第7話「処罰」ざまぁ





あれから、お父様の拷問……取り調べに耐えかねて、リック様は洗いざらい吐いた。


魅了魔法のせいにしようと言い出したのは側妃様だと言うことも。


ミア様は魅了魔法なんか使えないことも。


第二王子殿下もリンデマン伯爵令息もリック様も、心からミア様とのお付き合いを楽しんでいたことも。


ミア様が「カロリーナ様と、マダリン様と、エミリー様にいじめられてるんです〜〜!」と言ったのを信じ、裏付けも取らず断罪したことも。


第二王子殿下とリンデマン伯爵令息とリック様が、進級パーティで本気で婚約破棄しようとしていたことも。


第二王子殿下とリンデマン伯爵令息とリック様に同情が集まるように、民衆を誘導したことも。


彼らが犯した罪の全てが白日のもとにさらされました。


その結果、第二王子殿下は王命による婚約を勝手に破棄しようとし、進級パーティで公爵令嬢に冤罪をかけた上に罵倒、さらに進級パーティを台無しにしたことなどの罪に問われ、王位継承権を剥奪され、王族から除籍、北の塔に幽閉されることになりました。


北の塔は罪を犯した元王族が死ぬまで幽閉される場所です。


アルド様はあと何年生きられるでしょうか?


側妃様は、アルド様の罪を軽くするためにありもしない魅了魔法にかかったことにし、国王や関係者を騙したこと、アルド様に同情が集まるように民衆を誘導したことなどの罪に問われ、側妃の身分を剥奪され、やはり北の塔に幽閉されました。


側妃様のご実家のオットー伯爵家は側妃様の計画に加担したとして、二階級降格させられ男爵家となった。


べナット・リンデマン様は、ご実家のリンデマン伯爵家から除籍された。


リンデマン元伯爵令息は、二度と剣を持てないように右手の骨を折られ、郊外の森に捨てられたそうです。


リック・ザロモン様も、ご実家のザロモン侯爵家から除籍されました。


リック様は二度と魔法が使えないように体に魔法封じの印を刻まれ、死の荒野に置き去りにされたそうです。


リック様にはお兄様がいたのですが、リック様が私に言ったことを知った婚約者から、

「ザロモン侯爵家では子供にどういう教育をしているの? 最低ね」

と言われ婚約を破棄されたそうです。


リック様は子爵家に婿入りする身で、

「愛人を囲うから金を出せ。愛人と暮らすための別邸を建てろ。僕の遺伝子を受け継いだ子供が授かるだけ幸運だろ」

と言ったのですから、ザロモン侯爵家の教育方針が疑われても仕方ありませんね。


リック様の悪評は国中に広まりました。


ザロモン侯爵家に嫁入りしたい貴族は今後現れないでしょう。


オットー男爵家と、リンデマン伯爵家と、ザロモン侯爵家は、貴族社会からのけものにされ、苦しい立場に立たされています。


近いうちに爵位を返上するのでは?と噂されています。


息子がしでかしたことの責任を取り、ザロモン侯爵は魔術師団長の職を、リンデマン伯爵は騎士団長の職を辞しました。


お二人が職を辞した理由は、事件の真相が明かされたあと、魔術師団長と騎士団長の言うことを誰も聞かなくなってしまったことによる精神的なショックが大きいようです。


ナウマン男爵家とミア様の処分は、婚約者のいる第二王子とその他の貴族令息を誑かしただけですので、男爵家はお取り潰し、ミア様は娼館に送るのが妥当ということになりました。


つまりは前に下されたのと同じ処分が下されました。





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