罰
少年が目を覚ます。キョトンとした顔で俺のことを見ていた。わけがわからないのだろう。不安に決まっている。
俺はこんなことに巻き込んでしまったことを「すまない」と彼に謝った。
〔 女神ノルンの世界へ行く権利は、現在ヨージ貴方だけです。また、
でもこの子をここに置いていくわけにいかないだろ。
〔 それは女神ノルンに、この対象者の召喚を具申ください。何よりとにかく早く!〕
この子の召喚をノルンに頼むって、どうすりゃいいんだ?
よく見ると、少年はエプロン姿でボウルと泡立て器を持っていた。ちょうど俺が事故に遭った時間帯に近くで菓子を作っていたのかもしれない。
じゃあ、ノルンに助手がほしいってお願いする形にするか。
「君に『
でも今回の件、全部ノルンに伝えたら絶対怒られるやつだよな……。
「こちらの世界に着いてしまったら、私はほとんど君の力になれない。そして、向こうで会っても私は君のことを知らないフリをするだろう」
ちょっと意味深すぎるかも……。
〔 ヨージ、本当にもう時間がありません!!〕
え! あ!
焦った
「でも、どうか忘れないで欲しい。全ては君の中にあるということを」
俺は最後にそう尻切れトンボに叫んだ。
間一髪間に合ったのか、俺は白く光る道を進む。
前回、下に落下したと思ったのは、どうやら俺が上下と縦横の認識を逆にしていたからのようだ。落ちる方を進む側だと認識したら普通に歩けるようになった。
それにしてもこの身体、なんの動物なんだろう。
あと燕尾服みたいなの着ているし。小さくなった手で頭を撫でると、異様に長いものが二本ついている。
なんだこれ。んんん?
もしかして、ウサギか?
宇佐木洋司くん、転生したらウサギになっちゃいました!
孫がよく見ているアニメみたいな状況だな。まぁいいか。ノルンにお願いして直してもらおう。
〔 …… 〕
〔 『
〔 女神ノルン『
――ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!
――ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!
突然、けたたましいサイレンの音が空間に鳴り響いた。それと同時に白い世界が漆黒の世界へと変わる。
おい、
〔 ……見つかってし……ブツッ…… 〕
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
上空から俺を囲むように赤い光の槍が何本も落ちてくる。あっという間に、赤い槍の檻で俺は閉じ込められてしまった。
≪逃亡中の被疑者を逮捕≫
≪貴方には、多世界秩序を乱した罪で逮捕状がでています≫
≪当該犯罪行為による甚大な秩序侵害の違法性、緊急性を鑑み迅速審理にて裁判を開始≫
≪威力秩序妨害罪:有罪≫
≪第一級ギフトデータ変造罪:有罪≫
≪第一級ギフト不正使用罪:有罪≫
≪第一級ギフト損壊罪:有罪≫
≪ギフト不正作出罪:有罪≫
≪不正指令ギフト供用罪:有罪≫
ズラズラとそのあとも「有罪」「有罪」と宣言されていく。
おい、
いくら呼んでも
≪転生ギフト『
せめて、ノルンと話をさせてくれ!!
≪被告人:宇佐木洋司≫
≪判決:多世界秩序を乱した罪で、被告人を存在記録抹消刑に処す≫
――――――……。
――――……。
――― 俺は(私は) 一 体 誰 だ ?
「なんじゃ、ギフトが壊れておるではないか、可哀想に。なにがあったのじゃ」
頭を撫でられる。気持ちいい。
「フフッ……ヨージの代わりに可愛いのが来てしまったの。全くあやつはどこにおるのじゃ」
もっと撫でてほしい。頭を彼女に擦りつける。
「まずは、ギフトを直そう。ギフトは『
わたし は あなた に いっしょうの ちゅうせい を ちかい ます
しつじ の ウサギ です
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