第50話  終業式と離任式

 終業式の朝。いつも通り、子供達が元気に登校していく。「あゆみ、楽しみだね」と言うと、苦い顔をする子、自信満々に頷く子、キョトンとする子、いろいろだ。

 概ね、子供達の登校が終わったので、学校の正門付近まで行くと、先日卒業したばかりの女の子が2人、手紙を持って立っていた。そうか、今日は、離任式もあるんだ。お世話になった先生に、手紙を書いたので、渡そうと思って来たそうだ。手には、薄紫のマニキュアを塗っていて、片手にはスマホを持っていた。2週間前には、ランドセルを背負っていた子達が、一瞬で、こんなに大人っぽくなってしまうんだなあ。

 丁度、先生が現れて、女の子達は手紙を渡していた。先生、とっても感激されていて「絶対に、お返事を書いて、何とか手段を考えてお渡しするからね」とおっしゃっていた。

 私が子供の頃は、住所、電話番号、父親の職業、役職まで記載された学校名簿があったけれど、今は、個人情報保護の時代だ。先生でも、簡単に住所を調べて手紙を出せないんだろうな。

 朝から、ほっこりするシーンを見せてもらいました。

 

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