第38話 帰宅する仲間達

 俺達は秋葉原事務所の転移門へ姿を現わすと、那岐は事務所へ,俺は分身を解いて女性に【完全回復】をしてから那美に女性に付いてもらって事務員さんに説明。


 すぐに救急車を呼び搬送され、俺は遺品を提出した…


 どうやら5人のパーティーで俺達より朝早くに潜っていたらしい…


 その後、事務所にて事情聴取を行い、転移で帰路に着いた。





「おい〜2人とも…寝るなら部屋に戻れよ~」

 那美と那岐はテーブルに頭を載せてグロッキー状態で倒れている。


 戻ってきて炭酸飲料を飲んで座ってた2人は、まだコスプレが解除してない事に気がついたのでアンドロイドNo.17、18の変身を解いたのだが…


 瞬間、電池が切れた人形の様に倒れていた。

「兄貴〜か、身体が…動かな…いっす」

「アキ…身体…動かない…わ…どうして?」


 なるほど〜無限炉ユニットで魔力とスタミナが切れ無くても本体の身体はアンドロイドでは無いから解除すると疲れるのね…

 今日は本格的な戦闘を長時間、繰り返したからな~そういう意味では肉体的にも精神的に疲れたんだな…それが分かっただけでも良い収穫だったな


「お疲れさん」

【神水雲】

 疲労回復と精神力の若干の回復を使う。

 テーブルの2人にスキルをかけて白い靄みたいなものが覆うと多少回復したのか顔が起き上がった。


「お、動ける!」

 那岐は回復したのか身体を起こしたが那美だけ、まだ動けないでいた。


「那岐〜シャワーでも浴びてこい」

「ほ〜い」

 さっさと風呂場に向かう。


 さて夕飯の準備でもするかな…


 那美は多少回復したがそのまま眠ったのでシーツを肩からかけておく…


 キッチンに入って料理をしていると…


 ピンポーン!


 俺は火を止めて玄関に行くと…


 華鈴と冥耶の2人が荷物を持って帰ってきた。

「「ただいま!!」」

「おかえり2人とも〜まだ向こうにいると思ってたよ」

 ほぼ1週間振りかな?


「華鈴がストレスマッハ!なんで、すぐ迎えに来てって連絡が…」

「そうなのよ!」

 あ…話が長くなるな〜これは…


「話は後で聞くから、先に荷物を部屋に置いてくれば?」


「だね」「そうする」

 そう言って2人は荷物を持って2階の部屋へ向かう…


 …


 …


 …


「う…ん…あ~れ私、寝てたみたい」

 顔を上げるとアキ、那岐…あ~この前TV電話でお喋りした…


「那美ちゃん~よろしくね!改めて鈴見華鈴よ~よろしく」

「冥耶・ハミルトンよ~冥耶かメイって読んでね~」

「甲斐道那美です…ごめんなさい寝起きで…よろしく」

 涎が出てないか気になるのか弟にティッシュペーパーを所望する。


「那美、夕飯温めてくるな~俺達、先に食べたから」

「アキありがとう~」


 …


「そう言えば、アンドロイドNo.18と17の動画見たけど凄く良かった~輪郭や顔のパーツが姉弟って感じで、流石~本物、姉弟でのリアルコスプレだったわ!」

 華鈴は興奮気味に称賛する~それを聞いて照れる那美


「ありがとう~」

 那美と那岐は照れ捲くる~


「そう言えば秋葉原ダンジョン行ってきたのよね~いいな~私達も行きたい!リーダー、明日行かない?」

 華鈴は明日行く気、満々のようだ。


「あれ?なんか秋葉原ダンジョンでパーティー全滅したって探索者ネットで書いてあったわよ~何か知ってる?」

 スマホを見ながら冥耶は聞いてくる。


「それはな…説明すると長くなるけど…」

 俺は秋葉原ダンジョン5階での出来事を伝える。



「うわ~それは大変だったね…那美ちゃんは大丈夫なの?」

 華鈴も冥耶も明日は我が身とばかりにゾっとしてる…自分が、もしもと思ったらしい


「うん、大丈夫よ…どのみち色々やるにしてもお金が必要だし…今は探索者でお金を稼いで那岐と学校行こうか?とかも話し合ってるのよ」

「いや…俺は学校は別に…」

 那岐は高校には興味が無い様だ。


「え~行こうよ、那岐は高校生になって私は大検受けるから~」

 那美は本気のようだ。


「探索者は高校でもできるし、専門の高校の学校だってあるからな」

 俺は那岐にそう説明するが…


「いや…探索者として頑張るよ〜せっかく兄貴から借りてる力もあるし…」

 那岐の意志は固いようだった。


「まあ学校の勉強はいつか自分で習いたい時に習えばいいさ〜それを決めるのは自分だし…」


 ピロン!


 メールが届く…俺と華鈴、冥耶に…

 お互いにメールを開くと…

『斑鳩ダンジョン、明日より解禁!』


「どうやら斑鳩ダンジョン入れそうだな」

「どうするリーダー?」

 華鈴が聞いてくる。


「杏がまだ戻ってこないから12階層はどうかな?」

 杏とレプリックが戻ってから再開しようかと思ってたから…


 それに…


「明日は携帯ショップ行って那美達にスマホを用意したいし、探索者事務所で登録してないからステータス見れないしな」

「なら17、18貸して〜明日、冥耶と潜る!」

「那美達はそれでもいいか?」

「え!?貸し借りできるの?」

 那美達は不思議そうに聞いてくる。


「スマホのアプリでな…ステータス画面で弄られるよ〜2人ともいいか?」

 那美達はOKとの返事なので、華鈴と冥耶へ移す…


「じゃあ明日は特には予定無しで合流できれば…」

 4人はそれぞれ了承する


 こうして明日の予定が決まる。


 だけど夜遅くまで様々な話題で5人の夜は更けていく…




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