スターダスト〜星が降らない街〜

興梠司

第1話 星の降らない街

私は星を見たことがなかった、この街には星が降らない。勇者が亡くなって悪魔が星を奪っていった。その後勇者が何人も悪魔から星を取り戻そうと悪魔に立ち向かうが

悪魔に勝てる勇者は50年たっても現れることがなかった。この国には勇者は多数いるが全員口ばかりで言うなら雑魚しかいない。私はその中でも一番強い勇者を知っているが、その勇者が冒険に出ることは二度と無いことも私は知っている。


三年前、勇者は仲間を引き連れて冒険に出ていたが一人の仲間が悪魔に食べられてしまった。そこから勇者たちは解散をし、冒険に出るのを辞めた。周りの冒険者は勇者たちのことを負け犬と罵った、仲間が食べられてのこのことよく街に帰ってこれたなと罵った者もいたが、誰も助けに行こうとはしなかった。この勇者たちが敵わない悪魔が俺たちがかなう訳がないと怯えて冒険にも出れなかった。勇者が負けるということはこの国の冒険者が全員敗北したことになる、勇者を目指す子供もいなくなり、なりたくない職業1位をここ10年キープしている。私は勇者と結婚すはずだったが父親に「あんなへっぴり腰と結婚するな」と言われ結婚もなくなった。勇者には早く立ち直って星を取り戻してもらいたいと思ったが勇者にはそんな気はないと私は理解している。星を取り戻したところで仲間はもう戻ってこない、それが勇者ん一番の悩みだったと思う。


勇者はその頃テレビのワイドショーを見ていた、誰にも邪魔をされない場所で三年間閉じこもっていた。「おい、バレージいつまでここに閉じこもってるんだ」と誰かがいう、ワイドショーを見てるのに邪魔をするなと思いながらワイドショーを見ているとテレビの電源を切られ「何をするんだ」と声が聞こえてくる方を見たらスタッドが立っていた。「なんでお前がここにいる。。」と勇者は化け物をみるみたいな目でスタッドを見た。スタッドは三年前悪魔に喰われた張本人でここにいるはずがないと勇者は思っていた、悪魔がスタッドになりきってここまでやって来たと思い近くにあった剣でスタッドを切ろうとすると「おいおい、待て待て、俺は悪魔じゃないぞ」という。勇者の頭の中では悪魔にしか見えなかった。「俺は確かに悪魔に食べれたが悪魔の胃の中で魔法陣をかいて悪魔倒したんだ」と言う、スタッドならありえる話だったが何故三年も姿を見せなかったのかが気になる。

「それよりここから出て話さないか?ここは酸素が薄くて俺には耐えられない、ここで三年も生活できるなんてお前くらいなんだよ」


「あと一日待ってくれないか?後一日でちょうど三年がたつ、俺はそれで最強の勇者になる」


「わかったよ、他の仲間の所にも挨拶してくるよ」といってスタッドは勇者がいる部屋から出ていった。 バレージはけして三年間さぼっていた訳ではない。精神の部屋という選ばれた者しか入れない部屋で修行をしていた。三年後仲間を食べた悪魔を倒しに行くために修行をしていた。他の仲間も修行をして三年が経つ明日に集まり悪魔倒しに出る予定だったがスタッドが戻ってきた、明日バレージ達は三年ぶりに再会する、バレージ達は三年前より強くなっていると確信している、バレージはワイドショーを見終わり剣を振り回し始めた、この部屋はこの街では修行の部屋と言われていて一日いるだけで二年分の練習量と言われている、そのなかでワイドショーを見ながら寝転んでいた、バレージはどれだけ強いのかがわかる。


翌日バレージは剣を持って街へ出た、街に出るのなんて三年ぶりだ、クリームパンを人数分買って待ち合わせの時計台へ向かった。街では勇者が戻ってきたと大騒ぎになっている。時計台に着くとスタッドが来ていた。

「一番乗りは勇者様か」


「茶化すな、他のやつらは来てないのか?と言うと上を見ろというので上を見ると

チルとサマーが顔を出した。「そんな所にいないで降りてこい」とバレージが言った。慌てて二人は降りてくる、このグループにおいてバレージの言葉は絶対なのだ。

「久しぶりにあってうれしいでござる」とサマーがいうと「ほんとにゃ」とチルが便乗する、この二人は語尾にござるとにゃがつく、時々うざったいときもあるが久しぶりに聞いた、バレージは笑顔になった。

「よし、これから星を奪った悪魔を倒しに行くぞ」と言い歩きだすと

「さ、さいしょに、たたたおさ、れるのはお、まえ、たちだ」と言う声がスタッドから聞こえた。

「お、おれは、お、ま、えちをた、お、す為にやって来た」といってサマーの肩をかもうとするがチルの魔法でスタッドは近づけない、バリアが聞いているうちにサマーが札に何かを書き始める、この札を貼れば悪魔に侵食された者を人間に戻す事ができる、その札をスタッドに貼り付けるとスタッドはその場に倒れてしまい、悪魔が遠のいていくのが目でも確認出来た。バレージは少し遠い所でスタッドが起き上がるのを待った。

「俺はまだ完全じゃなかった、わりぃと謝るスタッド「この札を貼っておけばもう大丈夫だよ」と札がはってある背中を叩いた。

「よし、これから本当に旅にでかけるぞ、目指すは銀河タワーだ」

三人も同時で頷いた、この国の星は銀河タワーが管理していた、悪魔は星を一つ食べると強くなるという神話があり今でも悪魔は星を食べ続けてるんではないだろうかと言われている。バレージ達が街に出ると街の人達が歓声をあげた。一番強いと言われていた勇者の復活にみな歓喜した。バレージ達は一旦隣町を目指した。

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