第12話
今話の注目ポイント
『主人公の一人称』
いろいろと急な展開になりますが、すみません(´∀`)
――――――――――――
車の中からは外が見えないが、車が止まったということはわかった。
「着きましたので降りて下さい」
そう言われた俺はドアへと手を伸ばし、開く
そこには、一面真っ赤に染まっており、全体が華麗に揺らいでいる。
足元に目を向けると、赤くゆらめくものの正体がわかった。
「これ…は……」
「えぇ彼岸花…別名、火焔草です」
「
声をかけられた瞬間に俺は気付いてしまった。それは俺が……泣いていることに
「
「なつ……き…」
「……………」
「実は俺は昔から身体が弱く、友達と遊ぶことが出来ませんでした。いつも1人っきりで頑張って野原まで行き、景色を眺めていました」
「ですがある日突然元気になったんです。走って野原に行くことが初めて出来ました」
「………」
「不思議と僕と家族は誰もそれを不自然に思いませんでした。家族は身体が治ったねと言ってくれ、僕もそれを信じ、これからたくさんの友達と遊ぼうと努力しました」
「しかし、僕の周りの人は、突然現れた僕をどう関わって良いかわからないのか、よそよそしい態度と目で、決して僕と遊ぶことはありませんでした」
「でも今のあなたはたくさんの人と仲良くしているではありませんか!」
「それは、夏希のおかげです。夏希だけは僕を『知らない奴』というのではなく、『友達』という目で僕を見てくれたんです」
「それから夏希とはさまざまなことをし、時に笑い、時に泣く。そういうことを繰り返していました」
「お嬢…が……なことを」
風が強く吹き、赤くゆらめく中に執事の声はかき消される
「そしていつの日か僕たちは夢を語り合ったんです」
「……」
「想いが止められそうにないと感じた僕は、次の日にある決心をしました」
「次の日、夏希は僕のもとへ来ませんでした。でも一輪だけ置いてあったんです。赤く細い花、火焔草が……」
「…」
「おっと、話が長くなりました。この光景をみたら少し昔を思い出しちゃって。すみません、俺の話に付き合わせちゃって」
「
「はい……」
「いつか必ずここにまた来てください。お嬢様が待っていますから」
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