ハピー 木霊の涙

@kamekamikameru

プロローグ

 静かな森の中、一人の少女がさまよっていた。彼女の「ここはどこ?」と不安げにさまよっている様子が上空からカメラで撮られていた。それを見ていた腹の出た手下の男Aは「見―つけた!」とボタンを押した。すると飛行機下部の扉が開き、網爆弾が発射された。音に気付いた彼女は木を飛び移りながら、攻撃を交わし去っていった。それを見ていた男はもう1度彼女を狙おうとしたが、隣に座っていた青年が「まて!」と止めた。隊員はボタンから手を放し男に向かって問い詰めたが、彼はそれに答えずただ飛び去って行った後の空を見ていた。楽しそうに笑いながら走り回っていた少女を思い出しながら。

 網爆弾から逃げ切りしばらく飛び続けていた時、彼女は突然口を開き、「さっきのやつら、なんで私のこと狙っていたのかしら。たいしてかわいくもないのに。」と言った。そのあと「ね、キッピ?」と鞄に向かって話しかけたが返事がなく、ふたを開けると苦しそうに寝込んでいる妖精の姿があった。それを見た彼女は「キッピが危ない。」と考え、引き返した。


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