第86話 お礼

 


緑川さんは、シルカさんと一緒に子供に勉強を教え始めた。


此の世界の学問と違うから悪戦苦闘をしているが、多分そのうちなんとかなるだろう。


今後、他のクラスメイトも来るかも知れないから、対応を決めて置いた方が良いかもし知れない。


今回は上手く行ったが、最初から喧嘩を売って来る者や、場合によっては戦争を仕掛けてくる者も居るかも知れない。


いや、確実に居る筈だ。


同級生の中には『貴族の元』に行った者も居た。


その辺りは敵になる確率は高い。


此処までは順調だったが、此処からは何が起きるか解らない。




それより、今は、計画を先に進める事にしよう。


打ちでの小槌は望んだ物が金銀財宝なら何でも出せる。


テラス様に頼んで『自分達が望んだお金』を出せるようにして貰った。


簡単に言えば、10万円札、1万円札 5千円札 1千円札を発行する。


レートは金貨1枚当たり1万円札と交換。


こうする事でこの国から外から買い物に来た人間は、お金の価値が1/10になってしまう。


暫く様子を見て、テラス関係は国も含み新しいお金しか使えなくすれば、既存のお金は最早価値が無くなる。


まぁ何処まで上手くいくか解らないが、これが上手く行けばかなり今後は楽になる。


「これが、理人様の世界のお金なんですわね」


「そうだよ、まぁ紙なんだけど、ちょっとした仕掛けがしてあって偽物は作れないんだ。透かしっていってね…こんな感じ」


「これは凄いですわね。こんな技術はこの世界にはありませんわ」


透かしが無いなら、完璧だな。


「それで、これからは金貨でなく、此方の通貨で全て払うようにしたいんだが、ちゃんと通用するように上手く手配できるかな?」


「帝王には話は通されていますの?」


「ああっ許可なら貰ったよ。新しいお金で20億円を渡してある。貴族達にも2億円渡した。だからこのお札が使えるようになるのを待ちどおしく待っている筈だ」


「なら、簡単ですわね。国内限定で今あるお金は期間限定で金貨1枚=10万円のレートで交換しまして、それが過ぎたら1万円にしかならない。そういう触れ書きをだせばよいのですわ。その後の事も、まぁ私と黒騎士に任せてくれればどうにかしますわ。せっかくですからユウナとユウにも危ない仕事じゃないので責任ある仕事の幾つか任せたいと思いますわ」


フルールは本当に頭の回転が速く、1いうだけで10の事をしてくれるから助かる。


「今回の仕事には塔子と綾子も加えて欲しい」


「あの二人も…」


「ああっ、確かに頑張ってくれてはいるが、フルール程手際が良くない。だから少し仕事のやり方を教えてくれると助かる。俺も人の事は言えないがな」


「褒めて頂いて、有難うございますですわ…それなら今回は手伝って貰いますわ」


「頼むよ」


「任されましたわ」


此処から先、まだ大変だ。






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