【完結】「神様を辞めて不良になる!〜僕のお気に入りの少女を虐める奴らなんて助けてあげない」

まほりろ

第1話「竜の神様と元聖女」竜神ルーペアト・サイド


『竜神ルーペアト様、俺たちの犯した罪を謝ります。

 心から反省しています。

 どうかいま一度、俺たちに竜神の加護をお与えください』







「や〜〜だよ。

 エルマを傷つけた奴らなんか知らないも〜〜ん」


「ルー様、どなたと会話しているのですか?」


「ううん、独り言だよ」


オープンカフェでエルマとまったりお茶を楽しんでいたら突如不快な声が聞こえてきた。


三百年も神をやっていた後遺症かな。


あの国から遠く離れた場所にいるのに時おりあの国の民の悲痛な叫びが届く。


二年前、僕はエルマに与えた光魔法を一時的に取り上げた。


エルマには使用人の振りをして、

「光魔法を失ったあなたはお城には住めません。

 新しい家を与えるのでついてきてください」

と言って城から連れ出した。


あまりにも素直に僕の言うことを信じるのでエルマの将来が不安になった。


彼女は典型的な悪い人間に騙され骨までしゃぶられるタイプだ。僕が守ってあげないと。


エルマを僕の隠れ家に案内し彼女のことを配下の妖精たちに預けた。


エルマに妖精の姿は見えず声は聞こえない。妖精たちには彼女が外に出ないように見張りを頼んだんだ。


隠れ家には水と食料を多めに用意しておいたから当面の暮らしには困らないはずだ。


僕はエルマの姿に変身して城に戻った。


彼らが光魔法を失ったエルマにどんな仕打ちをするのか知るために。


城に戻った僕は使用人に冷えて腐ったご飯を食べさせられ、冷たいお風呂に入れられ、ベッドメイクのされてない粗末な簡易ベッドに寝かされた。


エルマは毎日こんな仕打ちを受けていたのか。もっと早くに助けてあげればよかった。


それからパーティで王太子に公金横領と伯爵令嬢を虐めた冤罪をかけられ、婚約破棄され、国外追放を命じられた。


エルマに化けた僕に罵声を浴びせた貴族の顔を全員覚えた。


そのあと衛兵に拘束された僕は罪人用の荷馬車に乗せられた。


荷馬車は人通りの多い道を通り、沿道の民衆に罵声を浴びせられ、石を投げつけられた。


たどり着いた森に隣国の悪徳商人(はげデブ)がいて、彼に売られた事を知った。


僕が身代わりを務めて本当に良かったと思う。


エルマにこんな辛い経験をさせられないもん。


エルマに化けた僕にいやらしいことをしようとした悪徳商人の大事なものを消滅させ、彼にリウマチ痛風になる呪いをかけた。


僕を森まで運んできた衛兵にも同じ呪いをかけておいた。


悪徳商人は奴の罪状を調べ上げ奴の体に罪状を書いた紙を貼り付け、逆さ吊りにして隣国の城の前に吊るしておいた。


衛兵は記憶を消して森に放置した。獣に食べられてないといいけど。


そして僕は元の姿に戻って考えた。


エルマを傷つけてきた奴らへの罰をどうするかを。


全員にリウマチと痛風の呪いをかけてやろうかな?







もしよければ★から評価してもらえると嬉しいです!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る