革命戦記

あるご

第0話 プロローグ

この世界は残酷だ.....


江戸時代…鎖国体制にあった当時の日本は、自国で採掘される日緋合金ヒヒイロカネを駆使することで圧倒的な軍事力を手に入れた。


そして、その圧倒的な軍事力で、他国を払い除け、開国することなく四百年以上が経った。


独自に発展していった日本の文化は、江戸時代とあまり変わらず戦闘も刀を用いたものが主流であり、密かに他国から流れてきた火縄銃などは、国内で存在するものの、あまり知られていない。


法律や建築法も江戸時代と大差がなく、より精錬されたものとなっている。


一般的にはあまり知られていないが、世界で5番目に国土が広く、資源も豊かな素晴らしい国だった。


しかし、長い間政治体制が変わらない結果、実力至上主義な社会となり、政府は腐り果て、貧富の差が広がり、国は荒れ果てた。


弱き者は生き方も死に方も選ぶことができず、ただ強者に蹂躙されるしかない。


今までにも何度か戦いはあったが、政府への不満が溜まりに溜まった国民たちは、ついに堪忍袋の尾が切れ、今から数年前に過去に類を見ない大きな内戦が勃発した。


最初は各地で重要役職人が暗殺され、それに触発されるように各地で反乱が起きた。


これ以上の国民による反乱を恐れた政府は、大量の資金を注ぎ込み、鎖国中にも密かに交流を続けていた帝国や合衆国に援助を求めた。


そして見せしめに反乱を起こした村や町の人間を大量に虐殺した。


これで反乱を起こす者も現れなくなると思った政府だが、それが仇となり、さらに政府への恨みを持つ者が増え、ついに手がつけられなくなった政府は、各地の拠点を放棄して東京に戦力を固めた。


バラバラに反乱を起こしていた国民達も一つになり、打倒政府を掲げ、ついには戦争へと発展した。


数では反乱軍の方が圧倒的に有利ではあったものの、外国の最新の兵器を前に成す術なく反乱軍の兵士たちは倒れていった。


開戦からわずか半年ほどで、反乱軍は半分の数を減らし、士気も無いに等しくなっていた。


そんな絶望の淵にあった反乱軍に、一筋の光が差すこととなる。


幼い子供の集団でありながら、恐ろしく強かった。


彼らは最初こそ少数部隊だったが、次第に人が集まり、千を超える人が集まる大規模な部隊へとなり、関東の各地で政府の軍を討ち破り、奴隷解放も行った。


反乱軍の中で彼らは英雄視され、いつしか[革命軍]と呼ばれるようになった。


8歳という若さで革命軍を率いて政府に立ち向かった者の名は…



工藤奏くどう かなで



この物語は、彼とその仲間たちの過去と現在で繰り広げられる様々な戦い。そして出会いと別れを描いた物語である。

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