第60話 心と身体が違う時

Y君と一緒に登校していたら、後ろから大きな泣き声が聞こえてきた。2年生の女の子だ。「学校行きたくな~い」「お家に帰りた~い」と言いながら、涙を流していたけれど、足は、しっかりとした歩調で学校に向かっていた。一見、「嘘泣きなか?」と思ってしまう程。

「泣いているのを頻繁に見かける」子ではない。“たまたま、今日だけ”と言う感じだ。夏休み明けで、運動会の練習もあるし、疲れている子も沢山いるんだろうな。

心が「行きたくない」と思っていても、習慣や真面目さで、身体が学校に向かっていると言う感じで、なんともアンバランスな気配だった。こういう事が積み重なると、心の病気になってしまうのかなあ~と思った。(2023.09)

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