ライアー×アライアンス
KaoLi
第1話
夢を見ていた。
多分、小学生くらいの記憶だ。
この頃は毎年、夏休みに家族で地元の動物園に遊びに行っていた。この夢の日も、動物園に遊びに行っていた日だった。
『待ってよ』と何度お願いしても俺の意思なんて無視して羽衣は手を引いていく。羽衣の手は大きくて頼もしくて、俺にとっては自慢の『お姉ちゃん』だった。
『早く早く!』って、太陽みたいに笑う羽衣の姿は、あの頃の俺には眩し過ぎた。
あの頃から彼女は、本当に心から笑うことが大好きな可愛い女の子だった。
笑う羽衣が好きだった。
俺が父さんから借りたカメラを向けると笑ってくれる羽衣が好きだった。
仲の良い姉弟だったと思う。
いつからだろう。そんな羽衣のことが嫌いになったのは。
そうだ、あれは。
羽衣が……中学生のときだったと思う。
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