第28話 再会と出会い
数日が経つが未だにデウスの動きは分からないままだった。
俺はこの日は大学へ通学…
華鈴は親戚の法事で4日程、帰省
冥耶は実家で母親が交通事故で軽傷(デウスは関係無し)大事を取って実家に帰省
杏は同級生だった友人が結婚するとの事で東京へ、そのまま暫く滞在予定
レプリックは公安の菅生さんの手伝いで長期出張
珍しくバラバラな日程となって暫くダンジョンに潜るにしてもソロとなる。
授業も終わりサークル参加~久しぶりに先輩、同級生、後輩たちとオタトークを楽しむ時間である。
「そういえばデウスレイヤーズ・チャンネルのカリンちゃんとメイちゃん可愛いなあ~紹介してくれよ」
「合コンしようぜ!!」
「これをお二人に…詰まらないものですのでお気になさらずに~」
「今度、併せしようぜ!ダークロードとかどうだ?人間側で揃えようぜ」
…とまあ合コンはともかく併せに惹かれる俺であった。
さて1人で斑鳩、潜るかね~
何時もの様に転移門へ行き事務所へ申請してダンジョンへ…
「おい!ナギ遅せっぞ!!グズグズすんなよ~給料払わんぞ!!!」
「す、すいません!すぐ行きます」
え…
ナギ…
那岐?
那岐だって?!
振替えるとそこには転移門からパーティーが帰還したようで那岐と呼ばれた少年が大きいリュックを背負って足早に走って行くのが見えた。
俺は気になり休憩所(単なる喫煙所で屋根が申し訳程度に設置してある)で2階に上がったパーティーの様子を伺う。
30分後…
パーティーの面々が降りてきて、最後にさっきナギと呼ばれた少年が降りてきた。
確か最後に会ったのが俺が高校生でナギが中学生になる直前だったからもう3年前か?
俺は彼に近付くと
「
と聞くと…
俺の顔を驚いた顔で見る。
やはり那岐か?
「俺だよ〜神宮寺彰人だよ…那岐、久しぶりだな元気だったか?」
俺は彼に近付きながら声をかけると…
「アキ…神宮寺彰人さんですね…お久しぶりです」
軽くお辞儀しながら、まるで初対面の人に会う…何か拒絶と言うか壁を感じる言葉に俺は一瞬,戸惑う。
「え?!あ…あ、そうだよ彰人だよ.元気だったか?って言うかお前、今15歳で高校生のはずなのに何でダンジョンなんかにいるんだ?
そう言った瞬間
「あなたには関係ない事です…気安く姉さんの名前を言わないでくれませんか?」
ハッキリとした拒絶を喰らう
俺は顔が固まってしまいそれ以上何も言えなかった。
「では急いでますので失礼します」
そう言うと那岐は立ち去って行く…
暫し思考が停止していたが元に戻る頃には歩いて帰って行ってる姿が見える。
え?アイツ斑鳩ダンジョンまで歩いてきてるのか?
…とりあえず事務所に戻って那岐のステータスが記載されてるかを確認しようと2階に上がる。
2階事務所に入るとフリースペースにある端末で調べようと椅子に座ろうとしたら…
「あら?神宮寺さんダンジョンに潜ったんじゃなかっんですか?」
安藤さんが聞いてくる。
「あ、あ〜ちょっと気になる事があって戻ってきました、ははは」
慌てて取り繕う
「それはちょうど良かった~実はさっき入れ違いで神宮寺さんに会いたいって尋ねてきた方がいまして…会議室でお待ちしてますが…」
「へ?」
俺は間抜けな顔をして安藤さんを見る…少し思考が停止していたかもしれない
「…あ、勿論大丈夫です」
と返事を返す
「ではこちらはどうぞ〜神宮寺さんはお茶は何が好みでしたかしら?」
「コーヒーで」
「分かりました」
そして会議室に案内されて扉の前に立つとコンコンと叩くと…
「巻島様!神宮寺様がお見えになりました!」
「はい」
低い声が響く
「神宮寺さん!巻島様にはくれぐれも失礼の無いように…」
安藤さんが普段見せない顔で圧をかけてくる
「え?あ、はい」
まあ既に気配だけで凄い強さを感じる…10階層の階層ボスの強さより5倍?いや、もっと強いと感じる。
緊張が走るが…
「失礼します」
安藤さんが開けると
途端に更なる圧を感じて底が知れない相手と感じた。
「こちらが神宮寺さんです!神宮寺さん,こちらはS級探索者の巻島悠一郎様です…」
「初めまして巻島です!よろしく!」
凄いスピードで近付いて握手されていた?!
「ああ、すまんな〜つい興奮してな…はははは!」
直ぐに離れて謝罪する…
「いえ、初めまして神宮寺です」
巻島さんは椅子に座って自分も座ってくれと手で招く
俺は勧められるままに指示された椅子に座る。
「いや〜ダンジョン入ったばかりと聞いてね。出てくるまで待機させて貰おうかと…こんなに早く戻ってくれるとは想像できなかったよ」
「はい、ちょっと昔の知人に会ってそれでダンジョン入る前でしたから…」
その後、安藤さんはコーヒーを俺達に配るとお辞儀をして出て行く
「さて急に済まないな…今日しか予定が空いてないから単刀直入に聞くけど…デウスレイヤーズってネーミングは、当然デウスを知ってて名付けているんだろうね」
「…はい…そうですね…その通りです」
嘘を言っても始まらないし…この人に言っても無駄だろう
「それがどんな危険と分かっていてもか?」
巻島さんは真剣な顔で問うてくる。
「…」
「あの組織は危険だ…あんな挑発紛いの名前を付けるなんて自殺行為と同じだ!」
沈黙は肯定と見なしたか、話を続ける。
「…とまあ正論を並べたが、それでも引く気はないのだろうな?」
「はい」
俺もそれを肯定する。
「一度決めた事だろうしな…そこで俺が集めたデウスの情報が多少ある〜その情報を神宮寺くんに渡そうと思う」
?!
「…え?!何故?」
「勿論、俺も今、探しているんだデウスの残党をな…」
「?!残党ってどういう意味ですか?まるでデウスが壊滅してるような話みたいに聞こえるじゃないですか?」
「ああ…俺がデウスを壊滅させた」
デウスが壊滅した?
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