コスプレ×ダンジョン=キャラクタースキル?
奇行師(kikoumaster)
第1話 杏チャンネルでコスプレ居合い3連+…そして…
『さて〜こんにちは!
杏チャンネルをいつもご視聴していただきありがとうございます!
杏チャンネルの
さて今から予告通りに、コスプレイヤーによる居合い斬り3連をライブにて中継します!
今日はここ元剣術道場で、今は和風カフェや撮影スタジオとして利用できる和風カフェ薫の一角を提供していただきました。』
杏と名乗る人物が自らカメラを持ち撮影しているのは、藁を丸めた3つの巻き藁を
等間隔に立ててその側には青い髪でボサボサ、ロン毛に紺のシャツにカーキ色のジーンズを履き裸足で立つ男性が1人…
腰には日本刀を差し佇んでいる。
『さて今日この居合い3連に挑戦する方は…
まずはキャラ紹介です~人気ダークファンタジー小説でアニメにもなっている作品、ダークロードよりブライン・アーグウルスのコスプレにて、コスプレイヤー《カムイさん》が居合い3連を披露してくれます。
カムイさん…如何ですか?』
『はい!カムイです!!いつでも大丈夫です』
そう言うとカムイと名乗る青年は3つに並ぶ巻き藁の前に立つ。
『準備は良いですか?…ではカムイさんもとい!ブラインさんよろしくお願いします!!』
『行きます!』
そう言いつつ、やや前傾姿勢のまま左に差した腰の刀を左手で掴み、右手で柄の奥を掴む。鍔を親指で押すとカチリと音を立て鯉口を切る。
『…すう…ふう…すう…ふう…すう…ふう…』
3回程、息を整えてると空気が変わり動き出す…
シュリン!
音を立て日本刀の刃が一閃!
バサリッ!
巻き藁が切断されるが…
そのまま1本目を抜け摺足で進み、既に2つ目の巻き藁を上段に上げた刃を空いてる左手で柄を握り両手で袈裟斬りに振り下ろす!
バサリッ!!
2つ目の巻き藁も切断!!
更に摺足で抜けて…
3つ目の巻き藁を、下段に振り下ろした刃を逆袈裟斬りに振り上げる。
バサリッ!!!
3つ目切断!!!
バサリッ!!!!
…がまだ空中にある藁を袈裟斬りで四段目で斬って捨て駆け抜ける。
『…ふうう…』
刀の刃を鞘に戻すと、同時に藁がガサッと落ちる音が響かせながらカチャリと音を立てながら鞘に収めてようやく止めた息を吐き出した。
『はい!ブラインのコスプレによる居合い3連もとい4連斬りになってましたね…NG無しで失敗無しの成功と相成りました!!
カムイさんお疲れ様です!4連は狙ってましたか?』
『はい〜斬れそうだったのでもう一回斬ってしまいましたね…まあ何とか失敗せずに終われました!!ありがとうございました。』
『ではライブ中継はこれにて終わります〜早いうちに動画編集しますのでそれも楽しみにしててくださいね…カムイさん今日はありがとうございました~では視聴している皆さん、気に入ってくれたら方はチャンネル登録と高評価をよろしくお願いします~!
杏チャンネルの杏でした。』
ライブ中継していたカメラを切って終了…
「杏さんお疲れ!」
「ええ!カムイさんも乙っす〜見事でしたね、おまけの4連斬りは反響凄いかも!」
「どうですかね?とりあえず失敗しないで良かったよ」
2人で喜んでると…
「久しぶりに良いもの見せたもらったわ〜懐かしいわね、アキちゃん」
「あ、カオルさん見てたんですか?」
このスタジオ薫の責任者のカオルさんが声をかけてくれた。
そう…俺の名前は
「まだいけそうじゃない〜剣術道場をやっぱり再開した方が良いかしら?」
「勘弁して下さいよ〜師匠から免許皆伝もらってませんから無理ですよ。」
俺は呆れながらカオルさんに答える。
元々の道場主である俺の師匠は自分が高校生3年の頃に、まだ45歳だったのに心不全でこの世を去ってしまった。
師匠は結婚しておらず子供もいなかったので幼い頃から通ってた俺に20歳までに免許皆伝を与えて道場を俺に譲りたいと…
まあ遺言の手紙はそれを考えて俺が高校の頃には書いていたらしいのだけど…
ちなみにカオルさんは、師匠の妹で一度結婚して出戻ってきた人
本来なら道場や土地など財産をカオルさんに相続されても、不思議では無いけどカオルさんはそれを拒否。
その為、2人で考えて道場を畳んで残った道場や庭を活用して和風カフェ、貸しスタジオなどに利用することにした。
カフェ、スタジオ運営はカオルさんが…俺は道場などの家屋の修繕に庭の手入れをしている。
まだ自分が大学生なので空いてる時間にしか手伝えないけど…
「あ!ごめんすぐに片付けるね!」
午後からスタジオ利用者がいる為、俺は慌てて残骸になった巻き藁を片付ける。
「大丈夫よ、その分、次の利用者の方には時間サービスするから心配しないで良いわよ」
そして残骸になった藁や杏さんは設置したカメラを片付けて掃除して、俺たちは玄関先を出た。
「さてじゃあ着替えて少し遅いけどアフター(昼飯)行こうか?杏さん」
コスプレ界では何故かイベント終わりなどに飯やカラオケに行くことをアフターと言う…何故かは知らない~でも普通にそれがなるんだから仕方がない。
「あ…ちょっと着替えは待ってカムイさん…」
「え?」
俺は杏さんの車の中にあるバッグに着替えがあるので普段着を着ようと止められた。
まだ撮影するのだろうか?
場所はもう無いのに…
そう不思議に思う俺は杏さんの顔を見ると…
「ダンジョンで撮影しませんか?」
杏さんは俺に提案してきた。
「ダンジョンって…アノ、ダンジョン?」
「そうアノ、ダンジョン」
こうして俺の人生で一切関わらないと思っていたダンジョンとの長き付き合いが始まるとは、その時は思っていなかった。
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