私/俺の兄/妹は血濡れたライバル。

詞音

第1話兄妹は殺しのライバル


「ねぇ、死んでよ?お兄ちゃん。」

『死ねよ?詩音。』

2つの声がとある廃墟に響き渡る。

今日もまたお互いが本気を出さない、死ねない殺し合いが始まる_。

「弱いよお兄ちゃん!もっと本気で来てよ!!」

ロングヘアーの小柄で小学生ぐらいのとても可愛らしい女の子が頬に血をつけたまま言う。

『弱い?詩音相手だから虫潰すくらいに手加減してやってるんだ。』

ボサボサの髪で背が高く中学生ぐらいの顔が整っている男の子が服に血をつけたまま笑う。

ー二人は、兄妹でありライバルだ。ー

だからこうして廃墟でお互い死ねない殺し合い…殺しごっことでも言うとするか。

その殺しごっこをしている。

スッと妹のほうが兄に近づき

「獲った。」

そういって、夕日をバックに拳銃を構える。

兄はやられたーと少しだけ悔しそうに言った。

『にしても、強くなったよな詩音』

「えへへ、でっしょー!お兄ちゃんのお陰だよ」

嬉しそうに女の子が言う。

ー雪花詩音、小学4年生。“とある事件”から兄と一緒に殺しを始めた。

『そんなことねぇよ。詩音の力だ。』

詩音の頭を撫でながら男の子が照れ臭そうに笑う。

ー雪花比、中3年生。“とある事件”から詩音と一緒に殺しを始めた。

二人は空を見上げ、

『そろそろ二人で』

「おっ!狩り行く?」

そういうとハイタッチをして

銃やナイフを持って廃墟を出た。

ここからの二人は本気で誰かを〝狩る〟。

雪花兄妹になる。

雪の花の兄妹。

「ねぇ、知ってる?」

『雪の花、SnowDropの花言葉。』

それはね…

『「あなたの死を望みます。」』

「だからあなたは詩音しね。」

『だから俺はころす。』

「『それが私たちは/俺らの花言葉だから。』」

血が飛び散る。

たった二人の子供に倒されてゆく大人たち。

「あはははははは!!!」

狂ったように笑う詩音。

『比す比す比す比す!!』

呪われたように人を刺す比。

それでも二人はお互いのことは殺したりない。

それが約束だから。

そして殺し続ける。

それが使命だから。

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私/俺の兄/妹は血濡れたライバル。 詞音 @sonnyukibana

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