」

葉牡丹   「いい加減バイトの一つでも入れるっす」

レン    「(威圧)ああ?働きたくないでござる!!」

葉牡丹   「ニート乙」

レン    「俺が朝弱いの知ってるだろ!!始業時刻前に出社とか

     拷問かよ!!学園の登校も葉牡丹いないとできないぞ!俺!」

葉牡丹   「いい加減妹離れするっす。社会の歯車になれっす」

レン    「バイトもだ!掃除や商品陳列が気になって、

     接客どころじゃないしな!!

      あと夜十時以降の労働とか眠くて無理」

葉牡丹   「びっくりするぐらい社会不適合者っす」ドン引き


レン    「だから完璧マルチタスクなメイドさんに

     憧れるんだよ!掃除に料理と洗濯、それにご主人様への配慮。

     天才かよ!!何喰ってたらこんな頭が回るんだよ!!」

葉牡丹   「チョコっすよ?砂糖で頭脳労働の疲れを取るっす」

レン    「じゃあ俺も!!」

葉牡丹   「姉様は何も考えず直感で動くタイプ。

     勧められた商品に疑いなく飛びつくのがその証拠っす」

レン    「もしかして、俺って葉牡丹いないと何もできないのか?」

葉牡丹   「そう仕向けたのは私。存分に依存するっす」

レン    「次の給料出たら今度こそ新型メイドロボ買ってさ!

     この自堕落な生活に終止符を打つ!!」

葉牡丹   「できない目標を掲げるのは結構ですが姉様、

     そろそろ就寝のお時間です。ちゃんと歯を磨くのですよ?」

レンジ   「何だと!!動画配信してると時間を忘れてしまう!

     ナイスだハボタン!!」洗面所へダッシュ

葉牡丹   「姉様、せめて別れの挨拶を・・・行ってしまったっす。

     姉様は唯我独尊系ですので、ご容赦願うっす」ぺこり

レンジ   「ハボタン!!お休みなさい!!」1000ユーリ

ハボタン  「ええ、おやすみなさい。

     今回はここまでっす。レンジ姉様の魅力は伝わったでしょうか?

     これにてさらばっす」腕ふりふり

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