第14話 北条塔子SIDE 愛しの理人様
ああっ…本当に理人様は、凄いですわぁ~
『理人様理人様理人様理人様理人様理人様理人様理人様理人様理人様ぁ~』
普通の男は卑屈でゴミしか居ませんが『理人様はなんて素晴らしいのでしょう』
流石、理人様!異世界に来られて迄なんて凛々しいんでしょう。
理人様程の人にはジョブすら要らなかったのですわ。
だって、騎士相手に戦える位強くて凛々しいんですから…
本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に
欲しくて堪りませんわ。
理人様を私の者にしてくれるなら3億円位支払っても構いませんわ。
私の家は裕福ですから、本当に理人様を私にくれるならこの位の金額あげても全然かまいませんわ。
3億円は私の貯金の全部ですので、もっと欲しければどうにか用意しますわ。
これ割と本気ですわ。
だって私は北条財閥の1人娘ですから!
理人様と一緒に暮らせるならとお父様におねだりしまして『屋敷』も作りましたわ。
まぁ、俗にいう監禁屋敷ですの。
私のいう監禁は、他の方の言うような酷い物と違いますわ。
絨毯はペルシャ絨毯。
お風呂は態々温泉を引いて源泉かけ流しの岩風呂ですのよ。
食事は和洋中、フランスの一流シェフに作らせますの。
馬鹿になられては困るのでしっかりと家庭教師による帝王学の指導。
此処まで完璧に行いますのよ!
案外監禁と言っても絶対に幸せですわ!
私の保証つきですわ。
はっきり言って、大樹達の様に性処理道具にする訳では…あるかも知れませんが…死ぬまで一緒に傍に居て大切にしますわ。
幸せだと思いません?
お風呂だって私が入れてあげても良いのですわ。
幾らでも淫らな事の相手もしてあげますわ。
大樹や大河や聖人のパチモン美男子とは理人様は違うのですわ。
理人様は…『全てが本物なのです』からね。
私が北条本家の娘と言うのは三人も含み誰も知りません。
正体がばれない様に北条の子会社の社長の娘…そう言う事にしていますの。
それでも充分お嬢様ですけど。
大樹達の親もそこそこの会社の社長だったり権力者だったりしますが…私のお父様なら指先で潰せるゴミみたいな存在ですわね。
仲良くするためにお父様の傘下グループの子会社の社長の娘という肩書で付き合っていますが、それでも三人の親よりは目上の存在らしく、偶に三人は卑屈になりますわね。
たかだか総資産50億の会社の社長の息子で御曹司? 笑ってしまいます。
虫けら? いえゴミ…ゴミですわ。
それはさて置きまして『私は理人様が大好きなのですわ』
近づく女には全員地獄を見て貰いましたわ。
勿論、ただのお芝居ですが男に攫わせて『AVに出るかもう理人様に近づかないか』『東南アジアに行くかもう理人様に会わないか』その二択を迫れば大体の方は簡単に諦めてくれますわね。
この位の覚悟も無く『愛』を語るなど、卑しい存在ですわね。
それでも諦めない子には親を呼び出して『一生理人様に娘を近づかせない』約束をお願いしましたわ。3千万位のお金と小さな会社のポストをあげたら喜んで家族で引っ越してくれました。まぁ従わなければ会社をクビになるよう仕向けて生活できないようにすれば良いだけですが...これでも残酷なのは嫌いなのですわ。
そんな障害で諦めるなら『それは私にとって理人様を愛していない』そういう事なのですわ。
私だったら何をされようと諦めない…そう言いきれますからね。
目玉をくり抜けば理人様が手に入るなら自ら差し出しますわよ!
顔を焼けば理人様が手に入るなら喜んでこんな顔焼いてしまいますわ!
逆に、私は理人様がどんな状態でも愛せる自信がありますわ。
手足が無くても別に平気ですわ。
そうしたら食事のお世話から下のお世話にお風呂迄、完璧にお世話しましてよ。
◆◆◆
あれはそう小学生の頃の話です。
私は転校ゲームに嵌っていましたの。
転校ゲームって言うのはですね『嫌いな人間を転校に追い込むゲーム』ですのよ。
まだ私は小学3年生でしたが近隣で私に逆らえる人間は誰も居ませんでしたわ。
それは財閥の令嬢だからです。
強いと言われた不良も30人からのヤクザ顔負けのボディーガードの前には屈しましたわ。
指の三本も斬り落としたら泣くんですから本当に情けないですわ。
そんな訳で私に恐れる者なんて居ません。
残酷?!だって、殆どの人間が虫けらにしか見えませんから仕方ないのですわ。
その日は何時もの様に私は『転校ゲーム』を楽しんでいましたの。
何時もと違うのは、理人様がその日は来ましたのよ。
「いい加減虐めはやめようよ」ですって…
私こういう偽善者が当時凄く嫌いでしたわ。
「あらっ、貴方がだったら代わりになれば? そうしたら止めてあげるわ」
だから、少し意地悪くそう言いましたの。
これで普通の偽善者は諦めますが…理人様は偽善者では無いので諦めませんでしたわ。
「だったら俺が身代わりになるよ」
そう言い切りました。
『面白い、どの位耐えられるのかしら』
そう思った私は、その日から理人様に対してこれでもかという虐めを行いましたの。
教科書や物は取り上げ焼却炉に捨てて燃やし、机も席も無くしましたの。
こういう時に『教師もグル』って本当に楽ですよ!
校長迄グルならもう何をしても無駄ですわ。
それでも、理人様は凄い事に屈しませんでしたわ。
暴走族風に変装したボディガードに攫わせて袋叩きにさせても、暴力団の事務所を真似た事務所に連れ去ってヤクザに変装させたボディーガードに恫喝させても理人様は必ず学校に来ます。
心の中で『凄い』と思い出したのはこの時からかも知れませんわ。
この辺りからもしかしたら私は理人様に興味を持ってしまったのかも知れませんわ。
だって『どうしたら理人様が泣き喚くか』その事しか、私の頭にはないのですから。
◆◆◆
ある日の事...うかつにも私は誘拐されてしまいましたわ。
今現在閉じ込められて自分が何処にいるか解りませんわ。
まぁお父様は敵が多いから仕方ない事ですわね。
どうせ身代金目当てでしょうから、直ぐに解放される筈ですわ。
こう言う経験は前にもありましたわ。
ですがこの時は違っていました。
「そんな目で俺をみてよ、金欲しさにこんな事している!そう思っているかも知れないが、俺は違う!俺はよう、お前の親父に全てを奪われたんだ!だからお金目当てじゃないんだ!お前を殺したらお前の親父は泣くだろう?それが目当てだから、お前が助かる事はねーぞ」
生まれて初めて私は恐怖しましたわ。
誘拐は今回で3回目ですが、今迄はお金目当てでしたから、『お金』ですんだのですわ。
ですが、今回は違います。
この理由なら私を『殺さない』その選択はありませんわ。
生まれて初めて身の危険を感じましたわ。
「た、助けて…」
「馬鹿か、助ける訳ないだろうが…」
「きゃぁぁぁぁー――嫌ぁぁぁぁー-殺さないでよ」
怖くて生まれて初めて泣き喚きましたわ。
ですがそんな事で助かる訳はありませんわ。
『もう人生が終わった』そう思った時、理人様が現れましたのよ。
「助けるよ」
間違いなくそう言いましたわ。
ですが…こんな所にいる訳がありませんわ。
それに嘘ですわ。私が死ねば理人様への虐めは終わり…それなのに助けるなんてするわけがありませんわ。
しかも理人様って本当に馬鹿ですのよ。
警察も呼ばないで飛び込んできまして、いきなり棒切れで犯人を殴りましたの。
そして、そのまま私の手を引いて逃げ出しましたわ。
子供が殴った位じゃ大人は伸びたりしませんわ。
凄い形相で怒った犯人が追いかけてきますわ。
「誰かーーっだれか助けてーーっ」
「誰か」
二人して大声を出しながら犯人から逃げていましたわ。
閉じ込められていた場所は倉庫でしたわ。
運よく近くを警備員が通りかかったのですが、場所が袋小路で前には誘拐犯が手にはナイフを持っていましたわ。しかも警備員はまだ私達に気が付いていません。
「僕に任せて」
そう言うと理人様は犯人に突進していきます。
「早く、逃げて…うわぁぁぁぁぁー―――っ」
「ああっああーーー助けてーーっ助けてよー――っ」
無き叫ぶような声に警備員が気がついて…
その結果、理人様のお陰で私は無事警備員に保護されましたの。
そして犯人は別の警備員に捕まったのですが…その時に私が見たのは血だらけの理人様でしたわ。
多分、私を助けるために突進した時に…刺されたのですわ。
「いやぁぁぁぁーーーーっ!助けて!理人を助けてーーっ神様ぁぁぁぁー-っ」
泣いて理人様に抱きつきました。
すぐに救急車が来て病院に連れて行かれましたわ。
理人様から離れない私も一緒に…
私が最後に理人様にあったのは病院で酸素マスクをして死んだように寝ている理人様でした。
家に帰った私は顔が変わる位迄お父様にビンタされました。
怒られたのも叩かれたのも生まれて初めての事でしたが…今の私の中にはもう理人様の事しかありませんから気になりませんでしたわね。
「ああっまた神代家に恩が増えてしまった、よりによって神代家の子供を虐めていたなんて」
今迄何をしても怒らなかったお父様、恐らくは人を殺しても、もみ消してくれるお父様。
そのお父様が私に手を挙げるなんて…そう思いどうしてか、聞いてみましたら、理人様の一族には大きな恩があるのだそうです。
しかも理人様の神社の氏子にもなっているらしいのです。
幾らお願いしてもこの学校に残る事は許されず…私は転校させられて理人様にはもう二度と会わせて貰えませんでしたわ。
そこから私は狂ってしまったのかも知れません。
『理人様が欲しくて仕方ありません』
直接会えないから探偵を雇って調べさせ理人様を盗撮して貰いましたわ。
理人様が吐き出したガムや理人様の捨てた衣類も回収して貰い、私の理人様コレクションはどんどん増えていきましたわ。
近づく女は全員、ボディーガードに脅して貰いましたわ。
特注で1年ごとに理人様の等身大人形も作って貰いましたの。
その様子を見ていたお父様が…このままだと私が狂ってしまうと思ったようですわね。
理人様に手出ししない様に釘を刺されましたが…理人様と同じ高校にどうにか、入れてくれましたわ。
こうして私と理人様の運命が再び動き出したのです。
そして異世界にまで一緒にきました。
これは運命ですわね….
さぁどうやって理人様と仲良くなろうかしら?
此処にはお父様もいないし…何でも出来ますよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます