光合成仮面
しけたら海
第一話 光合成人間
校庭に女子たちの悲鳴が
女子たちだけではない。男子や担任の先生までもが悲鳴を上げた。この
「教頭先生! 校庭が大変です!」
「そんなことはわかっている! 何ごとか説明したまえ!」
「光合成人間です! 光合成人間が、ついに、我が校の校庭に現れてしまったのです!」
「な、なんだって?」
教頭先生が窓に
「大変だ……」
そこに
「何ごとですか!
「あそこです! 窓際にいます!」
教頭先生はすっかり
「大変です校長先生、ついに……、ついに我が校にも現れてしまいました……」
「何をもったいぶったいい方をしているのですか! だからあなたは
「光合成人間です! ネバーウェアです!」
「ネバーウェアですって? 教職員たる者が『ネバーウェア』などとネットスラングを使うことは許しません!」
校長先生は教頭先生を厳しく
「た、たいへん……」
「校長先生、どうしましょう……」
「何をもたもたしているのですか! 生徒の安全が第一です! まずは生徒を
校庭では五年生のクラスが体育をしているところだった。担任の先生が子どもたちを校舎へ
「警察と
「パンツすらはいていないとは見事な
「今のところ暴れる様子はないが、能力によってはかなり危険だぞ、この日差しは。何か
校庭のバックネットはコンクリートの柱に固定されているものの、ネットの最上部に二本足で直立することなど、アスレチックの得意な児童でも
「こいつはかなりキテるな」
「ワープか! いや
「ここでテイクオフするか?」
遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。ちょうどその時である。一人の女性が大声を上げて校庭に
「
「バカヤロウ!
明智光成はそう心の中で
「きゃあー!」
先生はあまりの出来事に
「お前、アケチくんっていった? ねえ、アケチくんって
光合成人間は先生に顔を近づけてこういった。
「お前、教え子が心配で出てきたのか? そうなのか?」
目をまん丸に開け、まったくまばたきしなかった。
「まずい!」
校舎から
「マジ?
子どもたちは興奮していた。子どもたちから「ウ○コ」と呼ばれた男は、正式名を「
子どもたちが「UOKw」を「
これを受けて政府内でも「w」を小文字にしたことは失敗だったのではないかという意見が出てきていた。「w」を小文字にした
子どもたちの
「もう
「生徒が……、生徒が一人見当たらないんです」
「わかりました――」
まるでオリンピックの試合のような
校舎から悲鳴が上がった。それをあざ笑うかのように光合成人間はブリッジの姿勢のまま体をふるわせた。
ブリッジの姿勢のまま上半身をゆっくり起こすと、口が大きく開かれていた。心なしか口元に火花が散っているように見える。
「光合成プラズマか! ヤツはやはり『能力持ち』だ! これはマズいぞ!」
光合成人間の口から
「やられたか!」
いや、やられていない!
「光合成シールドか! この隊員も『能力持ち』だったのか! とはいえ、あの隊員は
光合成人間は息を大きく
「マズい!」
さらに一発が、
「光合成ブレード!」
細身の隊員だった。
「ゴウ! 光合成プラズマは私にまかせろ! お前はヤツをつかまえてくれ!」
「わかった! サクラ! まかせたぞ!」
「サクラ」と呼ばれた隊員は、
子どもたちの
「くそ!
ゴウはバックネットの柱に飛び乗ってあたりを
校舎から
「もう
「ありがとうございます。私は大丈夫です。
先生は立ち上がると大声を張り上げた。
「明智くーん! どこにいるの! いたら返事して!」
「
教頭先生が校舎から
「いやあ、あぶなかったですね~。校舎の方も一発だけ理科室にくらって窓ガラスが割れましたが、理科室には
「私は大丈夫です。校舎のみんなも無事でよかった! ただ、生徒が一人いないんです!」
「なんですって!」
「そろそろ出ていかないとマズいか」
そういって、先生たちに向かって走り出した。
「センセー! ごめーん!
「明智くん! そこにいたの! 大丈夫?
「
「みんな校舎に
「ううん、聞こえてたよ。でも、
これを聞いて
「そうだよね……、ごめんね、明智くん、怖い思いさせちゃって! ごめんね!」
先生は泣き出してしまった。辺りでは子どもたちの
担任の先生にこれだけ心配をかけた
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