第45話 アルテミスの正体と世界の真実

 アルテミスは悪戯を思いついた顔になって…

「全てを話すと長くなるから…圧縮したデータをあなた達に渡すわ」

 そういうとアルテミスは3つの光の玉を掌から出すといつの間にか俺達の額に入っていく!


「「「へ?」」」

 俺達3人は一瞬で全てを知る…


 この世界は一度…滅んでる

 魔神と天界の神々が戦って両方とも滅んだ…

 この2つの勢力の戦いはこの物質世界にも影響を与えて全ての世界が滅んでしまった…天界を除いて…


 天界に残された天使達が神の意志を継ぎ、新たな次元や世界を創り出す…アルテミスと名乗った神は元天使で2代目アルテミスと名乗っている。

 そして2度と魔神を誕生させない為、あらゆる措置を行い魔神の誕生の秘密を探った結果、魔神の元は魔王だと…


 その為、新たに誕生した世界では魔族を根絶やしにしたが、しかし新たな問題も発生する。


 魔族のいない世界では人間の中から魔王が誕生する事が判明する。

 人間のいない世界ではそれに変わる種族が魔王になる存在が現れる。


 その為、魔族を根絶やしにするのでは無く地上に進出させない事が大事な事だと判明する。


 しかし新たに誕生する世界は加速度的に増えていて広大な多次元世界の全てを対応するには天界の力だけでは足りない。


 各、多次元世界に存在する巫女や聖人等の神に仕える存在へ神託を送り、または祈りを感知し、助けを求める世界へ勇者や神の代行者を派遣して魔王勢力を抑える。それが勇者召喚システムとして機能する事で世界の安定を収めてる。


 ちなみに神の神殿は接触した世界の各惑星に存在していて、地上を支配した魔族が発展して宇宙に進出することで侵略してくる勢力から守る迎撃システムとして機能している。


 宇宙へ進出した魔族は宇宙魔族と呼称され各惑星を支配したり滅ぼしたりと、そこから更に宇宙魔王となる存在が現れる事を阻止する為に、天界と神の代行者が存在している世界…


「そんなことが…まるでそれじゃあ漫画のドラゴンオーブに出てくる宇宙の帝王フリーズとか魔人ブオじゃ無いか!?」

 創作と思っていたのはもしかして幾つもの世界で実際に起こった事を描いていたのか?


「多分、例え世界が滅んでも元々存在していた物質の中に残留してた物が宇宙を作り星を作り生き物を作る…そして自我のある生き物である人間種の遥か昔の記憶と共に蘇る事もないとは言えない…まあ全ての創作がその記憶とは限らないけどね~」

 アルテミスはそう語る。


「俺達の世界…星には魔王がいないけど人間の中から現れるんですか?」

 那岐が疑問を口にする。


「誕生するかもしれないし、誕生しないかもしれないわね…だけどこの宇宙の何処かには魔王が誕生してるのかもしれないわね。」

 アルテミスはそんな物騒な事を言う。


「今後はあなた達も天界の所属としてシン君の元に協力をお願いね〜勿論今のレベルだと足手纏いだからレベルを上げてね。

 神の神殿は元々そういう強者を強化する為の修行場みたいなところだから使用を許可します~天界も同様に訪問の際はシン君に連絡後に来る事を許可します…強くなりなさい…ではシン君、後の事は任せます。」

 そう言うとアルテミスは一瞬にして消え去った。


「さて…一応話は終わりだけど質問はありますか?」

 シンさんは嵐が去ったような何処か気が緩んでる感じに話し方が変わった…


「俺達、天界の所属って…」

「まあ今後に期待しますので強くなって下さい…だから基本的には自由にしてください。」

 どうやら特に干渉されない様だな…そうだ神の代行者なら…


「あと、すいません~俺のスキルでドラゴンオーブ、つまり願い事を1つ叶える事ができる物を作れるんですが…何処までの願い事が叶うか分らなくて悩んでます。」


「そうですね~かなりの制限もあると思いますが人間を生き返らせるぐらいは可能でしょうね…」

 見透かされてるな~流石、神の代行者…


「でも人が蘇るって果たしてそんな世界の根底が覆るような事を果たして…していいのか?俺如きが果たして問題ないのか?」


「蘇らせたくない…って訳ではなくそういう神の領域の奇跡をって事かな…それは神宮寺さんが決める事だし、その力を使ってもしかしたら不幸になるかもしれないが全て本人の決める事だから…」

「自分で決めろって事ですよね…」

「そうだね~むしろ羨ましいよ…」

「え?」


「自分にも生き返らせたい人がいる…だけど神宮寺さんのように簡単にはいかなくてね~少なくともそれが可能ならするべきだと思うよ」


「どなたか復活させたいんですか?」


「勿論、君のドラゴンオーブの力では不可能な復活だけどね…いまだに模索中だよ。」

 それってどんな…いやそれは聞かない方がいいか…


「分かりました…もう少し考えてみます」

「それが良い…」


 こうして天界での出来事は終わり家に戻ることに…

 今後はシンさんを通じて天界とも行き来できるようになる。


「では失礼します、シンさん」

「3人共、気を付けて…」


【転移】自宅(豆レプ)


 自宅に戻ると…

 まだ明るいと言うより…


「兄貴…まだ午前中だ」

「え?」

 ふと持ってたスマホを覗くも確かにいまだに午前中であった。


「確か天界って時間が進まないとか言ってたわね」

 冥耶は不思議そうに呟く。


「てか本当に天界行ったんだな…」

「夢じゃないよね?兄貴…」

「まあ同じ夢を見る訳ないからな…」


「リーダー…」

「ん?何?」

「華鈴達にはどう説明する?」

「そのまま話せば良いとは思うけど…」


 居間に入ると華鈴、杏、那美の3人が二日酔いでまだ調子の戻らない状態でぐったりしていた。

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