すきののろい

西田かつき

オープニング

人を好きになってはいけない。

 そんな呪いを私は背負っている。

こんな風に言ってしまえば、まるで私になにか不幸が訪れるようだが実際は違う。

 私が好きになった人に不幸が訪れるのだ。

 私は被害者ではなく、加害者なのだ。

 私のせいで誰かが不幸になる。私が誰かを不幸にする。

 好きという気持ちは自分で制御することは難しい。

 だから私は誰とも関わらない。

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