スパークリング

樒倉 朱鷺

刺激を求めて

 ちょっと固い蓋に思いきり力を込める。ただ刺激が欲しくて。コーラとか、サイダーとか甘いのが好きだけど、大人ぶって。甘くもないただの炭酸水を喉に痛みを感じながら流し込む。ただぼうっとしながら、「刺激が欲しい。」と願うだけ。

 「青春は泡のように消えていく」って、ちょっと違うと思う。だって泡みたいに音を立ててなくなるなんてこともないし、飲み込もうとするときに胸を刺してくるんだ。泡みたいで儚くて良いじゃないかって言ってるやつは、多分青春に何もなかったんだろうなって思う。そんなのもったいないじゃないか。もっとこう刺激的で、たまにレモンみたいなほろ苦さがして、炭酸水みたいな青春が送りたい。でも、イチゴミルクみたいな甘い日もいいじゃないかとちょっと思うんだ。ちょっとだけ。

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