第58話 居場所のない子

夏休み中、子供達の学習ルームのボランティアに参加した。

10時から3時まで、冷房が効いた部屋で宿題をして、終わったら、帰宅しても良いし、置いてあるゲーム類で遊んだり、他の人に迷惑がかからない範囲で自由に過ごすと言うスタイル。小学生から、高校生まで、幅広い年齢の子が利用してくれた。

フードバンクや、企業の方々からの、パンや飲み物の差し入れもあり、高校生・大学生のボランティアもお手伝いに来てくれて、和気藹々とした楽しい時間を過ごせた。

基本、「誰でも参加してね」と言う趣旨なんだけど、本音のターゲットは、貧困家庭・ネグレクト家庭の子・ヤングケアラー・不登校の子など。

夏休み前から、スタッフが集まって、何度か打ち合わせをした。どんな風に広めたら良いのか?本音のターゲットの子達に利用してもらえる様にするには?など。

実際、そういう対象のお子さんが、身近にはいなかったので、「そんなにいるのかなあ…」と思っていたけれど、いました。一見、解らないだけで、いろんな家庭のお子さんがいるんだなあと思った。

「居場所がない子」と言う言い方は、とても淋しい言葉だけど、新聞やテレビの中だけの話しではなく、すぐ近くに実在する事を知った夏休みだった。

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