怪異溢れる世界に
甲羅に籠る亀
第1話
俺の名前は
朝、起きると子供の身体になっていて驚いた。なんで子供の姿になっているのか。これは夢の中なのかと思って頬をつねってみるが痛いだけだった。昨夜は普通に疲れて眠りについただけなので起きたらいつの間にか子供の身体になっていたのだ。なにが起きたのかと考えているといきなり五歳までのこれまで生きてきた記憶や感情が流れ込んできて痛みで頭を抱えながらベットの上をごろごろと転がっていると
「にゃー」
頭の上から猫の鳴く声がして未だに痛みを感じている頭を押さえながら見るとそこには真っ黒な毛並みの猫がそこに居た
「にゃーにゃにゃ」
今もまだ痛い頭を押さえている俺にその黒猫が俺の額をぷにぷにの肉級でスタンプしてくると痛みが引いて来た
「あ、あれ?痛みが無くなった」
「にゃにゃーにゃにゃん」
痛みが無くなり身体を起こした俺に先ほど肉球スタンプをしてきた黒猫クロノワールが話しかける様に俺を見て鳴いている
痛みを伴い流れて込んだきた今までの記憶や感情を思い出しながらクロノワールを撫でていると部屋に母親の高坂桃子が入ってきた
「
「うん、お母さん。おはよう」
「おはよう。
「うん、わかった」
記憶の統合が起こる前の
一緒に寝室を出ると朝食は既に用意されていて一緒に食べていく
「お母さん、お父さんとお姉ちゃんは?」
「もう一仁さんは土曜日なのに仕事に晴子は中学校の部活に行ったわよ。今日の
「そうなんだ」
俺が朝食を食べ終わるとそれを見計らった様にクロノワールが膝の上にやってきた
「にゃん……にゃにゃん」
「クロノワール。なでなでして欲しいの?」
「にゃん」
クロノワールに聞くと返事をしたので食事が終わっているのでクロノワールを撫でていると母親の桃子が食器を持って洗い物をし始めた
「ごろごろごろごろ」
「ここが気持ちいいのか?」
「にゃうごろごろごろ」
気持ちよさそうなクロノワールが飽きるまで撫でていると母親から着替えるからと呼ばれた。外に行く準備があるからとクロノワールを膝から下ろすと文句を言う様にクロノワールはにゃーにゃーと足元をうろうろしながら足に身体を擦って鳴いている
着替えを持ってきた母親の桃子に着替えを手伝われて着替えを済ませるとクロノワールがそんな俺を押し倒してきて身体の上に乗られた
「重いよ……クロノワール」
「にゃ!にゃんにゃ!にゃうにゃにゃん」
重いとクロノワールに言うと怒った様に俺に猫パンチを繰り出してきた。クロノワールにベチベチと叩かれて案外痛い。重いと言った事を謝ってクロノワールを撫でていると外に出る準備を終えたお母さんが呼ぶのでクロノワールを下ろすと桃子の元に向かった
「一ちゃんもう時間だから行くわよ」
「わかったー!」
「クロノワール。お留守番、お願いね」
「にゃーにゃんにゃん」
クロノワールにお留守番をお母さんが頼むとお母さんと一緒に家を出ると車に乗って市役所に向かう
何で市役所に向かうのかと言うと今日は七歳になった俺が討滅士になれるかどうか確認する為に必要なエネルギーである生体エネルギーの今現在の生成量と保持量がどれくらいの量があるのかの検査を一月以内にしなくてはいけないのだ
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