SERTTRPPO0-0

エリー.ファー

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 そのまま眠ってろ。俺が逃がしてやる。

 いいか、お前は気を失っている状態が続いていて、何も聞いていないし、何も知らない。当然、自分の意思で動くこともない。俺の手によって運ばれていくだけだ。

 いいな。何もするな。そうすれば、どこかには行き着く。

 分かってる。

 不安、なんだろ。

 その不安は的中してる。

 ただし、ここよりはましだ。

 だから、逃げるべきだ。

 いいな。これ以上の情報は出てこないぞ。たとえ、お前がここで暴れて俺を巻き添えにしたとしても同じだ。

 お前には何も武器なんてない。

 何もかもどこかに落としてしまったかのようなものだ。

 俺だけに権利がある。

 お前にだけ義務がある。

 借金は積み重なるばかりで、首が回らなくなれば、そのタイミングを狙って奴らがやってくる。

 人生を棒に振るな。俺には分かる。お前は自暴自棄になってる。でも、それは気の迷いだ。所詮、花火でしかない。焼き付いたような感覚があるだけで、実際に焼き付いたわけじゃない。現実を受け止めろ。


 すべてが変わっていく。時間を抱きしめながら文字を連ねている。完全に忘れてくれることを祈るばかりである。

 言葉だけではない。

 小説にこめるだけでもいけない。

 重要なのは魂である。

 指先に希望を乗せる限りは人間を名乗ることができる。


「ひっそりと死んだそうです」

「聞きました」

「でも、多くを学ばなければ今を理解することはできません」

「会話になっていない」

「会話をする気などありません」

「その点では、気が合っていると言えるのかもしれませんね」


 もうすぐ月に到着します。

 お連れ様が泣く前に、外に出て下さい。

 今すぐにお願いします。

 とにかく、早く。


 この刃は桜に似ている。

 悲壮感はブランドと化した。

 雲の中に見える山々が美しい。

 どうか、一つ。

 今を捨てて欲しい。

 どうか、一つ。

 数えて欲しい。

 どうか、一つ。

 何もかも一流。

 圧倒的かつ絶望的。


「はじめまして」

「はじめまして」

「ここで何をしているのですか」

「特に何もしていません」

「それでいいのですか」

「何がですか」

「何かになれるかもしれません」

「えぇ。そうだったような気もします」

「だった、というのはどういう意味ですか」

「物理的な距離が生まれていく。悲しい。でも、やめられない。さようなら。あの一瞬だけ、同じ場所にいられたけれど。そう、それだけだった。分かっています。でも、それでも」

「さようなら」

「あぁ、さようなら」

「あの」

「暇なんですか」

「失礼しました。さようなら」


 記録のような記憶をあなたのために。

 完全からほど遠い感情を完璧なものに近づけたいのです。

 手紙の中に記憶が潜んでいます。

 青く輝くオムライス。


「金銀財宝なんてなかったんですよ」

「そりゃ、そうでしょ」

「分かってたんですか」

「もちろん」

「じゃあ、なんで」

「この時間を宝に変換できる方法を見つけたからです。あなたのことは知りませんが、私は問題ありません」

「そうやって、考えているんですね。誰にも相談せずに」

「あなたに相談をしなかっただけです」

「悲しいですよ。信頼されてなかったなんて」

「もう、あっちに行っていいですか」

「いや、まだ話すことがあって」

「あなたの話に価値があると思っているのは、あなただけですよ」

「嫌いになりそうですよ」

「あなたに嫌われたいんですよ。皆、あなたと仲良くなりたくないから、あなたに嫌われたくて必死なんですよ。なんで分からないんですか」

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