萬屋やんごとなき 請負サービス
退助と五右衛門
プロローグ
世の中、科学でも医学でもはたまた警察でも有名なお寺の住職でも、神様のおわす神社の宮司でも、そして一般的には名探偵でも霊感者でも占い師でも、バンザイしたくなるほどのお手上げな事案。ぶっちゃけどこに頼っても解決しない恐ろしい事件、事象、祟り、呪や呪詛というものは確実に存在する。
そのほとんどは自業自得である場合が多い。
皆様はご存じだろうか? 悪霊も怨霊も貴人も、そして本人は無自覚であろうが故意で飛ばしている生き霊も人間の醜い心が生み出していることを。
昔の人々はよくこう言った。
「人を殺すのに刃物はいらない」と。それは悪意を持って相手にぶつけた言葉である。そのため誰かが言った「言霊」に気をつけろと。
悪い言霊は人の心をグサリグサリと傷つけ、その者の心は血を流し、いずれそれは恨みと変わる。恨みと変わった言霊は、いずれ放った者に跳ね返り、自身にそのまま帰ってくる。
「人を呪わば穴二つ」という名台詞があるが、呪った者には必ずその呪いが返ってくると言う事を忘れてはならない……。
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